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2008年05月05日(月) |
毎日新聞社会部「精神医療取材班」への四度目のメール全文 |
◆毎日新聞社サイト「お問い合わせ」フォーム経由で送った四度目のメッセージ全文
JIRO(注:実際は実名を記載)と申します。この件について4回目のメールになります(前回は2月11日に送りました)。
私が述べたいことは過去3回と同じですが、繰り返します。
御社・社会部・精神医療取材班(←まだ、存在するのですか?)は過去数年に亘り、盛んに「反・リタリンキャンペーン」をおこなっていました。
その甲斐があって(?)昨年10月26日を以て、リタリンの適応はナルコレプシーだけになりました。
御社は大得意でしょうが、それまで、リタリンを正しく服用していた遷延性・難治性うつ病患者は大変に困っています。
私もその一人です。今だに困っています。ある薬物を処方される者の一部がこれを濫用したからといって、
正しく服用している者に対してまで、処方を禁じるのは、まちがっています。
この決定を下したのは、最終的には当然厚労省です。
しかし、そうなるきっかけは、販売元のノバルティス・ファーマが、「リタリン乱用」による「社のイメージダウン」を怖れ、
自ら、「リタリンの効能から、難治性・遷延性うつ病」を外したいと申し出て、薬事審議会がこれを了承したからです。
そして、彼らをそのように行動させたかなりの部分は、毎日新聞の報道に原因がある、と、私は考えます。
何故なら、リタリンを正しく使っている場合の効果は全く取りあげず、一部極端な濫用者のケースを誇大に取りあげたのは、
毎日新聞社会部、精神医療取材班だけだったからです。
はっきり申し上げますが、御社の報道は偏向しています。
前々回、御社にこの欄からコメントを送ったのは昨年の12月6日です。
その前日、複数の遷延性・難治性うつ病患者が、リタリン製造販売元のノバルティス・ファーマが、
リタリンを処方出来る医師・薬局を登録制にすることに対して、東京地裁に仮処分の申し立てを行いました。
12月6日のコメントでも書きましたが、少なくとも全国紙のうち、読売、朝日は、この事実を報道しました。
ところが、「リタリン報道」に関して最も「熱心」だった御社は、この事実を無視しました。
患者が裁判所に仮処分を申し立てるということは、ただ事ではありません。
これは、真面目にリタリンを服用していた患者が、処方をうけられなくなっていかに困っているか、を端的に表す重要な事実です。
にも関わらず御社が彼らの行動を報道しなかった合理的な理由を教えて頂きたい。
それが私の12月6日のコメントの内容でした。
この問いに対して、御社からは、五ヶ月経っても何の返事も頂けません。
これはどういうことですか?
答えられないのでしょうか?
都合が悪いから無視しているのでしょうか。
2007年10月29日の毎日新聞紙面に掲載された「開かれた新聞:委員会から 10月度」を読むと、
「開かれた新聞委員会」各委員の批判的コメントが載っています。
◇効果と副作用のバランスを−−柳田委員
一部の精神科医が十分な診断をしないで向精神薬を処方している実態を、報道によって告発することは重要だ。しかしその場合も、精神科の診療、特に薬物療法の全体的な状況や、効果の出ている患者の実態などについて、十分に目配りの利いた記事を構成すべきであろう。そうしないと、効果の出ている患者を混乱させることになりかねない。薬は効果と副作用のバランスをどうとるかが重要。特に精神疾患やがんなど、薬の使い方が難しい分野ではそのバランスの問題をおさえて議論していることがわかるような記事にしてほしい。
◇ずさんな診療実態、浮き彫り−−田島委員
リタリンをめぐる一連の毎日新聞の報道は、この問題の現状と背景を多面的に伝えていて有益である。特に、依存症の遺族や凶悪事件への発展のケースなども含む乱用実態や、ずさんな処方を繰り返す医師や医院の診療実態が丁寧な取材によって浮き彫りになったと思う。遺族取材などにより、うつ病への適用を容認してきた国の対応の遅さも指摘しているが、今回の流通制限などの改善にとどめず、製薬会社や薬事行政の構造的な問題など掘り下げた解明も望みたい。他方でリタリンの効用、服用患者への配慮にも続報が欲しい。
◇「救われた人」への配慮必要−−玉木委員
毎日新聞の一連の記事は、覚せい剤の代用品として使われることを知りながら、安易にリタリンを処方する病院に警告を発し、併せて依存症の怖さを知らしめるものだ。重要だが、それだけだと、リタリンが覚せい剤同様の恐ろしい薬品という印象になる。実際にリタリンを服用している患者には、ショックも大きいだろう。もちろん、リタリンの適正な処方で救われた人も多いはずだ。そういう観点からのフォロー記事がないのは、やはり配慮に欠けているように思える。「偏っている」という読者の批判を重く受け止めるべきだ。
◇重要な報道、全体像の整理を−−吉永委員
向精神薬リタリンの一連の記事は、さまざまな問題点を明らかにしたが、提起される事柄が多岐にわたっていて多少混乱したことは否めない。薬そのものの依存性の問題、処方の安易さの問題、安易に処方する医師の問題、乱用する者の問題、医師法や医師の処方権の問題、うつ病に使用される日本の問題などが次々に提示され、部分的に読んだ場合、全体像がつかみにくい。そのため正しく処方された場合の効能に誤解を生んだ。重要な報道内容でもあり、きちんと整理してまとめた形の特集でも組んでほしい。
(注:水色文字は引用者による)
いずれの委員も、リタリンを正しく服用していた患者に対する配慮が欠けているという趣旨の意見を述べています。
これに対して、毎日新聞は
◇有効な防止対策を追求
リタリンの乱用による副作用被害は極めて深刻です。その背景には、患者を多く集めるために安易に処方する一部の医療機関の存在があります。リタリンをはじめ、向精神薬の乱用に歯止めをかけるにはどうしたらいいのか、医療機関や製薬会社、行政に有効な対策を求めていくことが報道の狙いです。80年代以降、リタリンが、うつ病に効くという臨床試験の結果はなく、うつ病への適応削除を決めた厚生労働省の審議会でも異論は出ていません。とはいえ、「リタリンによって何とか日常生活を送っている」という患者が少なくないのも現実です。乱用防止はもちろんですが、こうした人たちの苦しみに応えるためにも精神医療、薬物治療はどうあるべきかをさらに掘り下げていこうと考えています。【東京本社社会部長・斉藤善也】
と 釈明しています。
くどいようですが、強調させて頂きますが、社会部長は、
「『リタリンによって何とか日常生活を送っている』という患者が少なくないのも現実です。乱用防止はもちろんですが、こうした人たちの苦しみに応えるためにも精神医療、薬物治療はどうあるべきかをさらに掘り下げていこうと考えています。」
と、お書きになっています。
しかし、その後、毎日新聞は、この問題を全然「掘り下げ」ていないではないですか。
リタリン登録制が実施されてから四ヶ月以上が経過しています。
それ以前リタリンの適応からうつ病が外されてから六ヶ月以上を経ています。
毎日新聞は、リタリンを急に断たれて今なお、日常生活に支障をきたしている、
かつての「真面目な(処方通りに服用していた)」リタリン患者の窮状を全く報道しないではありませんか。
また、リタリンは難治性・遷延性うつ病に有効だ、と主張する医師は私の知る限りでも少なからずいます。
このような声は一向に取りあげない。
無責任ではないでしょうか。
ご回答をお待ちしております。
(実名)
(住所)
(電話番号)
(メールアドレス)
◆コメント:所詮、マスコミは無責任で、人間なんて、勝手なものだ。
毎日新聞に、何度この「問い合わせ」を送っても何の返事も来ない。
リタリン依存が社会的問題だと騒いでいたが、一旦、リタリンの適応がうつ病から外れたら、全く関心が無くなったようである。
今まで、この薬のおかげで助かっていた、「難治性うつ病患者」である私は、今だに、リタリンの再適応を望んでいる。
本文中にも書いたが、ある薬を服用する者の一部が、これを濫用するから、全体に対する処方を禁ずる、という政策は間違っている。
その論理を徹底するなら、リタリンよりも遙かに劇的に「人格」に作用する向精神薬、「アルコール」にも、
この政策を適用するべきだ。つまり、禁酒法を制定するべきなのである。
こういうと、酒は自分も好きだから、という理由で、誰も私の論理に耳を傾けようともしない。
人間など、いい加減で、勝手なものだ。
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