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JIROの独断的日記
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2008年08月11日(月) 北島、世界新で連覇=日本勢、今大会2個目の金−北京五輪←勿論、大偉業だが、「ずっと金メダル状態」の日本人もいるのです。

◆記事:北島、世界新で連覇=日本勢、今大会2個目の金−北京五輪(8月11日11時54分配信 時事通信)

【北京11日時事】北京五輪第4日は11日、競泳の男子100メートル平泳ぎ決勝で北島康介(25)=日本コカ・コーラ=が

58秒91の世界新記録で2連覇を遂げた。この種目での連覇は初めてで、

アテネ五輪平泳ぎ2冠の北島は競泳日本選手最多の通算3個目の金メダル獲得となった。

競泳で同一種目の連覇は1928年アムステルダム、32年ロサンゼルス五輪の男子200メートル平泳ぎで

鶴田義行が記録して以来76年ぶり。

日本選手の今大会の金メダルは、10日の柔道男子66キロ級の内柴正人(旭化成)に次いで2個目。


◆コメント:その日、その時、その場で誰が一番速いか。

外人選手には体格的に劣るのに、世界新記録を樹立してオリンピック2連覇を果たした北島康介選手の偉業を文句なしに讃えたい。

普段スポーツを見ない私ですら、流石に感動する。それは、音楽にも通ずるものがあるから、かも知れない。

オリンピックで優勝するのと、ピアノなりヴァイオリンなりでショパンコンクール、チャイコフスキー・コンクール(それぞれ5年に一回)

に優勝するのと、共通する要素がある。


当たり前のことなのだが、いずれも、「練習ではもっと速く泳げたのです」「もっと上手く弾けたのです」といっても何の意味もなく、

要するに、本番(オリンピックなら決勝、コンクールなら本選)の当日、

その日、その時、その場所で、一番速く泳げたのは誰か? 一番上手に弾けたのは誰かが全てを決する、という苛酷な運命を背負っていることだ。

それまでの努力がどうだったか、は関係がない。皆努力していたからである。厳しい、敢えて言えば残酷な世界である。


◆誤解を恐れずに書くならば、もっと苛酷な重圧に四半世紀も耐えている日本人がいる。ベルリン・フィルの安永徹さんである。

安永さんのことは何度も書いたが、知らない人も多いだろう。

安永さんは世界一のオーケストラ、ベルリン・フィルの第一コンサートマスターを25年(厳密にいうと23年)も務めている、日本の誇りである。

コンサートマスターとは第一バイオリンの首席奏者であるが、同時に弦楽器全体のリーダーであり、更に、オーケストラ全体のリーダーである。

指揮者の要求する音楽を他のメンバーに、徹底しなければならない重責を担う。従って、自分の第一ヴァイオリンのパートが完璧に弾けるのは

当たり前で、さらに、指揮者と同じぐらい、オーケストラ全体の楽譜(スコア)を勉強していなければ務まらない。

安永さんが最初にベルリンフィルに第一ヴァイオリン奏者として入団したのは1977年であるが、コンサートマスターは、

「年功序列」で自然になれるものではない(これは世界中、どこのオーケストラも同じだ)。

コンサートマスターとして、別のオーディションを受けるのである。

コンサートマスターのオーディションでは、ベルリン・フィル全てのメンバーの前で、

まず、音楽家としての素養の根源、モーツァルトの協奏曲を弾く。

さらに、自分で選んだコンチェルト(ベートーベン、メンデルスゾーン、ブラームスetc.)を弾く。

それから、コンサートマスターは、オーケストラ曲の中でもソロを弾くことが多いので、

その中でも特に難しいR・シュトラウスの「英雄の生涯」とか「ツァラトゥストラはかく語りき」などの交響詩の

ソロを弾く。これが実技試験であるが、本当の「試験」はこれからなのである。

コンサートマスターにも、「試用期間」がある。安永さんの場合は1983年11月から1985年5月までの1年半だった。

その間は「まな板の上の鯉」である。その1年半のコンサートにおける、安永さんのコンサートマスターとしての能力を、

他のベルリンフィルのメンバーが毎回、注意深く観察しているのである。

コンサートマスターとしての能力とは、統率力はどうか。自分の言いたいことをきちんと表現できる語学力(ドイツ語!)はあるか。

指揮者の言うことを何でも、ハイハイと鵜呑みにするのではなく、指揮者が不適当なことを言ったときにはちゃんと対応できる能力があるか。

これを、くどいようだが、1年半、ジーッと観察されるのである。こんな嫌な立場はない。

その後、改めて、安永さんがいないところで、オーケストラ120人による大議論が行われた。

その会議出席者の3分の2以上の賛成がないと、コンサートマスターにはなれない。

結果的には3分の2を遙かに上回る人数が安永さんを、世界一のオーケストラ、ベルリン・フィルの第一コンサートマスターに

することに賛成したのである。

合格の知らせを受けた安永さんは、嬉しいというよりもあまりの責任の重さにしばし呆然となり、「そうか」としか返事が出来なかった。

このような過程を経て、1985年5月から23年もの長きに亘って、ドイツが世界に誇る、これ以上は望めない超一流オーケストラの

コンサートマスターを務めているのが安永徹さんである。

ベルリン・フィルは厳しい。上手いのは当たり前だ。コンサートマスターになったからといっても、能力が落ちたと思われたら、

クビになる。つまり、安永さんは常に世界一のオーケストラ・ヴァイオリニストとして、23年間、「金メダル」をとり続けている、

といっていい。

水泳の北島選手の話からオーケストラの話になったが、後者はあまりにも世間に知られていない。

だから、過去にも書いた話だが、再び、ここに記した。


◆モーツァルト交響曲第41番「ジュピター」第二楽章、アンダンテ・カンタービレ

昨日は猛々しい、堂々とした音楽でした。今日は、アンダンテ・カンタービレ。とても優しい音楽です。

おやすみ前にぴったりではないかと。

ダウンロード SymphonyNo41SecondAndanteCantabile.mp3 (8628.5K)



明日は優雅で可愛らしいメヌエットです。

それでは。

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