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2009年07月26日(日) |
「児童向け英会話ビジネス活発化 英語教育の必修化、不況が教育投資を後押し」←小学校で英語を教える必要はない。 |
◆記事:児童向け英会話ビジネス活発化 英語教育の必修化、不況が教育投資を後押し(7月26日13時0分配信 MONEYzine)
公立小学校で英語教育が必修化されることを受け、国内で児童英語に対するニーズが高まっている。2
011年度に完全実施される新学習指導要領は「小学5〜6年生の英語活動」が必修化され、英語能力が問われる。
具体的には、英語の音声や表現に親しみむことで、コミュニケーション能力の育成を目指し、授業は週に1回程度(年間35時間)実施される。
この決定を受けて、大手予備校「東進ハイスクール」などを運営するナガセは子供向け英語教室事業に参入することを決めた。
世界120カ国で放映された子供向け教育番組「セサミストリート」のキャラクターを使った教材を開発し、
2010年10月から全国でフランチャイズチェーン(FC)方式で展開するほか、中国やインドにも教室を設け、新たな収益源に育てる。
◆コメント:文科省はどうして考えられる限りの愚策を実行するのか。
昔から言われていることだが、旧国家公務員上級試験(現、国家公務員I種試験)という、
中央官庁の幹部候補生、「キャリア組」を採用する試験で一番成績の良い奴らが旧大蔵省(現財務省)に採用され、
一番成績が悪かったアホが、旧文部省(現、文部科学省)に配属される、という「うわさ」である。
つまり、一番バカの集まりが文科省役人らしいが、最近は厚労省の愚策や、景気をどうにも出来ない財務省も
自分たちで思っているほど、頭が良くないのではないかと思う。さて、以上は、「嫌味」である。
以下、問題点を述べる。
一つ目。「ゆとり教育」で、私の知る限り、少なくとも東京の小中学生の学力低下は著しく、
外国語を教える時間を費やすならば、国語力の向上のための対策を考えるべきである。
母国語の基礎さえ出来上がっていない子供に外国語を教えても、習得、向上は望めない。
「効果がない」だけなら、まだ良い方で、日本人は語学学習で、とかく発音を軽視しがちだが、
語学で「最初は発音は適当で良い」理由はどこにもない。
最初から、本当の正しい発音を教えられる教師が中学の英語教師ですら少ないのは問題である。
初めに「カタカナ発音」でやるから、変な癖が付き、後から矯正するのが難しいのである。
海外へ行くと分かるが、同じ事を話していても、発音が良いと、ガイジンがこちらを見る目が違う。
逆に言うと、発音が悪いと、ネイティブには「バカ」に見えるのである。
繰り返すが、如何なる語学でも「はじめのうちは発音は適当(いい加減)で良い」理由はどこにもない。
それは、あたかもヴァイオリンを習うとき、「最初は汚い音で良い」というようなもので、
そんなことをいうヴァイオリン教師がいたら、偽物か詐欺師と見て間違いない。
二つ目。小学校の教師は英語を教える訓練を受けていない。これから講習を受けさせるのだろうが、
「外国語を教える」ということは、れっきとした「専門的技能」であり、その為のプロによって
行われるべきだ。
自分たちが今までロクに英語を読み、聞き、書き、話したことのない小学校教諭に、
付け焼き刃で「英語の授業の進め方」だけ教えても、効果的な語学指導は全く望めない。
それは、たとえを用いるならば、私は全くフランス語を知らないが、その私がこれから、
「アテネ・フランセ」か「日仏学院」に1年半ほど通い、少々フランス語を覚えた後、
いきなり、自宅に
「JIROフランス語教室---初心者でも大丈夫。丁寧に教えます」
という看板を出して、語学教室を始めるようなものである。
このような例を出すと明らかになるが、民間だったら、殆ど詐欺的な行為である。
三つ目。小学校での英語教育が必修化されるといってもわずかに、週1時間である。
語学など毎日練習しなければ上手くならない。子供が1週間に一回授業をうけたとしても、
恐らく、次の授業まで何もしないだろう。完全な「官僚的形式主義」である。
四つ目。三つ目の理由と同じようなことだが、語学に限らないが、勉強は、本人が
やる気になって能動的に学習しなければ上達しない。
逆に言うと、必要に迫られどうしても英語を必要とする状況になったら、
大人になってからでも、誰でも必死に英語を勉強する。それからでも十分に間に合う。
仕事で英語を話す必要がある人と、無い人の上達のスピードの差は歴然としている。
日本の小学生は、普通、英語のネイティブと親しく話す「必要」がない。したがって、
本人(子供達)が本気にならないことは、ほぼ、目に見えている。
◆結論:小学校で英語を必修科目にする必要は認められないし、実施しても効果は全く期待出来ない。
他にも、「小学校で英語」に反対する理由は書こうと思えば書けるが、
キリが無いので、この辺で止めておく。
前段で書いた理由により、公立小学校の教育課程において、形ばかりの「必修英語」を設けることに
必要性・必然性は認められず、実施したとしても効果は全く期待出来ない。
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