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JIROの独断的日記
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2006年05月09日(火) 「米国は日本の憲法を見習え」(米国 California Chronicle紙 3月29日付社説)

◆はじめに(コメント):久々に、アメリカの新聞の心地よい記事を見つけた。

昨年の4月、中国で反日デモが激化し、領事館の窓ガラスが割られるなど、緊迫した情勢となったとき、欧米の新聞が何度も、「日本は謝罪したのに中国はいつまで文句を言い続けるのだ」という類の社説を載せた。

ワシントンポスト、フィナンシャル・タイムズ、英タイムズ紙、ウォール・ストリート・ジャーナルなどである。

今日、久しぶりに心地よい(改憲派には心地よくないかも知れない)記事を見つけた。

「カリフォルニア・クロニクル」という新聞に載っていたコラムである。

欧米の新聞では、自社の論説委員のみならず、外部の人間もコラムニストとして契約している

。出来るだけ色々なものの考え方を載せたいということから、このようなシステムが出来たものと思われる。

今日、私が訳した「コラム」の著者は、Stan Grime(スタン・グライム)氏。

インディアナ大学を卒業し、social workerとして活動していると書いてある。著書もあるそうだ。



なお、自然な日本語に近づけるために、かなり意訳している箇所があるが、

ミスター、スタン・グライムが、「戦争を禁じた日本国憲法は素晴らしい」、と述べている部分は、出来る限り逐語的にそのまま忠実に訳している。

チェックしたい方は、原文が↓に載っているから、読んで下さい。

http://www.californiachronicle.com/articles/viewArticle.asp?articleID=7396


◆記事(翻訳):原題:The Japanese Constitution: U.S.A. Take A Lesson(日本国憲法:アメリカは日本の爪の垢を煎じて飲むべきだ)

1946年、第二次大戦による壊滅的打撃から、疲弊しきっていた日本は、連合国司令官、ダグラス・マッカーサーに促されて、現在の日本国憲法を制定した。

この憲法の内容で特筆すべきは、ただ一つの、しかし、この国家の基礎を成す条文である。

それは、「戦争の放棄」を謳っている。「日本は、如何なる国家に対しても決して武力を行使しない。」と宣言している。

現行憲法下の比較的「新しい」日本政府は、戦後60年間、この約束を破らなかった

日本は、戦争という、国家の発展を妨げる余計な負担を背負わずに、巧みに、この期間を乗り越えてきたのである。



ひるがえって、アメリカ合衆国はどうかというと、このような(戦争を禁止する)条文は、憲法に存在しない。

我が国を作った先祖達は、将来のこの国の指導者が、国家の将来を考えたとき、あまりにも向こう見ずな暴挙に出るかも知れない、ということを全く考えずに憲法を創ったのである。



当時は誰も、まさか大統領就任式で宣誓を行った人物が、軍隊の若い兵士の犠牲のもとに、個人的利益の追求に走るなどとは考えなかったのだ。

(イラク戦争が始まってから)2,000人以上の最も前途有望な我が国の若者達の生命が、失われた。

それは、たった一人の男、

「私は、今、ここに厳かに、アメリカ合衆国大統領として職務を誠実に履行し、我が能力の全てを用いて、アメリカ合衆国憲法に従い、これを守ることを誓います」


と宣誓した男が、この国を誤った方向に導いた所為である。

ジョージ・W・ブッシュがアメリカ国民に向って、「イラクが大量破壊兵器を保有していることは、疑いの余地が無い」と断言したとき、彼は、「アメリカ合衆国大統領として職務を誠実に履行し」たのだろうか?

彼は、イラク戦争の終結を宣言したとき、憲法を遵守していたのだろうか?

彼は、NSA(国家安全保障局)に市民の電話の盗聴を許可したとき、「能力の全てを、国民の利益を最優先すること」に用いたと言えるであろうか?



我々は、虚偽の口実に基づき、戦争に突入した。そしてその戦争は、いまだに虚偽の口実を理由に続いている。

ブッシュ大統領が、「我々はイラクで勝利をおさめている。」という度に危険信号が発せられるべきだ。

ジョージ・ブッシュの母親、バーバラ・ブッシュにお願いしたい。

貴方の息子がバカな事を言う度に、耳をつまんで引っ張っていって、「お尻ペンペン」してやって頂けないだろうか?



ビル・クリントン(民主党)とモニカ・ルウィンスキー嬢との不倫が発覚したときには、共和党はここぞとばかりに、ネズミを狙うタカのような素早さでクリントンを弾劾した。

ブッシュも国民の見守る中で宣誓を行いながら、白々しい嘘をつくことを止めない。しかし、ブッシュが弾劾にかけられるという話は全く聞かない。

これは、どうしたことだ?

宣誓自体が嘘だったからか?



私は、戦後の日本を築いた先駆者達の先見の明、洞察力の素晴らしさに称讃を贈る。

そして日本人が成し遂げた諸々の技術力にも感服する。

私は、今日も「アサヒ・ビール」を楽しんでいる。


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