JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:「ほっとした」「いい経験」裁判員が会見(8月6日17時29分配信 読売新聞) 全国初の裁判員裁判となった東京都足立区の路上殺人事件で、東京地裁での判決言い渡しを終えた裁判員経験者ら7人は、 ◆コメント:裁判員がテレビで記者会見って、何を考えているのだろうか。 驚いた。裁判員が記者会見って、せいぜいコメントが新聞に載るぐらいかと思ったら、 裁判員になったことで,事件関係者から危害を加えられることはありませんか。 さらに、 報道機関により,裁判員も法廷内で撮影され,テレビや新聞に報道されることはあるのですか。 (注:色文字は引用者による)。 ご覧のとおり、万が一の危険を防ぐ為に、 法律上,何人も,名前,住所その他裁判員であることを特定するに足りる情報を公にしてはならない のである。今日の「記者会見」は、裁判員を務めた人々の個人情報(氏名、住所等)はさすがに報じていないが、 彼ら、彼女らの知人が見れば、当然「アッ」と思うだろう。その中にタチの悪い奴がいれば、 「あの記者会見で右から何番目に座っていた人の住所、氏名、電話番号は」とネットに書き込むかも知れない。 そうなれば、あっと言う間に全国に裁判員の個人情報が知れてしまうではないか。 それでは、どうして今日の記者会見が可能だったのか? 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律「第六章裁判員等の保護のための措置」 第101条の文言(もんごん)は次の通り。 (裁判員等を特定するに足りる情報の取扱い) 本来、「裁判員は誰か」は、裁判員に選ばれた時、裁判に携わっている最中は勿論、裁判が終わった後でも、特定されるべきではない。 だが、101条で明らかなとおり、「本人がこれを公にすることに同意している場合」は裁判員を特定できるような事をしても構わない、というのである。 この条文自体問題だと思う。 今回は、「最初の裁判員による裁判」ということが考慮されたのであろう。死刑か無期懲役か、という判断を求められる刑事事件ではなかったが、 今後、回数を重ねるにつれ、いよいよ、本当に「被告人を死刑に処す」判決を裁判員が下すケースが出るだろう。 この場合、仮にそのまま死刑が確定したら、被告人の身内の人間からの嫌がらせ、ひどい場合には報復が予想されるし、 それのみならず、特に、匿名で相手に連絡出来るインターネットが普及しているこの時代である。世間一般からの嫌がらせが、必ずあるだろう。 本件の裁判員は日本史上最初の裁判員を務めた「歴史上の存在」であることと、死刑云々に関わらずに済んだため、 気分が高揚して、思わずテレビに出てしまったのだろうが、今回とて、個人が特定されることはほぼ確実であり、 予想もしない嫌がらせのきっかけになる可能性がある。 そういうことは、法律にも、マスメディアの影響に関しても素人である裁判員たちは、正しく認識出来ないのだから、 マスコミが自粛して、裁判員の顔を撮影するべきではなかったし、法務省も、許可するべきではなかった。 今回の例一件では分からないが、裁判員は最初の日はおっかなびっくりだが、 3日目になると随分、法廷の雰囲気に慣れるようだ(最後には、全ての裁判員が被告人に質問したというではないか)。 多分、今まで無関係だった「司法」「法廷」に関わったという非日常性や、 一時的にではあるが、「司法権」という「国家権力の一部」に従属したことにより、個人の感情に一種の快感をもたらすようだ。 だから、その後の「万が一の危険」にまでは頭が回らない。 それをカバーしてやるのが、プロ、即ち法律の専門家やマスコミの良心だろう。 101条は早速改正するべきだ。本人の同意が有ろうが無かろうが、裁判員個人を特定出来るような情報 (テレビに顔が映ることも、歴とした「個人の特定を可能にする情報」だ)は一切公にするべきではない。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2008年08月06日(水) 【北京五輪批判2】「五輪成功のため我慢」 四川大地震3カ月、なお4千〜5千人埋まったまま←我が目を疑いました。
JIRO
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