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2007年05月26日(土) |
「<BSE>検査補助打ち切り 厚労省08年7月末で」「WTO提訴も辞さず=日韓中に牛肉全面解禁を要求−米有力議員」 |
◆記事1:<BSE>検査補助打ち切り 厚労省08年7月末で
厚生労働省は、都道府県が自主的に行っている生後20カ月以下の牛を対象にした
BSE(牛海綿状脳症)検査に対する全額補助を08年7月末で打ち切る方針を固めた。
来年度予算の概算要求に、同年8月以降の補助分は盛り込まない。
補助制度は、検査対象を生後21カ月以上に限定した国の方針に反発する自治体が相次いだため、
導入を余儀なくされた経緯がある。全頭検査の継続を望む声もあり、都道府県の対応が注目される。
01年9月に国内初のBSE感染牛が見つかって以降、国は安全確保のため食肉用のすべての牛を検査してきた。
しかし03年12月に米国産牛肉が輸入停止となり再開の圧力が高まる中で、
厚労省は05年8月に省令を改正して対象の牛を21カ月以上にした。
ところが岐阜、兵庫など肉牛の産地を抱える県が相次いで自主財源での全頭検査継続を表明したため、
同省は生産現場の混乱防止などを理由に、3年間の期限付きで20カ月以下への検査を全額補助していた。
全国の年間検査頭数は約120万頭で、このうち20カ月以下は約15万頭。
自主検査分の補助額は年間3億〜4億円に上る。
補助打ち切りについて厚労省食品安全部は「食品安全委員会の検証で『20カ月以下の牛の感染リスクは高くない』
との結論が出ている以上、いつまでも税金をつぎ込めない」と説明する。
牛肉の貿易を巡っては、国際獣疫事務局(OIE)が国際的な安全基準として
「生後30カ月以下の骨なし牛肉は無条件で輸出可能」としている。
OIE総会が今月22日に米国を輸出制限のない準安全国と認めたことで、
米国側は日本政府に輸入条件の緩和要求を強める構えだ。
生後21カ月以上の検査を義務付けた日本国内の基準自体が今後見直される可能性もでてきている。
(5月25日3時7分配信 毎日新聞)
◆記事2:WTO提訴も辞さず=日韓中に牛肉全面解禁を要求−米有力議員
【ワシントン23日時事】米通商政策に大きな影響力のあるボーカス財政委員長(民主)は23日、
議会内で記者団に対し、日本や韓国、中国などが米国産牛肉輸入を全面解禁しなければ、
世界貿易機関(WTO)提訴も辞さない構えを示した。国際獣疫事務局(OIE)が
米国をBSE(牛海綿状脳症)の「準安全国」に認定したことを受けた発言。
委員長は、日本などは「速やかに」行動すべきだと指摘した上で、
米国産牛肉への差別的取り扱いは「WTO提訴の対象」だと述べた。
(5月24日1時0分配信 時事通信)
◆コメント:どいつもこいつも・・・・・。
面倒臭いかも知れないが、記事1をよく読んでいただきたいのです。
日本で初めてBSE(牛海綿状脳症)感染牛が確認されたのが、2001年9月です。
その後、「国の方針として」全頭検査を行っていたのです。全頭検査とは牛の月齢を問わない。
文字通り全ての食肉牛に対して、BSEに感染していないか、を検査することです。
ところが、2005年、「全頭検査止め」の「お達し」が出ました。
これは、2003年にアメリカでBSE感染牛が見つかり(本当はもっとずっと前から感染牛の肉が出回っていた、
と考える方が自然ですが)、日本は米国産牛肉を全面禁輸にしました。
アメリカは日本に圧力をかけ輸入を再開しろといいました。
アメリカの牛はまともに検査してません。そもそも日本の畜産業者のように几帳面ではないから、
米国の牛は月齢が不明なのです。そのアメリカ産牛肉を「圧力に屈して」輸入再開するにあたり、
日本の牛の全頭検査もゆるめておいた方がやりやすい、という、訳の分からない厚生労働省の論理です。
しかし、各地方自治体は、全頭検査を続ける必要がある、と猛反発したので厚労省は「それじゃすきにしなさい」といい、
補助金を出していたのです。その程度の良心は残っていた。
◆国際基準「生後30か月以下の牛肉は輸出可」になんら、根拠はないのです。日本では21か月の感染牛が発見されたことがある。
そもそも、「生後20か月以下の牛がBSEに感染リスクが無い」ことは証明できないのです。
月齢20か月以下の牛から異常タンパク質プリオンを検出するだけの検査技術・精度が開発されていないだけかも知れない。
日本では、2003年11月4日に、生後21か月の感染牛が確認されているのです。
21か月で感染していた牛がいるのに、19か月の牛は感染しないと言いきれるのでしょうか?
第一、厚労省の役人が(将来万が一20か月以下感染牛が発見されたときのことを考えての免責のつもりでしょうが)、
絶対に安全では無いことを認めているではありませんか。
補助打ち切りについて厚労省食品安全部は「食品安全委員会の検証で『20カ月以下の牛の感染リスクは高くない』
との結論が出ている以上、いつまでも税金をつぎ込めない」と説明する。
「リスクは高くない」→「低いが、リスクはある」ですね?
まして、国際基準の「30か月以下の牛は無条件で問題なし」など、何の信頼性もない。
これを決めたのは、OIE(国際獣疫事務局)という国連の下部組織です。OIEは五月の総会で米国を牛肉輸出の「準安全国」と
認定しましたが、なんと、アメリカはそのことを3月に知っていた。
それは、「米国産牛肉『月齢不問』 国際獣疫事務局、自由に貿易可能と認定」←米国が「OIEが内定した」と勝手に発表しているのだ。に書きました。
要するに国連かOIEにアメリカが圧力をかけたか何か政治的な工作があったのでしょう。
それはともかく、全頭検査を続けなければダメです。政治家はアメリカの圧力を受ける。松岡農相、随分頑張ってますよ。
アメリカの農務大臣相手に。安倍首相は一体、この前アメリカへ行ってブッシュと何を話したのでしょうか。
私が常々書いているように「アメリカは日本人に牛肉を買って欲しければ、黙っていても買いたくなるような牛肉を作れ」と言わずに、
農相に問題を押しつける。首相からしてこの有り様ですから、
厚労省の役人に「身体を張ってでも食品の安全を確保する」ような人物を期待するのは無理なのでしょう。
本当に、役所、いい加減ですね。社会保険庁の記録不明30万件もひどいですが、
私は、約3年前、国民年金掛け金流用の実態はあまりにもひどい。5兆6千億円も他の目的に使われている。
を書いたときから、この役所のいい加減さはただごとではない、と承知しているので、激怒してますが、驚きはしません。
今日はくたびれたのでその件はいずれ書きます。
一言書くならば、最初に社会保険庁の「保険掛け金流用五兆六千億円」を暴いた、
民主党の長妻昭議員の功績は評価されるべきだと思います。
残念ながら、こういう人は「例外的」で、日本の政治家はアメリカの睨まれたくない。役人は政治家に逆らって、天下り先を失いたくない。
日本をWTOに提訴すると息巻いているアメリカの「有力議員」もどうせ、票集めでしょう。
どいつも、こいつも、自分のことしか、考えていない。
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