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JIROの独断的日記
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2007年04月29日(日) 「カナダが京都議定書の目標達成断念を表明、批准主要国で初」カナダは諦めが早すぎるが、CO2排出量は世界全体の1.3%なのですよ。

◆記事:カナダが京都議定書の目標達成断念を表明、批准主要国で初

【ワシントン=増満浩志】カナダのハーパー保守党政権が、温室効果ガスの排出削減について定めた「京都議定書」の国別目標を、

期限の2012年に達成するのは不可能と表明した。AP通信が伝えた。

議定書批准国のうち主要国で目標達成が不可能と正式表明したのは初めて。

新たな目標としてカナダは、現在の排出量を20年までに20%削減するとしている。

同議定書のカナダの目標値は「1990年より6%少ない排出量」だったが、その達成は大幅に遅れる見通しだ。

カナダの排出量は現在、90年より30%も多いうえ、西部アルバータ州で進むオイルサンド開発によってさらに急増が見込まれている。

ベアーズ環境相は「失われた10年への責任までは負えない」と、自由党の前政権の無策を批判した。

(4月30日5時58分配信 読売新聞)


◆京都議定書とは何か。

僭越ながら、私はかつて、かなり丁寧に京都議定書とは何かについて説明しています。

例えば、<京都議定書>批准法案を露下院に提出 プーチン大統領 ←それでも、既に温暖化防止は手遅れ。

また、最近新聞紙上でよく見かける「排出権取引」は京都議定書特有の「京都メカニズム」という仕組みによるものですが、

それについては、「環境投資で排出枠獲得 政府、ロシアや中東欧対象」 京都メカニズムという制度が京都議定書にあるのです

を読んで頂くと、かなり分かると思います。


京都議定書とは、1997年12月に京都で開かれた地球温暖化防止京都会議で議決された議定書(条約と同じようなもの)です。

締結国は、2008年〜2012年の期間における、CO2排出量を、1990年対比5.2%削減することを義務づけています。

注意すべきは、「CO2排出量を減らす」のであり、京都議定書の各国が目標を達成しても、CO2を排出しなくなるわけではない。

つまり、地球温暖化の原因の大きな要因とされている大気中のCO2の絶対量は増え続ける。温室効果は減らないのです。


それにかんしては、先のリンク先をご参照下さい。


◆カナダの排出量は大したこと無いのですよ。

京都議定書を議決した頃、カナダのCO2排出量は世界全体の3.3%ぐらいでした。

2000年には、環境省の資料、世界と日本の排出量の推移によれば、

カナダは1.3%を占めるに過ぎない。

日本の新聞(マスコミ一般)は、いつもこういう報道ですね。


話が脇にそれますが、「タミフルの異常行動」と同じです。

これを書いたあと、さらに異常行動が五十数件新たに明らかになり、

6年間での異常行動副作用は、合計180人余になった、と、鬼の首を取ったように騒いでいますが、平均すれば1年で30人ということですね。

タミフルは年間300万人の日本人が飲んでいる。あえて単純に書けば、毎年、299万9970人は、異常行動が無かったということです。


どうして、そういう書き方をしないのか、恣意的なものを感じます。


◆それにしても、カナダは今から宣言しなくてもいいじゃないか。

話を京都議定書に戻します。

京都議定書には、罰則規定がありません。

つまり、2008年から2012年に、各国が定められた目標(日本は90年比6%削減。だから、「チーム・マイナス6%」なんていっているのです)

を達成できなくても、罰金を支払うなど、制裁措置がない。



だから、カナダもあっさり「目標達成断念」を表明したのでしょうし、カナダのCO2排出量が全体に占める比率はとても低い。

はっきり言って、カナダが目標を達成できなくても大きな影響は無いのですが、みんながそれを言い出すきっかけになりうる。

京都議定書の目標計測期間が始まってもいないのに、

「いち抜けた」

というのは、他国に与える影響を考えると、無責任だと思います。



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