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JIROの独断的日記
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2009年09月30日(水) 【音楽】10月1日は「CDの誕生日」なんですね。私が最初に買ったCDをご紹介します。

◆1982年10月1日、この世にCDとCDプレーヤーが現れました。

年表を読んでいて、毎年思い出すのですが、10月1日はCD記念日なのです。

コンパクトディスクが、この世で売られる様になったのは1982年の今日。

何と27年も前の話。

若い方は物心ついたときからこの世にCDが存在していた、という状態でしょうが、

私の世代にとっては、結構衝撃でした。

私はちょうど、クラシックに本格的に目覚めて、

アナログ・レコードを、少しずつ買っていました。学生でしたから、頻繁には買えません。

また、アナログ・レコードは、針でレコード盤の溝から音を拾うわけですから、

何度も聞いていると文字通り「すり減る」ので、カセットテープにダビングし、

それを自分の部屋のカセットデッキで聴く、という面倒なことをしていたのです。


ところが、1982年を境に、急に「これからはCDです」ということになったのです。

そう言われても、当初のCDプレイヤーは矢鱈と高価なものでしたから、暫くは買え無かった。

やがて、今のCDウオークマンの前身のような、コンパクトなCDプレーヤーが出て、4万円ぐらいで、

私もその頃には社会人になって、自分のおカネが少しはありましたから、思い切って買いました。


◆CDプレーヤーを買ったのは良いけど、クラシックのCDは当初さほど種類が無かったのです。

CDプレーヤー(ハード)を買ったのは良いけれど、クラシックのレコードはまだ、それほど

CD化されてなかったのです。それは、やはりレコード会社としては、売れないクラシックより、

何万枚、何十万、時にはミリオンセラーになる、ポップスとか

(私は全部ひっくるめていまだに「歌謡曲」と呼んでますがね)ロックなどから、

商品化したのです。


でも、これはナンセンスなんです。CDてのは、開発の経緯を読むと分かるけど、

本来、「クラシック音楽を高音質で再生するため」に出来たのです。

クラシック音楽、そうですなあ。チャイコフスキーの「悲愴」でも、

ベルリオーズの「幻想」でも、或いはマーラーの交響曲辺りを聴くともっとよく

分かるけど、ダイナミックレンジ(最弱音と最強音の音量の差)がものすごく広い。

アナログ・レコード時代はそれが、レコード制作する人たちのアタマの痛いところで、

最弱音に合わせたら、フォルティッシモで音が割れる。最強音に合わせると、ピアニッシモで

音質が低下したり、雑音が入る。

特に、雑音は微かだけどどうしても入る。針とレコード盤が接触しているから摩擦音が出る。

CDを最初に聴いたときは、驚きましたね。総休止といって、オーケストラで誰も音が出さない瞬間でも

全く雑音が無い。有りがたいものが出来ました。


さて、話が逸れたけれども、CD、何を買おうか考えた末、やはり私はラッパ好きですから、

フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルの「ヘンデル特集」と、クラシックも吹く

ジャズ・トランペッター、ウィントン・マルサリスのバロック曲集が目に留まり、買いました。

今日は、その、私が四半世紀前に初めて買ったCDの一部をお聴き頂きます。

マルサリスが、コロラトゥーラ・ソプラノとして世界的に有名な、エディタ・グルベローヴァと

協演している。申し訳有りませんが、日本じゃどこにもない。アメリカのAmazonにありました。

Wynton Marsalis - Baroque Music for Trumpetです。


◆ドイツの作曲家・ファッシュ。ヘンデル、トレルリの作品。

最初に収録されているのは、17世紀末から18世紀作曲家、ヨハン・フリードリヒ・ファッシュの作品。


トランペット、2本のオーボエと弦楽のための協奏曲です。三つの楽章で構成されています。


ファッシュ:トランペット、2本のオーボエと弦楽のための協奏曲



第一楽章・アレグロ


Fasch Concerto For Tumpet, Oboes & Strings In D Major -- I. Allegro



第二楽章・ラルゴ


Fasch Concerto For Tumpet, Oboes & Strings In D Major -- II. Largo



第三楽章・アレグロ・モデラート


Fasch Concerto For Tumpet, Oboes & Strings In D Major -- III. Allegro Moderato



ウイントン・マルサリス はジャズ・トランペット奏者ですが、ジュリアード音楽院で勉強していますから、

音楽のツボを完全に押さえています。過度にテクニック誇示にならず、しかしテクニックは完璧です。

高音でも音が堅くならず、フレーズの終わり方が非常に丁寧で、音楽的な演奏です。


◆ソプラノ、グルベローヴァとの共演。

歌とトランペットでは随分音質が違うように思いますが、まあ聴いて下さい。曲は、


ヘンデル:輝けるセラフたちを(オラトリオ「サムソン」)エディタ・グルベローヴァ(ソプラノ)



"Let The Bright Seraphim" From Samson



マルサリスもさることながら、グルベローヴァって人、上手いでしょ?器楽的な細かい音型も完璧な音程で

歌っています。人の声とトランペットの音が醸し出すハーモニーは、不思議なほど溶け合っています。


◆最後はトレルリのソナタです。

トレルリってのは、有名なバロックの作曲家です。この作品はこのCDで初めて聴きました。

楽章の切れ目がなく演奏されます。


トレルリ:トランペット、弦楽と通奏低音のための5声のソナタ


Torelli Sonata A 5 For Trumpet & Strings, T.V. 3



ウィントン・マルサリスは、多くのCDを出しています。超絶技巧を披露している演奏もありますが、

今日、ご紹介した演奏から、音楽的教養、品の良さが表れています。優れた音楽家だと思います。

如何でしたか?

それでは。

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