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JIROの独断的日記
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2008年01月03日(木) 「交通事故死者5743人=昨年、54年ぶり6千人下回る−警察庁」←手柄ばかりを強調したがる「お上」とおだてるマスコミ

◆交通事故死者5743人=昨年、54年ぶり6千人下回る−警察庁 (1月2日11時31分配信 時事通信)

昨年1年間の交通事故死者は、前年比609人(9.6%)減の5743人となり、1953年(5544人)以来、

54年ぶりに6000人を下回ったことが2日、警察庁のまとめで分かった。

過去最悪だった70年の約3分の1で、7年連続の減少。交通事故件数と負傷者も3年連続で減少した。

同庁の吉村博人長官は「全国警察が国民や関係機関と対策に取り組んだ結果だが、

いまだに年間6000人近くの方々が亡くなっている現状を重く受け止め、総合的な対策を進める」とコメントした。

年間死者数は、70年に最悪の1万6765人を記録。その後、減少したが、

88年に再び1万人を突破し、最近では2001年以降、減少が続いている。



◆コメント:交通事故死とは何か。

警察の発表は、「自分たちの『厳しい』取り締まりその他の交通事故対策により、犠牲者が減った」、

という、自らの「手柄」を強調したいのであろうが、交通事故死とは、

「事故発生から24時間以内に死亡が確認された場合」

のみを指すのであり、一週間、昏睡状態が続いた後、亡くなったかたは、「交通事故死」にカウントされない。

つまり、救命救急医療の進歩により、延命措置を施された結果、事故後24時間を超えて生きていた犠牲者が大勢いることは、

容易に想像されるので、1970年と同じ基準で論ずること自体、適切なのか疑問である。



◆相対的な問題であろう。

前段で述べた、統計上の問題を勘案しても、なお、確かに1970年代よりは「交通事故死」者数は減っているだろうが、

マスコミは警察の「得意気な」発表をそのまま伝えるのみで、批判的視点が全くないのは、どうかと思う。

「交通事故死」者数が54年ぶりに6,000人を下回ったという。

5,743人である。
これが少ないとは、思えない。一日あたりに平均すれば、15.7人が亡くなっているのである。

また、不謹慎な比較かも知れないが、総数、5,743人は、1985年8月12日日航123便墜落事故の犠牲者数、520名の11倍である。

つまり、昨年1年間の交通事故死者数は、日航123便が11回墜落したも同然である。これで、何年ぶりか知らないが、

6,000人を下回ったと、「誇らしげに」発表するほどの統計ではない。



◆自殺者はどうして5月下旬か6月上旬にならないと発表しないのか。

毎年「昨年の交通事故死者数」は年明け早々に発表されるが、一方、前年の自殺者数が発表されるのは5月下旬か6月上旬である。

警察庁のサイトの平成18年中における自殺の概要資料は、昨年6月7日付の発表であり、

平成18年中における自殺者の総数は32,155人で前年に比べ、397人(1.2%)減少した

との記述がある。その前年分は、平成18年6月5日に発表された平成17年中における自殺の概要資料であるが、

ここには、
平成1 7 年中における自殺者の総数は32,552人で、前年に比べ227人(0.7%) 増加した。

と載っている。

昨年までで自殺者数は9年連続して3万人を超えており、こんな国は先進国中日本だけである

政府が形ばかりの自殺対策の諮問会議を昨年発足させたが、一体、今まで何をしていたのか、と思う。

こういう、政府にとって「都合が悪いこと」は陽気が良くなって、人々が陰気臭いことに注意を払わない6月に発表する。

前年(前年度ではない)の自殺者数を集計するのに5ヶ月も必要とするわけはない。

明らかな政治的意図を感じる。

そういうことを含め批判するのは、本来私ではなくマスコミの役割である。

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