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2009年06月20日(土) |
「キャンドルナイト 各地で消灯、地球に優しく」←「地球温暖化を防止するのはおそらく手遅れ」(「地球環境概況2000」) |
◆記事:キャンドルナイト 各地で消灯、地球に優しく(6月21日21時44分配信 毎日新聞)
「電気を消してスローな夜を」と夏至の21日、建物の照明やネオンを落として地球環境に思いを寄せる
「100万人のキャンドルナイト」が全国各地で開催された。
東京都港区の増上寺で開かれたイベント「東京八百夜灯」(大地を守る会主催)では、約3000人が東京タワーの消灯を見守った。
午後8時に暗闇が訪れると、参加者らはロウソクの灯で幻想的なひとときを楽しんだ。
東京ミッドタウン(同区)や東京湾に架かるレインボーブリッジなどでもライトダウンが行われた。
環境省とNGO(非政府組織)が連携して03年から始まったキャンペーンで、
今回は7月7日までの期間中、全国15万以上の施設が参加する
◆コメント:チャラチャラしている場合ではない。
毎年「100万人のキャンドルナイト」と言う言葉を見る度にイライラする。7月7日まで、
電気を使わずにローソクで過ごしても地球温暖化には何の影響も及ぼさない。
日本政府もマスコミも取りあげないので、私は過去何十回書いたか分からないが、毎日、弊ブログには一見さんが
アクセスなさるようなので、また、書く。
国連環境計画(UNEP=United Nations Environment Programme)が10年前、1999年に発表した、
地球環境概況2000という報告書の中の概況と提言は、極めてはっきりと書いている。
温室効果ガスの排出量増加により、地球温暖化を防止するのはおそらく手遅れであり、更に、京都議定書において合意された多くの目標は達成されないかもしれない。
同じ報告書の中の主要な環境の動向には、
もし、現在の消費傾向が続くならば、2025年には地球上の3人に2人が水問題に直面することになる。
とある。
このレポートが発表されてから今年でちょうど10年になるが、温室効果ガスの中でも特に注目されているCO2の排出量は、
全然減っていない。
◆世界のCO2排出量:08年も増加、中国など石炭消費拡大で−BP(ブルームバーグ)(2009/06/11 10:33)
英BPが集計したデータによると、世界のエネルギー消費による二酸化炭素(CO2)排出量は2008年に増加した。
中国やインド、ロシアの石炭消費量が拡大したことが要因。石炭は主要燃料のうち大気汚染度が最も高い。
統計によると、世界の発電所や自動車、暖房機などの燃料として利用された化石燃料の燃焼によるCO2の排出量は08年に315億トンと、
前年比1.8%増となった。中国の石炭消費は7.1%増加。BPの換算比率に基づけば、これによりCO2排出量は3億6600万トン増加した。
石炭の燃焼によるCO2排出量は石油を上回り、世界の石炭消費に占める中国の割合は拡大しているため、
これら2つのテーマが世界的な気候変動対策の新たな枠組み構築に向けた協議の中心となる見通しだ。
先進国の1人当たりの排出量は引き続き発展途上国を上回っており、
中国は今後の排出削減は先進国が取り組むべきであるとの考えを示している。
国際エネルギー機関(IEA)の報告。
◆世界のCO2排出量、2050年までに倍増の可能性(2008年 06月 6日 16:32 )
国際エネルギー機関(IEA)は「エネルギー技術予測」と題されたリポートを発表し、各国政府が現行の政策を維持した場合、
2050年までに世界の二酸化炭素排出量は130%、原油需要は70%増加するとの見通しを示した。
リポートは、二酸化炭素排出量を減らすため、各国政府は「地球規模のエネルギー技術革命」を実現しなければならないとし、
2050年までに排出量を半減させるには総額45兆ドルの投資が必要になると付け加えた。
具体的には、今後15年間に大量の研究開発(R&D)が必要で、
二酸化炭素排出抑制技術の開発にかかる費用は年間100億--1000億ドルとの試算を示した。
次は、世界で一番CO2を大量に排出している米国政府のご忠告。
◆地球温暖化による干ばつや洪水、米国で既に発生−米政府が警鐘(ブルームバーグ)(2009/06/17 10:35)
米政府が16日発表したリポートによると、米国では地球温暖化の影響で干ばつや海面の上昇、豪雨による洪水が発生しており、
化石燃料の燃焼が原因となる温暖化ガスの排出を抑制する政策を導入しなければ影響は拡大すると予想される。
米地球変動調査プログラムが発表したリポートでは、温暖化が農業や沿岸地域、水資源、公衆衛生にもたらす脅威について説明されている。
190ページに及ぶこのリポートは、13の政府機関や数校の大学が調査したデータを基にしている。
米議会で審議中の温暖化対策法案では、温暖化ガスの排出量を 2005年の水準から20年までに17%削減する目標を掲げ
全米規模のプログラム策定が提案されている。リポートによると、世界の平均気温は1900年以降、
カ氏で約1.5度(セ氏で0.83度)上昇しており、2100 年までにさらにカ氏で2−11.5度上昇する可能性がある。
オバマ米大統領の科学技術顧問であるジョン・ホールドレン氏はワシントンでの説明会で
「このリポートは特定の政策や特定の法案に関するものではない」と指摘。
「科学に関するものであり、われわれがすぐにでも行動する必要性を一段と強い説得力で示唆している」と語った。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、気温の上昇がカ氏で7度未満でも
世界中で何億人もの人々が水不足に見舞われ、沿岸地域では数百万人が洪水の被害を受ける危険性がある。
最後が特に腹立たしい。世界で最も大量のCO2を排出しているのはアメリカである。
そのアメリカが京都議定書に批准せず、本気でCO2を減らそうとしない。
◆手遅れなのだろうが、皆があまり本気にならないワケ。
世界も日本でも、ここ数年「エコ」があたかも流行語のようになっているが、
小手先の手段でごまかせるような段階は、UNEP(国連環境計画)が10年前に指摘したようにとっくに過ぎていて、
地球温暖化を防ぐのは、既に手遅れなのであろう。
しかし、我々は真っ青になってこの問題を真剣に考えない。その理由ははっきりしている。
自分が生きている間、また、子供が生きている間ぐらいは何とか(人間が暮らせる環境を)保てるだろう。
自分が死んだあと、人類が滅亡しようが、はっきり言って知ったことではない。そんな怖いことは考えたくない。
無責任な、と怒った貴方、よーく胸に手を当てて考えて下さい。それがホンネでしょう?
これで文章を終わりにしてはあまりにも救いがないので、まともなことを書く。
「キャンドルナイト」の発想の根底には、「電力の消費=CO2の増加」という発想がある。
多くのかたは分かっているだろうが、電気を使うこと自体が、温室効果ガスを発生させるのではない。
蛍光灯やPCからCO2がモクモクと発生しているのではない。
石炭・石油などの化石燃料を燃やして、発電することが、CO2を排出するのである。
従って、CO2が発生しない発電システムで電力需要をまかなえるならば、いくら電気を使っても、
温暖化には関係ない。そこで、国は原発を推進しようとするが柏崎を見てもわかるとおり、
頻繁に冷却水(放射能を含んでいる)漏れ事故を起こすので、安全性に問題がある。
風力発電、太陽光発電、潮力発電、地熱発電(日本のようなじ火山国にはぴったりだ)を組み合わせれば、
CO2を発生させずに現在の電力需要をまかなえるという試算もある。
しかし、原子炉を作る電機メーカーにとっては、この受注はもうけになる。大きい。
電機メーカーに、恩義を売っておけば、ヤクニンは、天下り先を確保できる。
政治家は、ウラでリベートを受け取れるし、これら企業からの政治献金も欠かせない。
だから、新しい発電方法をなかなか導入しようとしない。
つまり、だれも本気で、地球温暖化を防ごうとは考えていない。
人類が滅亡するまでの時間は意外に短いかも知れない。
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