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2009年03月09日(月) |
【音楽】3月9日は、パッヘルベル(1653〜1706)の命日ですが。「カノン」だけでは気の毒なので他も紹介します。 |
◆「パッヘルベルのカノン」のパッヘルベルですが、あれだけ作曲したわけではありません。
この人は、バッハ以前の、最も優れたドイツの作曲家、オルガン奏者だそうです。
(詳細がWikipediaに載っていますから、興味のある方は調べて下さい)。
従って、当然の成り行きとして、オルガン曲を沢山のこしています。
全部集めるとすごい曲数になるので、少しだけご紹介します。
オルガン作品集1 全19曲)で全部聴けます。
なお、パッヘルベルはかの有名な「カノン」(正確には、「カノンとジーグ」)だけでは気の毒、と書きましたが、
あの曲自体は、確かに非常に心休まる良い音楽ですから、皆さんやはりお聴きになりたいだろうと。
ただ、「カノン」だけを立て続けに聴くと流石に飽きるでしょうから、他の曲の合間に色々なアレンジ(楽器、編成)で聴いていただこう、
と思います。曲数多すぎるとか、おっしゃらないで下さい。これで3時間ぐらいかかったんですから。
何も全部聴く必要はないです。気の向いたのだけ、聴いて下さって。ただ、「手間」はかけてますから、エンピツ投票は、
よろしく御願いします。
◆オルガン曲
オルガン作品集1 全19曲)の中からまず、
トッカータ ホ短調をお聴きいただきます。短いです(彼のは短いのが多いです)。
Toccata in E minor
如何にもオルガン弾きらしく、オルガンを知り尽くしているような作品ではないでしょうか。
では、ここで、「カノン」1回目。ギター四重奏団による演奏。
BABY NEEDS BAROQUE(赤ちゃんのためのバロック)というCDで、
ジャケットには赤ん坊の顔の大写しが載っていて、クラシックファンとしてはちょっと抵抗があるのですが、中身の演奏は、
なかなかしっかりしているんです。ブラジリアン・ギター・カルテットというギター四重奏団の演奏で、
「パッヘルベルのカノン」。
Canon Brazilian Guitar Quartet
ギターは、この曲どうかな?と思ったのですが、上手く処理しているのではないでしょうか。
さて、オルガン曲に戻って、次は、
フーガ ニ長調です。これもながくありません。オルガンの1曲目でお分かり頂いたと思いますが、
「カノン」のような、「フワフワムード」ではありません。
フーガ ニ長調
Fugue in D major
適度に動きのある、気持良い曲です。パッヘルベルのオルガン曲集は、これぐらいの演奏時間のトラックが
多いので、聴きやすいと思います。
さて、ここで、再び、「カノン」。今度は何と、ピアノとヴィヴラフォーン(鉄琴の一種)です。
ヴィヴラホーンはジャズとかクラシック以外では使われますが、これでクラシックばかり演奏している人が、
オーストラリアにいらっしゃいまして、オーストラリアのABCという放送局のサイトのオンラインショップで、
CDを売っています。Classical Vibes
これは、バッハなども弾いてます。ヴィヴラホーンといっても、ここでは曲の性格上(バロックにはあまりビブラートかけるとおかしいんです)
敢えて、ビブラートを抑えて叩いていますが、大変美しい音がします。
ヴィヴラホーンとピアノによる、「カノン」。
Canon Vibraphone
私はちょっと面白いな、と感じたのですが、皆さんは如何でしょう?
◆鍵盤楽器組曲第36番
パッヘルベルはオルガン以外の鍵盤楽器(ってチェンバロぐらいしか当時は無いと思いますが)のための組曲を、
何十曲も書いています。今日はそのなかから第36番、イ長調から「クーラント」。これは、このCDで聴けます。Harpsichord Suites。
鍵盤組曲第36番 イ長調より、「クーラント」。
Keyboard Suites in A majorNo.36 Courant
チェンバロの響きが美しく、気持が和みます。
さて、またまた、「カノン」。今度はクラリネットだけのアンサンブル、The Clarinet Ensembleの演奏。
クラリネットにはいくつか種類(調性が異なる。オクターブが異なる、派生楽器)があるので、
これらの使い分けによって、多彩な表現を可能にしています。
では、The Clarinet Ensembleによる、「カノン」。
Canon The Clarinet Ensemble
同属楽器ですから当たり前といえば当たり前ですが実に音が良く溶け合いますね。
◆パッヘルベルの声楽曲。
パッヘルベルは歌もかなり書いてまして、私知りませんでした。ですが聴いてみたら大変美しい。
これは、パッヘルベル:アリアとデュエット集で聴けます。
最初の曲。こういう曲名、訳が書いてないとお手上げですが、聖書の一節がそのまま曲名になっていることが多いです。
分からないまま、写します。曲はアルトとテノールの二重唱です。
Augen, streuet Perlen-Tranen
きれいでしょ?
これまで、オルガン曲、チェンパロ曲、歌、と聴いてみると、パッヘルベルは確かにバッハが登場するまで、
大変人気があった、というのが分かる気がします。「パッヘルベルのカノン」も名曲ですが、あれ「だけ」だと
早合点しては、少々気の毒です。
とはいうものの、また、カノン。最後は続けていきます。
まず、先ほどはクラリネットでしたが、今度はサクソフォーン四重奏団による「カノン」。
Hardi Saxophone Quartet(アルディ・サクソフォーン・クヮルテット)というアンサンブルの、
Hardi Saxophone.q Airに収録されています。
アルディ・サクソフォーン・クヮルテットの「カノン」。
Canon Saxophone Quartet
◆最後は、カラヤン・ベルリン・フィルによる「パッヘルベルのカノン」で締めくくります。
色々な編成や楽器で、「パッヘルベルのカノン」を聴きましたが、誤解を恐れずに述べるならば、
それによって、やはり、弦楽器の表現力が如何に大きいか、ということをつくづく感じます。
リムスキー=コルサコフは「管弦楽法」という、オーケストレーションの古い教科書に、
管弦楽法の第一歩は弦楽器群の表現力の大きさを正しく理解するところから始まる。
と書いています。その通りだと思います。
今日の最後、「アダージョ・カラヤン」に収録されています。
カラヤン指揮、ベルリン・フィルによる、「パッヘルベルのカノン」。
Karajan Canon
お粗末様でした。10時前から作業を始めたのに、1時を過ぎてしまった。
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