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2007年04月21日(土) |
今日は、「バッハづくし」です。 |
◆「バッハづくし」というのはですね。
今日は、バッハづくし。バッハだらけです。
エンピツでは4月19日付、ココログでは4月20日付の記事(下のほうにスクロールしてください)で、
ヴィヴァルディの「4つのバイオリンの為の協奏曲」を載せました。
そして、バッハがこれを「四台のチェンバロの為の協奏曲に編曲している」ので、今度おきかせします、と書きました。
今日はそれをきいていただきますが、他にもあります。
今日のエントリーは、大きくわけて(あんまりセンスのいい企画じゃないんですけど)3つの部分から出来ています。
一番目は、上で述べたとおり、バッハがヴィヴァルディの曲(ここでは協奏曲です)を他の楽器の協奏曲に編曲したもの。
二番目は、バッハが、自分の作品を編曲したもの。
三番目は、バッハのチェンバロ協奏曲ヘ短調のラルゴ、通称「バッハのアリオーソ」をいろんな楽器で演奏したもの。
という次第です。
これほど沢山載せるつもりじゃなかったのですが、
「これも聴いて頂きたい。あれも聴いて頂きたい」
という具合に段々膨張してしまいました。
勿論、気の向いた曲(トラック)だけ聴いて頂いても全く構いません。
では、早速。
◆バッハがヴィヴァルディの曲を編曲したもの
ヴェネツィア(キザですけど、バロック音楽のことを書くときは、「ベニス」とか「ベネチア」より、「ヴェネツィア」の方が、雰囲気が出るような気がするんです)
の作曲家ヴィヴァルディはバッハよりも7歳年上です。同時代を生きた人です。
バッハは、イタリアの音楽の様式を勉強するために、若い頃、意識的にヴィヴァルディ、マルチェルロなど、イタリアの作曲家の作品を、
他の楽器の為の協奏曲に編曲したそうです(イタリアばかりではなく同じドイツのテレマンの曲も編曲してます)。
それでは、いきましょう。
まず、一昨日載せたヴィヴァルディの「4つのバイオリンの為の協奏曲」。過去ログへ跳ぶのは面倒でしょうから、
もう一度、ここに載せます。
ダウンロード VivaldiConcertofor4Violins.mp3 (3399.5K)
はい。これをバッハは「四台のチェンバロの為の協奏曲」にしました。
ダウンロード BachConcertofor4Harpsichords.mp3 (3633.3K)
これはこれで、趣きが変わって良いですよね。
で、もう一曲。やはりヴィヴァルディですが、普通の(ソリストが一人の)バイオリン協奏曲を沢山書いています。
その一つをバッハがチェンバロ独奏曲にしたものがあります。
まずは、ヴィヴァルディの原曲から。ヴィヴァルディの作品番号は「RV」とかきますが、RV230です。
ダウンロード VivaldiViolinConcertoRV230.mp3 (2020.3K)
如何にも、ヴィヴァルディ(笑)。これをバッハはチェンバロに置き換えてどのようにしたのでしょう?
どうぞ。
ダウンロード BWV972arrofVivaldiVlconcerto.mp3 (2462.1K)
これが、バッハのオリジナル作品だ、といわれても不思議じゃないですね。さすが、大先生。
それで、ちょっと余計かも知れませんが、最近トランペットでやたら上手い人がいまして、これをラッパで吹いちゃった人がいます。
面白いですよ。よろしければどうぞ。
ダウンロード BWV972byTrumpet.mp3 (2540.8K)
バイオリンやチェンバロだと簡単な音型でも、ラッパで吹くとなると非常に難しいものがあるので、アクロバティックな要素が加わりますね。
最後の高い音だけでも、大したものです。
そして、実は。このトランペット、女性の奏者なんです。上手いものです。
◆バッハが自分の曲を書き換えたもの
次は、バッハが他人の作品ではなく、自分が書いた、「オーボエとヴァイオリンの為の協奏曲」を、
「二台のチェンバロの為の協奏曲」に書き換えたのです。
まずは、「オーボエとヴァイオリンの為の協奏曲」を。
ダウンロード BWV1060Oboe.mp3 (4356.1K)
管楽器と弦楽器。オーボエとバイオリンじゃ全然音色が異なりますが、その対比が面白い、とおもうのです。
これを、「二台のチェンバロの為の協奏曲」にすると、どうなるか。
ダウンロード BWV1060for2Harpsichords.mp3 (4418.4K)
オーボエとバイオリンとは対照的に二人のソリストの楽器がおなじなので、「掛け合い」の要素が減じる感じがします。
けれども、曲自体が綺麗だからね。まあ、いいでしょう。
◆バッハのチェンバロ協奏曲ヘ短調(BWV1056)のラルゴを色々な楽器で演奏しているのを比べてみます。
これは、上の2つのセクションとは、本質的に異なります。
バッハの作品というのは、不思議でして、音楽の素材自体があまりにも立派に出来ているからでしょうか、
どんな楽器で演奏しても、違和感がありません(どんな曲でも、という訳にはいきませんけど)。
ということは、「音色」という要素があまり関係ない、ということでしょうか。
事実、バッハの時代には存在していなかった楽器、たとえば、クラリネットやサクソフォーン、マリンバや、アコーディオン、等で演奏しても、全く違和感がありません。
そして、なにより、ピアノですね。
ピアニストが演奏会で弾くバッハの曲は、皆、本来チェンバロの為に書かれています。
非常に厳密に言えば、ピアノの為の作品ではないのです。
しかし、ピアニストになろうとする人にとって、バッハは必ず勉強しなければいけないものです。
貴方の前にピアニスト、もしくは、ピアノには自信がある、という人物が現れたら、
「フランス組曲か、イギリス組曲の中から、何か弾いてください」
と言ってみることです。もしも、相手が
「何すか?それ?」
と言ったら、完全に偽物ですから、張り倒しましょう。
さて、それはさておき、このチェンバロ協奏曲ヘ短調のラルゴ、通称「バッハのアリオーソ」とかなんとか言うんですが、
私はこれが、あまりにも美しいので、どうにもこうにも好きで仕方がないのです。
どの楽器の演奏家も同じなんでしょうね。実に色々な楽器で演奏されています。
今日は、ピアノ、オーボエ、トランペット、ハープを載せますが、全部聴いて頂ければ、それは嬉しいですが、
全部を聴いて頂く「必要」は全くありませんので、何となく気分で良さそうなのを、聴いてみて下さい。
後日、気分が変わったら、残りも聴いてみるとか・・。ご自由にどうぞ。
ピアノです。
ダウンロード BWV1056Largo.mp3 (2566.7K)
オーボエです。
ダウンロード OboeBWV1056Largo.mp3 (2598.9K)
トランペットです(先ほどの女性奏者とは別です)
ダウンロード BWV1056Trumpet.mp3 (2938.1K)
最後は静かにハープをどうぞ。
ダウンロード BWV1056forHarpEnsemble.mp3 (2789.5K)
如何でしたか?
お薦めCDですが、最後の「アリオーソ」ばかりというのはちょっと無いのですが、
ヴィヴァルディの作品をバッハがチェンバロ用に編曲したのは、6 Concertos After Vivaldi。
バッハが「二つのバイオリンの為の協奏曲」を「二台のチェンバロ〜」に書き直したものや、
ここで最初に御紹介した、ヴィヴァルディの「4つのバイオリンの為の協奏曲」をバッハが「四台のチェンバロの為の協奏曲」が録れてある、
チェンバロ協奏曲集3が良いと思います。
それでは。
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