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◆倅の文化祭に行ってくたびれましてね。寝てしまって更新が遅れました。
私事は原則書かないけれども、本日はちょっと特別で。ご勘弁を。
倅(せがれ)は東京郊外の無名の私立中高一貫教育男子校に通っている。
ここを受験することを決めるとき、勿論、教師や、学生の「質」をよく観察したが、もう一つ、学校の授業として「オーケストラ」があることに惹かれた。
クラブで吹奏楽、管弦楽がある学校は無数にあるが、必修科目でオーケストラがある普通校(音大付属ではない、ということ)は珍しい。
即ち、なんと、全員、それまで楽譜も読めなかった生徒まで、管・弦(これが信じられない。普通は4歳ぐらいから始めないと、ものにならぬ)・打楽器を割り当てられ、
少々変則的な編成だが、一応「管弦楽団」になっている。
今まで何度も書いたように、オーケストラという音楽演奏形態は、私がこの世でもっとも愛するものである。
その中で、自分の血を分けた倅が曲がりなりにも楽器を演奏する。ちょっと嬉しい。
◆知らない間に私と同じ金管を選んでいた。
親バカで恐縮だが、こいつには、小学生のときにピアノを習わせていた。
無論、プロになるほどの才覚はないが、かなりの音感と、筋の良いタッチ(ピアノのタッチは、かなりの程度、生まれつき決まっている。ふにゃふにゃしたタッチの人は治らない)をしていた。
他には取り柄のない子供だが、正直、嬉しかった。
だが、オーケストラの楽器に興味を持ってくれたらもっといいな、と思い、この学校が大変気に入った。全く親の嗜好以外の何者でもない。
中学生ともなると、特に男の子は、学校であったことを一々、親に話さない。
どの楽器を選んだか、自分から言わないので、ある時確かめたら、「ユーフォニウム」という、比較的大きな、中音域を担当する金管楽器を吹いているという。
オーケストラでは、本来、この楽器は使われない。専ら、吹奏楽の楽器である。そこが「少々変則的な編成」たる所以である。
しかし、それでも、昔、「大人になったら、オーケストラのトランペット奏者になるんだ」、という夢を抱いていた私は、息子が、同じ金管を選んだのが、嬉しかった。
今日の演奏は難しい曲はないし、大して上手くもないが、楽器を触ったこともなく、楽譜も読めなかった子供たちを、よくぞ1年半で、ここまで仕込んでくださったと、担当の先生に感謝した。
オーケストラはバランスであり、特定個人の音が突き抜けるようではいけない。しかし、弱すぎてもいけない。
合奏の中での倅のラッパの音を聴くのは至難の業だったが、全身を耳にして聴いた。
驚いたことに何とかサマになる音を出している。
愚息は身体が小さい。 それでも吹けているのはブレ(ス呼吸法)が正しいからであり、ここまで指導してくださった先生に、感謝の言葉もない。
くりかえすが、完全なる親バカ以外の何者でもないことは承知している。でも、今日は、少し、涙が出てしまったよ。
2004年10月03日(日) 「越交響楽団、日本初公演へ 邦人指揮者指導で成長」東京では、「アジア オーケストラ ウィーク2004」の真っ最中
2003年10月03日(金) 「イラク国立交響楽団、12月に米ワシントンで公演」地球上の「武器」が、全て「楽器」になれば良いのに。