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2006年04月21日(金) |
お薦めCDシリーズ シュターツカペレ・ドレスデンの「金と銀」←きれいですよー。 |
◆世界最古のオーケストラ「シュターツカペレ・ドレスデン」
シュターツカペレ・ドレスデンというのはオーケストラの名前です。
日本語にすると、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団になります。
ドレスデンというのはドイツの一番東にあるザクセン州(因みにドイツに連邦州は16あるそうです)の州都です。
そこにある国立歌劇場のオーケストラ。オペラが専門なのですが、コンサートもやります。
シュターツカペレ・ドレスデンは「世界最古のオーケストラ」と言われています。本当はもっと古いのがあったのですが、廃れてしまったので現存のオケでは世界最古ということです。
勿論古ければ良いってものじゃないですね。ドレスデンが有名なのは古いからではなく上手い、そして「音」です。
重厚な、生で聞くと聴き手の全身の細胞に、「ズシン!」という重量感のある音が届く。それがたまらなく好きだという古くからのファンが多いのです。
歴代の指揮者のリストを見ると、ワーグナーとかウェーバー(オペラの「魔弾の射手」とか、ピアノ曲「舞踏への勧誘」を書いた人。
「舞踏への勧誘」は後にベルリオーズがオーケストラ用に編曲したものもしばしば演奏されます)。など、すごい顔ぶれです。
◆「クラシック通」の方はブルックナーを聴けとかいうでしょうが・・・
それでですね。
ドイツのオーケストラは、ドイツの作曲家ベートーベン・ブラームス・ブルックナーを演奏するのがもっともしっくり来るわけですが、
シュターツカペレ・ドレスデンは特に「ズシン!」ですから、ブルックナーを聴けと五月蠅い人が多いです。
しかし、その「ズシン!」で、普通は軽く演奏されがちなウィンナーワルツなどを演奏したCDがあります。
ウィンナ・ワルツ・コンサートです。
あまりにも平凡なタイトルなので見逃しがちなのですが、実は大変な名演が録音されています。
曲目は、
- 喜歌劇「こうもり」序曲(J.シュトラウス2世)
- ワルツ「ウィーンの森の物語」op.325(J.シュトラウス2世)
- ワルツ「天体の音楽」op.235(ヨーゼフ・シュトラウス)
- 喜歌劇「ウィーンの朝・昼・晩」序曲(スッペ)
- ワルツ「金と銀」op.79(レハール)
- ポルカ「浮気心」op.319(J.シュトラウス2世)
です。
「喜歌劇」とは「オペレッタ(オペラよりコミカルで軽いもの)」の訳です。「こうもり序曲」は楽しいですよ。うきうきしてくる音楽です。
ですが、何と言っても、このCDの白眉は「金と銀」ですね。
こういう曲はポップスコンサートで小編成で軽くさらっと演奏されてしまうことが多いのです。
ところが、このときにシュターツカペレ・ドレスデンの指揮者(音楽監督)だった、ルドルフ・ケンペという人は偉いです。
ものすごく真面目に大編成のオーケストラにして、ひじょうに深い音を引き出しています。大変な名演奏だと思います。
◆「金と銀」だけでもお薦めです。
同じ曲でも指揮者によって全然違って聞こえる、名演にも平凡な演奏にもなってしまいます。そこが、オーケストラの面白いところです。
このCD、ルドルフ・ケンプ指揮、シュターツカペレ・ドレスデンによるレハール作曲「金と銀」は名演になったほうの最も素晴らしい例だと思います。
これほど素晴らしい演奏を言語で表現する能力を、私は残念ながら持っておりません。月並みですが「涙が出るほど」美しい。
◆何でも「レッテル貼り」(先入観に支配されること)は禁物です。
さらに、恥ずかしながら告白すると、私はこのCDを聴いたときに、「金と銀」のメロディーの美しさに漸く気が付きました。
これほど美しいメロディーは大作曲家でもあまり残していないと思うのです。
レハールはオペレッタの作曲家で、他には「メリーウィドウ」という有名なオペレッタがあります。
しかし、はっきりいって世間では、「オペレッタ作曲家」はベートーベン、ブラームス、ブルックナーよりも「格」が低い作曲家と見なされています。
私も、そういう「レッテル」に引きずられていました。
「金と銀」なんて、既に何度聴いたか分からない、「クラシック入門曲」で、「オペレッタ」で、という意識が先行して、それまでは「聞き流し」ていたのです。
それが、名指揮者と超一流オーケストラが本気で演奏すると、これほど美しいのだ。ということ。先入観で音楽を聴いてはいけない、ということが良く分かりました。
弦楽器群の奏でるメロディーとハープの音が重なり、陶然とします。
ですが、ただ、漠然と「うっとりムード」で通しているのではありません。
文章に段落があるように、一つの曲は、幾つかの部分から成り立っています。
その変わり目のところをいい加減に弾くと、締まりのない演奏になってしまいますが、ケンペはそこが見事です。
区切れ目のところでは思い切り、バスとティンパニを「ズシン」と響かせるのです。このメリハリが何とも巧みなのだと思います。
フォルテはきちんとフォルテ。ピアノはピアノで弾く。当たり前のことですが、その対照が名演奏の一つの要因になっているのではないかと。
素人考えですが、私はそのように考えました。
「金と銀」のこれ以上の名演は多分、無いでしょう。これは、お薦めです。
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