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| 2010年04月23日(金) |
「ギリシャ 正式に緊急融資要請」←予想されていたことです。スペイン・ポルトガルにも注意。 |
◆記事1:ギリシャ 正式に緊急融資要請(NHK 4月23日 21時59分)
深刻な財政危機に陥っているギリシャは、EU=ヨーロッパ連合とIMF=国際通貨基金に対して、
正式に緊急融資を要請し、ユーロ加盟国として初めて大規模な支援を受けることになりました。
ギリシャでは、去年、巨額の財政赤字が発覚し、ヨーロッパの単一通貨ユーロの大幅な下落を招いたほか、
世界の株式市場にも影響を与える事態になりました。ギリシャは、みずから財政の建て直しを目指したものの、
経済状況が悪化の一途をたどるなか、自力での財政再建を断念し、23日、EUとIMFに、緊急融資を要請しました。
これを受けて、EUは最大300億ユーロ、日本円で3兆7000億円余り、IMFもこの半分相当の資金を用意して、
具体的な金融支援に乗り出すことになり、ギリシャの財政破たんという事態は回避される見通しになりました。
ヨーロッパの単一通貨ユーロは、1999年の導入以来、域内の経済成長に貢献してきましたが、
加盟国が初めて大規模な金融支援を受けることになったことで、ユーロ経済圏は大きくつまづくことになりました。
◆記事2:独財務相はギリシャが正式に支援要請すると予想=議会筋(4月21日21時46分配信 ロイター)
ドイツのショイブレ財務相は21日、議会の委員会で、ギリシャが正式に金融支援を要請すると
独政府が予想していることを明らかにした。委員会の出席者がロイターに述べた。
同財務相はギリシャが支援を要請する可能性について「予想しておく必要がある」と語った。
また支援要請があれば速やかに承認するよう議会に対して準備を要請した。
同財務相は野党の協力があれば10日程度で承認可能との見方を示した。
◆コメント:何が問題なのか(その2)
ギリシャの財政危機の何が問題なのか、に関しては2月に書きました。
2010年02月15日(月) ギリシャ財政危機の何が問題なのか? (ココログ)
それを(その1)と見なし、今日の説明が、(その2)という訳です。
それはさておき。
(その1)で書いた通り、EU加盟国は単一通貨ユーロの信頼性を保つために財政赤字や国の借金を
GDP(国内総生産)の3%以内に抑える、財政基準があるのですが、
ギリシャの統計はどうなっているのか、実は、財政赤字は2月の時点でGDPの12パーセントに達していたことが
判明しました。しかも、ギリシャはそれを認識していながらある金融手法を用いて誤魔化していたことまで
明らかになったので、運命共同体であるEU全体の信用が失墜し、外為市場でもユーロは対ドルや対円で売られ続けました。
ギリシャは、真相が明らかになってから、財政再建計画を発表しましたが、そんなに簡単に赤字は解消しません。
ギリシャ国民も分かって無くて、財政再建策の一部として公務員の給与の凍結や、賞与の削減案に反対して、
2月から国家公務員が大規模デモを繰り返しています。
驚いたことに数日前から24時間ストに突入しています。
◆記事:ギリシャで公務員スト=信用不安再燃、市場圧力一段と(4月22日18時56分配信 時事通信)
アテネからの報道によると、ギリシャの公務員労組は22日、同国政府の緊縮財政や年金制度改革に抗議し、24時間ストに入った。
ギリシャをめぐる信用不安は再び強まっており、同国の国債利回りは一段と上昇。
信用力に欠けるギリシャが市場から資金調達するコストは増大し続け、同国の苦境は深まっている。
ギリシャでは同日、学校や税務署といった公共サービスのほか、医師らのスト入りにより病院も緊急時を除き業務を停止。
ギリシャ政府は21日、国際通貨基金(IMF)や欧州連合(EU)と、緊急融資に向けた協議を開始した。
IMFなどから融資を受けることになれば、一段と厳しい財政緊縮策が条件付けられる公算が大きい。
公務員労組はストを打つことで、協議をけん制した格好だ。
どこの国でも庶民はこの程度かもしれませんが、自分達の国が、世界中に迷惑をかけている
ということを認識して欲しいものです。しかし、欧米人というのはこの調子なんです。
他国のことなど知った事じゃない。自分の家計が何より大事。パワー全開の自己主張
(たとえ、それが論理的に無茶苦茶でも)。それが「ガイジン」です。
話が逸れました。
ギリシャは5月19日に国債の償還があるのです。国債とは国の借金を証券化したものです。
「償還がある」とは、要するに借金の返済日だということです。
ところが、ギリシャの財政状況があまりにも悪いので、自力で借金返済(国債の償還)に充当する資金を
調達出来そうにない。それが今回、EUに支援を正式要請した、短期的・直接的な要因です。
もしも5月19日に国債の償還が出来なければ、期日に借金を返せない。それを債務不履行=デフォルトとなります。
そうなったら、その1(ココログ)で書いたとおり、EUは運命共同体ですから、EU加盟国全体の信用が失墜し、下手をすると他の国も自力で資金を調達できなくなるなど、
様々な問題が予想されます。
だから、ドイツなんかは、本当はギリシャをEUが支援することになったら、一番大きな負担を求められそうなので、
本当は支援するのはいやなのですが、そうも言っていられなくなりました。
◆ギリシャだけじゃないのに、「前例」を作ってしまった。
EU加盟国の一国が、デフォルトに陥ったら(期日に借金の返済ができなかったら)、
ヨーロッパ全体の信用が失墜し、ひいては、今、折角世界景気が漸くすこし谷底から這い上がろうとしているときに
また、元の木阿弥になりかねないので、応急処置としては、仕方がないのですが、
ギリシャの財政赤字が、改善されないと、「EUは、どうも危ない」と見なされ、
外為市場で、ユーロが対ドル、対円で売られます。日本側から見ると「円高」で、輸出企業の採算を悪化させます。
すると日本経済にも長期的には影響があります。
また、ヨーロッパでは、ギリシャ以外に、スペインと、ポルトガルも財政危機に直面していて、
ギリシャほどではないにしても、ギリシャを助けたことにより、兎にも角にも「前例」が出来てしまいました。
他の国が破綻寸前になったら、また支援せざるを得ないでしょう(それは起きるかどうか分かりませんが)。
ドイツをはじめ、他のヨーロッパの主要国だって、財政は苦しいのですから、
また、デフォルトになりそうな国が出たらたまったものではありません。
ギリシャが正式に支援を要請し、EUはその要請を受け入れるのは間違いないので、
「とりあえず」ニューヨーク株式市場は23日(金)、1年7カ月ぶり高値で終了したそうですが、
世界の経済がまだ安定していないことが明らかになったのですから、
戻ったところ、来週は利食いの売りがでたり、暫く不安定な状況が続くでしょう。
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