JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆日銀が毎月発表する「金融経済月報」というリポートがあります。 先週の火曜(13日)、水曜、日銀が毎月行う金融政策決定会合がありました。 わが国の景気は持ち直しつつある。 とあります。過去の基本的見解は金融情報専門メディアのブルームバーグが表にしています。 日銀:金融経済月報−過去の基本的見解(表) です。ここ数ヶ月だけ少し拾うと、 10月 わが国の景気は持ち直しつつある。 となって追い、9月、10月続けて表現がプラス方向に変わっています。 しかし、実際、どうなのかな、と思います。 ◆先週(10月12日〜16日)の経済関連指標を簡単に説明します。 13日(火)銀行貸出残高。 ◆9月貸出残高は1・7%増 伸び率は9カ月連続鈍化(共同通信) つまり、銀行が貸し出してまだ返済されていないおカネの金額は前年同月比+1.7%なのですが、 「伸び率が鈍化し、2008年5月以来の低水準」ということは、貸し出す量が減っている。 景気が良いなら、どんどん企業がおカネを借りて設備投資を行う筈で、新規の貸出が減っているのは、 そういう資金の需要が減っているということです。 9月の中古車登録台数 ◆9月の中古車登録台数、13%減 24年ぶりの低水準(日経)(10月14日) 説明するまでもない。所得が減っているから新車販売も減っていますが、新車よりも買いやすい筈の中古車販売台数が、 24年ぶりの低水準。ということです。 14日(水)9月の企業物価指数。 ◆9月の企業物価、7.9%下落=下げ幅やや縮小−日銀(10月14日13時1分配信 時事通信) 企業物価指数とは、以前、「卸売物価指数」と呼ばれていたものです。 7月、8月は前年同月比マイナス8.5%と過去最大の下落率でしたが、これは、昨年、原油高騰のため、 物価全体が押し上げられていて、それが正常に戻ったため、当然下落率が大きくなったのです。 しかし、企業物価指数が下がり続けて消費者物価指数が上がるということは通常考えにくいので、 この傾向が続くとデフレとなり、モノの値段が下がるのですから、モノを作っている製造業の収益を減少させます。 9月首都圏マンション発売戸数 ◆2年1カ月ぶりプラス=9月は26.2%増−首都圏マンション発売(10月14日17時0分配信 時事通信) 25ヶ月ぶりに首都圏マンション販売戸数が前年同期比プラスに転じた、といっても、 このデータを発表している不動産経済研究所は10月は、再びマイナスになるだろう、と予想しています。 今月だけ、前年比プラスでも、好材料と簡単に見なす訳にいきません。 15日(木)JAL株が上場来安値 ◆JAL株が上場来安値、再建案に難問山積との見方(10月15日14時30分配信 ロイター) 日本航空は経営危機にあるわけです。今年6月に1000億円ぐらい融資を受けました(政策投資銀行と3メガバンクから)。 それ以前の借金もあります。ところが全然収益が上がらないので、何と再建計画として、これら主力銀行に、 3000億円近い債権放棄を要請するといいます。つまり借りたお金を返せない。返したら潰れてしまう、と。 そういわれても、巨額の融資ですし、銀行も日本航空が潰れて融資が焦げ付いたら、業績にモロに響きます。 だから、日経平均株価は上がっているけれども、銀行株は逆に売られています。銀行株の動きは市場が注視しているので、 日本航空が潰れると(つぶれそうなのですが)マーケット全体に影響を与えます。非常に日本経済にマイナスとなっている 要因です。 というわけで、金融経済月報は楽天的で、景気が持ち直しつつあるといいますが、 民間では、もう一回景気が落ちこむのではないか、所謂「二番底」があるのではないか、 という見方が広まっていると思います。 文字通り「景気が悪い話」ですが、事実は認識しておかないといけません。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2008年10月18日(土) 「シティなど米大手金融機関、公的資金の受け入れ発表」←早くやっておけばよかったのに・・・・。
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