JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆昔のヴァイオリニストです。美音でした。 しばしば、昔のヴァイオリニストは、個性的で、いまのジュリアードで習った人達はテクニックはあるけど、 何かエルマンに恨みでもあるのか? と少々不愉快だったからです。 失礼を致しました。 ◆エルマンより今の日本の若い人の方がテクニックはあるかも知れませんが・・・。 純粋に早いのを正確に弾けるかとか言うことで言ったら、それは今の学生さんの方が、 ◆【音楽】アンコール集 エルマン(vn)セイガー(p) より。 CDは、AmazonでもHMVでもTowerRecordでも買えますが、Amazonだけ試聴できないので、 エルマンの「ユーモレスク」を聴くと、ホッとする、 と書いています。プロですらそうなのか、と、何だかこちらもホッとしたことを思い出します。 ユーモレスク 変ト長調 Op. 101 No. 7 (ドヴォルザーク--編曲:アウグスト・ヴィルヘルミ) Humoresques, Op. 101: No. 7 in G flat major エルマンが来日した時、日比谷公会堂かどこかで、リサイタルがあり、 アンコールでエルマンは、この「ユーモレスク」を弾いたそうで、それを実際に見て、聴いた人によると、 今の若いヴァイオリニストだったら、照れちゃってこんなの弾きませんが、エルマンは、実に気持ちよさそうに 楽しそうに弾いたそうです。 ベートーヴェン 「ト長調のメヌエット」 お聴きになれば、「ああ、あれか。」と思われる筈です。 Minuets, WoO 10: No. 2 in G major ここまでの曲、いずれも「ヴァイオリンが歌っ」ています。その「歌心」が、聴き手の心の琴線を震わせます。 以上は技術的には易しい曲ばかりです。このレコードは1958年にエルマンのアメリカデビュー50周年を記念して 作られたとか。 エルマンの晩年ですが、Wikipediaで批判的な文章を書いている人物は「チゴイネルワイゼンに至っては、技術が衰えているため、 難しいところは思い切りテンポを落として弾いている」という意味のことを書いていますが、私はそれはどうかな?と思います。 聴いて頂きましょう。 サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン Sarasate Zigeunerweisen, Op. 20 ハイフェッツと比べたら、それは確かにテンポは遅いです。最後モルト・ヴィヴァーチェ。ハイフェッツは一番速いところでは、 テンポ180近い。全盛期のハイフェッツと比較したら気の毒です。 岩城宏之さんの「棒振りのカフェテラス」という本に書いてありますが、ハイフェッツですら最晩年は、 小品すら通して弾くことができず、編集でつないでいたそうですから。 エルマン先生は思いきり遅いですが、音質は乱れていないし、音を飛ばすこともない。 左手ピチカートもきちんと鳴らしている。曲の最後の最後ではアッチェレランドをかけて非常に高いポジションの音程が 狂っていない。ただ、何度も出てくる、和音が三つ続くところで、あまりにテンポを落とすし、演りたい放題なので、 これは伴奏者、ジョセフ・セイダー氏の健闘を讃えるべきでしょう。 最後です。 マスネー:歌劇「タイス」 - 第2幕 瞑想曲 Massenet Thais, Act II: Meditation 全体としてお分かり頂けたかと思いますが、エルマンの音は決して、刺激的に鳴らないのです。 録音が古いこととは無関係だと思います。奏者が常に「美しい音」をイメージいていなければ、 ヴァイオリンのみならず、どんな楽器でも良い音が出せるようにはなりませんし、それを維持できない。 エルマン氏は、一生、理想の音を追い続けていたのかも知れません。 好き好きですが、このCDはお薦めです。とにかくエルマン聴いたこと無い、じゃ、問題外でっせ。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2009年01月20日(火) 「<麻生首相>漢字力を巡り民主と質疑」←民主党、真面目にやれ。【為参考】民主党宛抗議メール全文。
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