外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
DiaryINDEXpastwill


2007年04月20日(金) 「BSE 民間検査の禁止違法 米地裁、農務省に許可促す」←アメリカ人にも勿論、話の分かる人がいる。

◆記事1:BSE:民間検査の禁止違法 米地裁、農務省に許可促す

米牛肉加工業者が自主的な牛海綿状脳症(BSE)検査の許可を求めた訴訟で、

ワシントン連邦地裁は16日までに、米農務省が民間検査を禁止しているのは違法との判決を出した。

民間業者による検査は「政府検査と同様にBSE対策に役立つ」と指摘、許可するよう促した。

BSE検査に関する農務省方針が違法と認定されたのは初めてとみられる。

同省は6月1日までに連邦高裁へ上訴するかを決める。

訴えていたのはカンザス州の中堅業者クリークストーン・ファームズ・プレミアム・ビーフ。

日本を含めた消費者が全頭検査を求めているとして昨年3月に提訴した。

同省は「政府には検査機器を監督・統制する権限がある」と主張したが、

同地裁は「法令上の権限を越えている」との業者側の言い分に軍配を上げた。

クリークストーンは既に検査施設を完成させているが、同省が上訴するかを見極めた上で今後の対応を決めるもよう。

(ワシントン共同)毎日新聞 (2007年4月17日 18時28分)


◆記事2:<米国産牛肉>「査察受け入れを」米食肉業界団体が政府に

米国産牛肉の輸入問題で、米食肉関連企業でつくる「米国食肉輸出連合会」(USMEF、フィリップ・セング会長)が米政府関係者に対し、

日本が要求している食肉処理施設の査察を受け入れるべきだとの意向を伝えていたことが19日分かった。

米政府は「月齢条件の撤廃」を主張して査察に難色を示しているが、

27日に予定される日米首脳会談を前に受け入れを決断するかどうかが注目される。

米国産牛肉の輸入は昨年7月の解禁から9カ月近くたった。

日本政府は、査察を実施した上で問題がなければ「生後20カ月以下」の輸入条件を緩和するかどうか検討する考えだ。

ところが、米側は3月以降、「国際獣疫事務局(OIE)の基準に従う約束を先にすべきだ」(ジョハンズ農務長官)

などと月齢条件そのものの撤廃を要求し、査察を受け入れない考えを表明。こう着状態に陥っている。

しかし、業界関係者によると、米食肉業界では「まず査察を実施しないと(条件緩和などが)前に進まない」

との認識が強まっている。現在の対日輸出量は03年の禁輸前の10分の1程度にとどまるが、

査察を終えれば日本の港などでの全箱検査がなくなり輸出量が増える期待もあるという。

USMEFの関係者は「無理にドアをこじ開けても、日本の消費者が米国産牛肉を受け入れてくれなければ意味がない」

と話している。 (4月20日3時4分配信 毎日新聞)


◆コメント:良識的なアメリカ人がいることも取り上げないと、フェアじゃない。

私は昨日、「アメリカ人は32人が乱射事件で死んだと悲嘆に暮れているが、アメリカの所為で死んだ3万人を超える

イラク人のことは、一体どうかんがえているのだ?」

という皮肉を書きました。

が、他方では今日取り上げたように、非常に合理的な、良識的なアメリカ人がいる、ということも、

指摘しなければ、フェアではない。


◆何処の国でも民間の常識=役人、政治家の非常識なのでしょう。

記事1、2を一言にまとめるなら、

「アメリカでは民間の食肉関連企業は、『日本の要求を受け入れるべきだ』といっているが、政府が渋っている」

と言うことです。

記事1は一企業が、国(アメリカ政府)を相手取って、

「日本人は米国の牛も全頭検査を求めていて我々業者は『やってもいい』と言っているのに、

国が禁止するとは何事だ」

という訴えを起こし、下級審ではありますが、ワシントン連邦地裁は

「国が検査を禁止しているのは違法だ」

との判断を示したのですね。

こう言うところは、民間の方が話が分かる。

つまり、「モノを売りたければ、客のニーズに合わせるべきだ」ということですね。

そして、ワシントン地裁も「国が間違っている」というわけですね。こういうところ、フェアですね。

日本だったら、どういう判断になったか。

日本国憲法により、司法権は独立しているはずなのですが、現実を見ると、

どうみても、政治が介入しているフシがある。

アメリカでも無いとは限りませんが、本件に関しては、立派です。

記事2は原告が一企業ではなくて、業界団体。そして訴えは

「日本が米国の食肉処理施設を査察を求めているなら受け入れるべきだ」

と国に訴えている、という話。

具体的な内容は異なるけれども、やはり、「客の要求を受け入れるべきだ」

という発想で、民間では普通のことです。話が分かる。

しかし、米国政府が邪魔をしている訳ですね(だからこそ訴えたわけです)。

太平洋のこちらでもあちらでも民間の常識は国には通用しないのですね。

ただ、繰り返しますが、良識あるアメリカ人も大勢いる、ということは認識するべきです。



【読者の皆様にお願い】

駄文をお読みになり、お気に召した場合、エンピツの投票ボタンをクリックしていただけると、幸甚です。

画面の右下にボタンがあります。

よろしく御願いいたします。


2006年04月20日(木) 「イラク派遣 国連輸送も支援 空自の任務拡大検討」←国連より米軍支援を強化しようとしていることが問題なのだ
2005年04月20日(水) Times(英国)社説「中国政府は、これ以上日本に何を求めるのか」
2004年04月20日(火) 派遣された自衛隊が現地で何をしているのか、殆ど、分からない。
2003年04月20日(日) 「新型リニアで500キロ体験 一般試乗会参加を募集」リニアモーターカーって40年以上研究・開発しているのですが・・・。
2002年04月20日(土) 太陽系

JIRO |HomePage

My追加