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JIROの独断的日記
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2008年10月03日(金) 10年ぶりのコンサート。/ゲスト・ソリスト、エマニュエル・パユ(フルート。ベルリン・フィル首席)の演奏・お薦め。

◆昨晩、10年ぶりに生の演奏を聴きました。

今まで、色々とクラシック音楽を紹介してきましたが、ずっと引け目というか、やましさ、というか、感じていました。

細かい経緯を書くと、愚痴っぽくなるのでごく簡単に書くと、私は10年前にうつ病になり、現在はうつ病というより、

「抑うつ状態」と医師が診断する程度まで回復したのですが、この10年、気力がなくてずっと生の演奏を聴いていなかったのです。

凡そ、コンサートとかリサイタルと呼ばれるものには、ただの一度も行かなかった、というより、行けなかったのです。

このままでは、一生聴かなくなるぞ、という危惧感があったのですが、幸い、住んでいるところのそばに約2年前に大改装した、

杉並公会堂があります。

そこで、昨夜、今まで知りませんでしたが、オーストラリア室内管弦楽団という、

小編成の合奏団と、こちらは大変有名な(オーストラリア室内管弦楽団には失礼ですが)、ベルリン・フィルの首席フルート奏者

エマニュエル・パユ(Emmanuel Pahud)のコンサートがあり、

謂わば「コンサート通いのリハビリ」にちょうど良いと思い、聴いてきました。これです→ダウンロード 081003Pahud.jpg (104.1K)

オーストラリア室内管弦楽団の公式サイトにも(当たり前ですが)2008Asia Tourのページに、

Friday 3 October, 7pm TOKYO Suginami Koukaidou

と記載されております。

行く前は、自分が演奏するわけでもないのに、あまりにも久しぶりに「コンサートへ行く」ので、緊張してしまいましたが(滑稽です)、

行ってみたら、何のことはない。10年のブランクの前に、25年間ぐらい、頻繁にコンサートに行っていた所為でしょうか、

「場」の雰囲気に一瞬にして馴染むことができました。音楽が始まったら、もう、完全に以前の感覚です。

もう少し、劇的な感情、つまり、「久々に接する生の音楽を聴いているうちに涙がこぼれた」ということになるかと思ったんです。

決してコンサートが悪かったのでも何でもない。拍子抜けした、ということです。

「どうして、10年も聴かなかったんだ?俺は?」ということです。

しかし、行って良かった。楽しかったです。


◆10年ぶりに聴いて「演奏会評」はおこがましいので、ちょっとだけ感想。

このコンサートは、あくまでも「オーストラリア室内管弦楽団の海外公演」なのですが、いきなり、

「オーストラリア室内管弦楽団」といっても(甚だ失礼ながら)あまり知る人がいないので、客を呼べない。

そこで、エマニュエル・パユ氏をソリストに迎えたのでしょう。

オーストラリア室内管弦楽団は、十分に素晴らしい。18名編成の弦とチェンバロのアンサンブルですが、

ホール全体に驚くほど響き渡り、よーく鳴っていました。

生のコンサートでは、音は耳だけではなく、音が聴き手の全身に伝わります。

音自体、ヘッドフォンなどで聴くのとはことなり、聴衆の全身にぶつかるわけです。聴衆の身体に共鳴するわけです。

さらに、奏者が楽器を弾くとその音は奏者の身体からステージの床→客席の床→聴衆の足、に伝わる。

コンサートでは、文字通り全身で音楽を堪能する、その感覚が蘇りました。



ゲストのエマニュエル・パユ氏は、最早、文句が付けようのない、テクニックと音楽性の持ち主です。

これは、私がゴタゴタ書く必要がないほどです。ただ、彼の出番は、全部、ヴィヴァルディのコンチェルトだったので、

彼にとっては、少し易しすぎたのではないかと思います。

けれども、美しく、良く通る、しかも柔らかい音色が素晴らしかったです。

私は、一階席の最後列だったのですが、ピアニッシモまで、よく聞こえました。


因みにパユ氏は日本が大変好きで(本人が言ってます)、しばしば来日します。

これは彼の意思とは無関係ですが、11月(来月)、ベルリン・フィルが来日しますから、

首席フルート奏者のパユ氏も当然、来るでしょう。そして驚いたことに、12月にも来日予定があります。


◆エマニュエル・パユによる、バッハ:管弦楽組曲第2番の一部をお聴き下さい。

エマニュエル・パユ氏のことは、上記のリンクにもひととおりかいてありますが、ウィキペディアにも説明があるので、

ご覧下さい。フランスものを多く録れているようですが、私が愛聴しているのは、バッハの管弦楽組曲2番を含むCDです。

この中から、終わりの4曲、ブーレ、ポロネーズ、メヌエット、バディネリをお聴き下さい。

ブーレです。ブーレIとIIから出来てます。私は、ブーレIIがとても好きなのですが、

パユ氏はブーレIIでぐっとテンポを落としていますが、これはどうかなー。

ま、解釈、乃至、趣味の問題です。どうぞ。

ブーレ



ポロネーズです。正確には途中、ドゥーブルという部分を含みます。フルートの細かい動きが続きます。見事です。

ポロネーズ


メヌエットです。

メヌエット


難しい曲ではありませんが、大変美しい。

最後、短い曲ですが、速く細かい動きが続くバディネリです。難しい。とても大変です。

最初の音型が「とってもとってもたいへんだ」に聞こえます。

バディネリ



名手のパユ氏には、全然「大変」ではないようです。

譜面どおりではなく、一層難しく変えて吹いていますが、難しそうに聞こえない。

名人の名人たる所以です。

間もなく、バッハの(伴奏付き)ソナタのCDが発売されるようです。

財布の中を見て、出来れば聴いてみたいと思います。

それでは、失礼致します。

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2005年10月03日(月) 今日は私事で恐縮。
2004年10月03日(日) 「越交響楽団、日本初公演へ 邦人指揮者指導で成長」東京では、「アジア オーケストラ ウィーク2004」の真っ最中
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