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2008年12月05日(金) |
12月5日はモーツァルトの命日です。今年は1日では収まりません。今日はパート1。 |
◆先日、オペラは嫌いだ、と書きましたが、モーツァルトのオペラの美しい音楽まで嫌いなわけではないのです。
一週間前に、私が唯一好きなオペラ「魔笛」のお薦め。という記事を
書きました。書いてから、気になっていたのですが、ちょっとミス・リーディングだったかな、と。
オペラ全体を通して聴かなくても、モーツァルトの数々のオペラには、
美しい歌(アリア)が沢山あります。それまでも嫌いだ、と言うわけではないのです。むしろ大変好きです。
今日は、モーツァルトの「歌」を主にオペラから集めました。
モーツァルトの器楽でもまだまだご紹介出来ていないのがあり、それらも載せたいのですが、あまりにも多くなるので、
器楽は明日にします。今日は繰り返しますが、モーツァルトの「歌」に焦点を絞りました。
いずれも、あまりにも有名で、テレビのCMなどに使われることもあるので、お聴きになったことが有るかも知れません。
◆「フィガロの結婚」から、序曲、アリア「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」、「恋とはどんなものかしら」
モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」は、あまりにも有名な彼の代表作のひとつです。
名前ぐらいは知っているという方も多いのではないでしょうか。
今日は「歌」に特化する、と書きながら、いきなり違うのですが、やはり、序曲はお聴き頂きたい。
モーツァルト作曲、歌劇「フィガロの結婚」序曲です。演奏はネヴィル・マリナー指揮、セント・アカデミー・イン・ザ・フィールズです。
Le Nozze Di Figaro, K 492
聴いている分には気軽ですが、冒頭から弦の細かい動きが難しそうですね。
よく聴かないと分かりませんが、弦と同じ細かい音符をファゴットが吹いています。大変だと思います。
何度聴いても感心しますが、この曲は歌劇の序曲とはいえ、これだけで、一つの完璧な音楽です。
さて、歌(アリア)に行きます。バリトンが第1幕で歌う「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」(Non piu andrai)
第1幕 もう飛ぶまいぞ、この蝶々
お聴きの通り、バリトンが歌う旋律は、非常に単純なのです。
「ドーミソー、ミーソドー、ソードミードー」と「ドミソ」を使っているだけなのに、どうしてこんなに、
聴き手の胸が膨らむような、立派な音楽になるのでしょうか。
これは、後のドン・ジョバンニと同じ「バリトンの名オペラ・アリア集」で聴けます。
次はソプラノのアリア「「恋とはどんなものかしら」(Voi che sapete)」です。
まずは、お聴き下さい。
「恋とはどんなものかしら」(Voi che sapete)
これも同様ですね。「ドーソソ、レーソー、ミー、ドーレミーファレー」ですよ。何にも難しい細工は無いのに、
どうしてこれほど美しいの?モーツァルトってのは、何なんだ?いつまで経っても分かりません。
これは、歌劇フィガロの結婚(ハイライト)に収録されており、
また、iTunesからダウンロード出来ます。
アルバム全体のURLは、
http://itunes.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewAlbum?id=3381881&s=143462
、
「恋とはどんなものかしら」だけなら、
http://itunes.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewAlbum?i=3381851&id=3381881&s=143462
です。
◆歌劇「ドン・ジョヴァンニ」から2曲。
「ドン・ジョヴァンニ」もモーツァルトの有名なオペラの一つです。
このオペラそのもの(全体)に関する解説の類はネット中にゴマンとありますので、
無精をして申し訳ありませんが、興味の有る方は検索なさって下さい。
但し、アリアを純粋に音楽として聴く分には、予備知識は必要ありません。音楽ですから。
第2幕でバリトンが歌う甘美な、「窓辺においでよ」というアリアをお聴き下さい。
これ、ユニークなのは、伴奏がマンドリンなんです(弦楽器群も加わっていますが)。
第2幕「窓辺においでよ」
面白いですねえ。マンドリンの木訥な響きが、非常によく歌に合っています。
「ドン・ジョバンニ」からもう1曲。今度は景気が良いです。第1幕 シャンパンのアリア 「酒がまわったら」(Finch' han dal vino)です。
Finch' han dal vino
これは、もうオペラのアリアそのものですね。
◆オペラではなく、モーツァルトの「歌曲」が沢山有ります。
クラシックの声楽家の活動はどうしてもオペラが注目されますし、我々もクラシックで「歌」というとオペラを連想しますが、
器楽にソナタが有るように、声楽にも純粋に(芝居を伴わない)歌が沢山あります。
そして「歌曲」と言ったら、シューベルトがまず頭に浮かびますが、モーツアルトの「歌曲」も沢山あります。
モーツアルト歌曲全集というCDはお薦めです。
そのなかから、譜面は一見易しいけど、実に美しい、「春へのあこがれ K. 596」をお聴き下さい。
聴いたこと、あると思います(勿論、無くても一向に構いません)
春へのあこがれ K. 596
これも、これ以上易しくできないですね。「ド・ドーミソードソーミド、ファ・ファ・ファソファミ」です。
それで、どうして、これほど美しいのか。同じ事ばかり書いて恐縮ですが、いつもそう思います。
さて、最後は歌ではなく、去年もお聴き頂いた、モーツァルトの最後のピアノ協奏曲第27番の終楽章です。
この主題が「春への憧れ」を用いていることは明らかです。
かつて、ワルター・クリーンという既に故人ですが、モーツァルト弾きとして有名なピアニストが来日し、
N響の定期でこの協奏曲を演奏しました。終楽章のカデンツァの冒頭で、
「春への憧れ」をそのまま使っていたのをよく覚えています。
今日はアシュケナージの演奏でお聴き下さい。
ダウンロード PianoConcerto27Finale.mp3 (8389.8K)
引退なさったオーボエの宮本文昭さんが書いた、疾風怒濤のクラシック案内という本があります。
私は、Kenさんにこの本の存在を教えて頂いたのですが、確かにとても面白い。
宮本さんは、最初にモーツァルトの事を書いておられます。それが非常に示唆に富むので、
明日は、この本と、この本で宮本さんが触れているモーツァルトの作品に触れようと思います。
それでは、皆さん、良い週末をお過ごし下さい。
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