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2008年05月09日(金) |
胡錦濤さんってまだ、日本にいるのですな。 |
◆胡中国主席 天皇、皇后両陛下が別れのあいさつ(5月9日16時50分配信 毎日新聞)
天皇、皇后両陛下は9日、中国の胡錦濤国家主席夫妻が宿泊している東京都内のホテルを訪れて、会談した。
主席夫妻がこの日で東京を離れるための別れのあいさつで、国賓来日時の恒例行事だ。
両陛下は午前10時ごろに到着。夫妻はホテル内の会見場の前で迎えた。宮内庁によると会談は約30分間で、
話題は、天皇陛下が中国の研究者と交流があることやトキのことなど多岐にわたった。
最後に陛下が「日中関係がさらに発展することを願っています」と述べると、胡主席は「同感です」と答えたという。
◆コメント:陛下はともかく、共同声明、無難過ぎない?
日中首脳会談の後、発表された、日中共同声明の骨子は次のとおりなのです。
一、日中関係は最も重要な二国間関係の一つ。平和共存、世代友好、互恵協力、共同発展の実現を決意。
一、双方は歴史を直視し、未来に向かう。
一、中国側は日本が戦後、平和国家としての歩みを堅持し、世界の平和と安定に貢献していることを積極的に評価。
一、中国側は日本の国連における地位と役割を重視。
一、6カ国協議を共に推進。中国側は、日朝が諸懸案を解決し国交正常化を実現することを歓迎、支持。
一、温室効果ガスを2050年までに世界全体で半減させるとの長期目標に中国側は留意、方法と措置を検討する。
いいことづくめ。各新聞社説を読むと、大体、好評です 。そりゃそうでしょうね。日本に都合が悪いこと書いてない。
特にですね。
今まで(と言っても、前回、中国の国家主席が来日したのは10年前ですが)は、毎回、日本側の声明に、
戦争のときのことを謝罪する、という意味のことが入っていたわけ。そうしないと向こうが納得しない。
メディアによって若干カウントが違うのだけど、日中戦争で侵略してごめんなさい、ということを日本は、
天皇陛下(昭和天皇のときからです。勿論)と歴代首相が、少なくとも14回。謝ったんですよ。
それでも、まだ、ことある事に謝れ、というのが中国だったのです。
今回来日した胡錦涛主席はそういうことを一切云わないので、メディアが好意的なのです。
◆オリンピック前だし、チベット騒ぎがあるから、当たり前なんですよね。
しかしですね。胡錦涛主席の、あの人当たりの良い笑顔の裏には、勿論緻密な計算があるわけですね。
チベット族の弾圧で国際世論の批判に晒されている中国としては、アジア最大の経済大国、平和国家日本と仲良くしてますよ、
というポーズをとって、少しでもイメージアップを図りたい。福田さんにもオリンピックの開会式に来てくれと言って、
福田さんも、中国からこれだけ愛想を良くされて、日本の過去は問わない、といわれちゃうと、
開会式に出るでしょう。多分。それをやったら、しかし、福田内閣支持率もっと下がるのではないかと思いますがね。
上手く利用されましたね。
見ていてご覧なさい。オリンピックが終わったら、きっと中国は、また態度がでかくなるから。そういう国なんですよ。
因みに胡錦涛主席っていうのは、内政に関してはチベットを見れば分かるとおり、非常に強硬的なんです。
すぐ弾圧してしまう。そのやり方が、中国中枢部の長老たちにウケが良いらしいのです。
◆まだ、話題になっていませんが、新疆ウイグル自治区も火種です。
まだ、国際的に問題がクローズアップされていないけど、弾圧しているのは、チベットだけじゃないのですね。
北西部の新疆ウイグル自治区は中国の国土の8分の1を占める広大な地域です。ここはウィグル族のものだったのですが、
約60年前に中華人民共和国に組み入れられて以来、ウィグル人に云わせると「ずっと弾圧を受けている」とのこと。
比較的最近も中国はひどいことをしているのですよ。
事の詳細まで分からないのですが、1997年、ラマダン前夜祭で知人宅に集まった女性数十人を不穏分子として連行し、
これが大騒ぎに発展して、何百人ものウイグル人死者を出した虐殺事件が、グルジャ市という所でありましたが、世界には
当然のごとく、このような情報は伝わりませんでした。
事件から11年経っていますが、当時逮捕されて、いまだに行方不明の若者が多数いるとのこと。
現在でも、政治的弾圧は続いていて、政治犯として逮捕された者は、数日後、或いは数ヶ月後に、「病死」して帰宅するそうです。
意味、分かりますよね?
それから、新疆ウイグル自治区に限らないらしいのですが、少数民族は2人まで子供を持てるけれども、5年以内に第二子を妊娠すると、
強制的に中絶手術を受けさせられる(無麻酔で)というすさまじい話もあります。
◆結論:日中共同声明で「良かった良かった」というほど、ことは単純ではありません。
繰り返すように、来日中の胡錦涛主席はやたらと愛想が良く、物わかりが良く、
「いい人」に見えますが(そういう面も人間だからあるのでしょうが)、
中華人民共和国という国家は今だに全然民主化されていない、共産党独裁国家、発展途上国。
そのくせに、世界一の外貨準備高を誇っていて、海外の様々な企業を買収しようとまで考えているのです。
油断してはいけません。福田さんも開会式ボイコットした方がいいのですけどね。
まあ、どうするかもう少し様子を見ましょう。
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