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2009年06月19日(金) |
【再差替】【音楽】クラリネット特集。/【追加】ウェーバー:クラリネット五重奏曲。カールライスター、安永さん。 |
◆クラリネットは特集したことが無かったですね。名曲が多すぎるのです。
今までに、色々な楽器を取りあげてきたつもりでしたが、そうでもないですね(笑)。
オーケストラを別にすると、自分の好きなラッパ(金管)や、オーソドックスな、ヴァイオリン、ピアノ、オーボエなどが多いけれど、
オーケストラや吹奏楽に使われている楽器はまだまだあります。
今日はクラリネットです。オーケストラで吹いておられるアマチュア奏者もいらっしゃるでしょうが、
かつてブラスバンド(吹奏楽)で吹いていたことがある、という方は多いのではないでしょうか。
吹奏楽ではクラリネットが、オーケストラのヴァイオリンに相当する役割を課せられます。
それだけ表現力が豊かだ、ということです。
驚くほど多くの作曲家が、この楽器の為に曲を書いており、数多くの名作があります。
何といっても楽聖モーツァルトに愛された楽器です。彼は無くなる年にクラリネット五重奏曲という名曲を書き、
さらに、最晩年に不朽の名作「クラリネット協奏曲」を書いている。余程、この楽器が気に入ったのでしょう。
当時はまだ比較的新しい楽器だったのです。
その他、ブラームス、ウェーバー、コープランドあたりは有名ですが、
メンデルスゾーンがクラリネット・ソナタを書いていることを(クラリネット専攻の方やプロは別として)
私は最近知って驚きました。これほど多くの作曲家から愛された楽器は珍しい(ピアノ・ヴァイオリンは別として)。
◆最初は、楽しい「クラリネット・ポルカ」をYouTubeから拾いました。
クラリネット・ポルカ。お聴きになれば、分かると思います。これ、「ポーランド民謡」と、大抵書かれている
楽器の「民謡」とはどういうことでしょうか。それはさておき、何処の誰かデータが無いのですが、
クラリネットポルカ、どうぞ、素人が録画・録音しているので、画質・音質は悪いですが、
この曲の楽しさは伝わると思います。
クラリネット・ポルカ
昔から好きなんです。でも意外に上手い人がちゃんと入れたCDが無いのです。
この映像は何処かのプロが、宴会で余興で吹いているような様子ですね。随分YouTubeを検索したのですが、
これが比較的まともでした。楽しいですよね。
◆ウェーバー:クラリネット・コンチェルティーノ
ウェーバーは、「魔弾の射手」や「舞踏への勧誘」を書いた、あのカルロ・マリア・フォン・ウェーバーです。
コンチェルティーノは日本語では「小協奏曲」という訳語を当てはめます。
CDはウェーバー:クラリネット協奏曲第1番, 第2番/クラリネット・コンチェルティーノです。
一応3つの楽章から構成されていますが、コンチェルティーノでは、通常、続けて演奏されます。
曲の最初はアダージョで、何やら重苦しい感じがするかも知れませんが、再生開始後3分あたりから、
クラリネットが華やかに飛び回ります。再び、アダージョになりますが、曲の終盤は胸のすくような、
見事なテクニックが披露されます。
Clarinet Concertino
ウェーバーはこの他にも「小」ではない、「クラリネット協奏曲」を2曲も書いています。
ソロ・クラリネットのパートも見事に書かれていますが、伴奏するオーケストラの分厚い、
響きが、如何にも、ウェーバーの音で、私は大変好きです。
さて、誠に勝手ながら、今日は金曜日で、ちょっとくたびれていますので、一旦ここまで、アップします。
明日(土曜日)、東京交響楽団の首席クラリネット奏者十亀さんという方の超絶技巧などを追加するつもりです。
そのCDだけご紹介しておくと、スポットライト・オン・ザ・ハーモニー・クラリネット/十亀正司です。
初めて名前を見る作曲家の作品ばかりですが、面白いです。何しろ十亀さんがものすごく上手い。
乞うご期待です。但し、最近土曜の朝は、起こさないでくれと家人にいってあるので、更新は午後になるかも知れません。
あしからず。皆様、良い週末をお過ごし下さい。
◆【追加】午後どころか夜になっていまいましたが、お約束通り。追加します。
ゴタゴタ説明をしていると長くなるので、出来るだけ文章は短めにします。
昨晩書いたとおり、まず、東京交響楽団首席クラリネット奏者、十亀 正司(とがめまさし)さんのアルバムをご紹介します。
スポットライト・オン・ザ・ハーモニー・クラリネット/十亀正司です。
普通、CDを買うときには、演奏者か、作品か、少なくとも一方にはなじみがあるものですが、このCDは私にとって例外的で、失礼ながら、
十亀さんのソロを聴くのは初めてですし、このアルバムに収録されている曲。それらの作曲家、全て初めてしりました。
しかし、曲も演奏も素晴らしい。金管楽器でも変奏曲になっている「ベニスの謝肉祭」という曲がありますが、
これを、エルネスト・カヴァリーニ - Ernesto Cavallini (1807-1874)という作曲ががクラリネット用の変奏曲にしています。
クラリネットのテクニカルなことは、吹いたことがないので分かりませんが、兎に角、音の跳躍が非常に多い。しかも極限的な高音から、
最低音まで。変奏曲はまず、「主題」があって、それを色々形を変えて行く作曲技法で、「第一変奏」「第二変奏」というように
いいますが、この曲は、殆どの変奏において、クラリネットに限らず殆ど全ての楽器にとって難しい「音の跳躍」(低い音から高い音。又はその逆に、
大きな音程の変化があること)が多様されています。
クラリネットは音域によって、音色が変化しますが、それは楽器の特性です。特筆すべきは十亀さんは、どの音域に跳んでも、
「音質」が乱れず、音程が正確で、音の始まり(発音)が極めて明瞭です。能書きはこの辺にします。お聴き下さい。
エルネスト・カヴァリーニ - Ernesto Cavallini (1807-1874)作曲:「ヴェニスの謝肉祭」
ヴェニスの謝肉祭
すごいテクニックですね。
次は同じアルバムに収録されている、やはり私は初めて知った作曲家ですが、
フランソワ・ドヴィエンヌ - Francois Devienne (1759-1803)という人のクラリネット・ソナタ第1番より第3楽章です。
これは、「ヴェニスの謝肉祭」のような、名人芸を披露するのではなく、如何にもロマン派の雅やかな音楽です。
十亀さんのふくよかな音色と、粒の揃ったコロラトゥーラが、美しいです。
フランソワ・ドヴィエンヌ - Francois Devienne:クラリネット・ソナタ第1番より、第3楽章
DevienneClarinetSonataNo1RondoAllegretto
きれいでしょう。クラリネットの専門家やプロを目指す人たちは多分御存知なのでしょうが、
普通のクラシック・ファンは知りません。きっとこういう知られていない名作が沢山あるのでしょう。
◆シュターミッツという作曲家がいます。
カール・シュターミッツ(Carl Stamitz, 1745年5月7日 - 1801年11月9日)という18世紀の作曲家がいます。
日本語のウィキペディアには殆ど情報が無いです。
"Carl Stamitz"で英語のWikipediaを読むと、多少わかりますが、チェコ系ドイツ人で自分は、ヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者なのですが、
交響曲や管楽器の為の協奏曲を随分沢山書いています。私は遙か昔、たまたま、クラシックばかりを流している喫茶店で、初めて聴くけれども、
非常に私の好みに合うフルート協奏曲が流れているので、マスターにこれは誰の作品ですか、と尋ねたところ、「シュターミッツという人だ」と
教えられ、それから気にはなって入るのですが、本格的に集中して聴くことがないまま、現在に至っております。
シュターミッツの、クラリネット協奏曲、2本のクラリネットの為の協奏曲、クラリネットとファゴットの協奏曲を1枚に納めたCDが、
Naxosから出ています。
クラリネット協奏曲Vol.1 ベルケシュ / 高嶋友子 / 岡崎耕治 / ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア です。
この中から、高嶋友子さんのソロで、
クラリネット協奏曲第1番 ヘ長調より、第3楽章ロンド・アレグロを聴いて頂きます。
Stamitz Clarinet Concerto No. 1 in F major III. Rondeau: Allegro
私、いいと思うのですが、皆さんのご感想はどうでしょう(いつも書いているとおり、人それぞれで一向に構いません)。
◆【追加2】ウェーバー:「クラリネット五重奏曲」ベルリンフィル首席だった、カールライスター(クラリネット)第一ヴァイオリン安永徹さん
以前から、リンクを貼らせていただいている、プロのクラリネット奏者NべさんがYouTubeで発見して下さいました。
貴重な映像と音声です。
Karl Leister (clarinet) Weber quintet last movement
これは、初めて見ました。大変貴重です。Nべさん、有難うございました。
◆最後はどうしても、モーツァルト。
前述したとおり、音楽史上最高の大天才。神様がこの世に送り込んだとしか思えない、かのモーツァルトは、
クラリネットという楽器が非常に気に入ったようで、最晩年にクラリネットの為に二つも、永遠の光を放つ名曲を
残しました。私は、変な表現ですが、クラリネットに対して、
あの人類史上最高の天才に愛された楽器
というだけで、「嫉妬」を感じるぐらいです。
元・ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団首席クラリネット奏者、カール・ライスターのソロ、豊田耕児指揮、群馬交響楽団で、
モーツァルト作曲:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622より、第三楽章をお聴き下さい。
Clarinet Concerto in A, K. 622, Movement 3: Rondo allegro
本当は、全曲を聴いて頂きたいのですが、第1楽章、第2楽章はかつて載せましたし、
今日は他の作品ものせたので終楽章だけを聴いて頂きました。
プロのクラリネット奏者になるためには、現代曲でテクニックがものすごく難しい作品などもさらわなくてはいけないでしょうが、
うーん。最後にこれを書いたら実も蓋もないけど、やはり、音楽としてはモーツァルトは、「別格」ですねえ。
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2008年06月19日(木) 【差替】いつも、御愛読ありがとうございます。
2007年06月19日(火) 「<年金>口座持つ国民年金加入者に無料の証明書 三井住友銀行」←いいね。
2006年06月19日(月) N響ソウル公演、大成功。←やはり芸術は偉大です。
2005年06月19日(日) 硫黄島で戦没者追悼式、「『二度と戦争をしてはならない』と強く思った。」(小泉首相)←硫黄島まで行かないと分からないのですか?
2004年06月19日(土) 「『病名ついていないと理解』=雅子さまの症状に東宮大夫」 そうじゃないでしょう。
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