外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
DiaryINDEXpastwill


2007年01月07日(日) 大阪市消防音楽隊が経費削減の為、廃止されかけている。議員の政務調査費を減らしたらどうですか?/【変更】署名受付延長

◆記事1:大阪市消防音楽隊:来年度末で廃止へ 経費削減、38年の歴史に幕(毎日新聞 2006.02.03 大阪夕刊 )

大阪市消防局は、06年度末をめどに市消防音楽隊の廃止を決めた。

出初め式など各種イベントで市民に親しまれてきたが、経費削減のあおりを受け、発足以来38年で幕を下ろすことになった。

音楽隊は69年に発足し、現在は隊員32人で年間200回程度公演をこなしている。

当初は消防職員が本業の傍ら活動していたが、両立が困難になったため93年からは外郭団体「市消防振興協会」に運営を委託。

現在の隊員は協会の嘱託職員で演奏活動に専従している。

しかし、年間1億8000万円程度の経費が必要なため、市の危機的な財政状況を踏まえ廃止を決めた。

06年度中は公演の予定が入っているうえ、隊員の進路も未定のため活動を続ける。

また、カラーガード隊「ファイア・フェニックス」(隊員10人)も廃止する。

市消防局は「音楽を通じた啓発効果はあったと思うが、今後は費用対効果を考慮した新たな啓発事業を検討したい」としている。


◆記事2:大阪市消防音楽隊:惜しまれ最後の公演 存続へ300人が署名協力/大阪(2006.12.18 地方版/大阪)

大阪市の財政難から来年3月で廃止される市消防音楽隊が17日、同市住之江区のワールドトレードセンターで最後の自主公演を開いた。

会場では、同隊の存続を求める市民が署名を呼び掛け、300人を超える観客が協力した。



同隊は69年に発足。消防局のイベントなどで演奏を通じて防火を啓発してきたが、

市が今年2月、「どれだけ防火に役立っているかが分からない」と廃止を決めた。

隊内には「40年近く防火・防災を訴え続け、その答えが『費用対効果が低い』という評価なのか」と落胆が広がっている。

隊員23人はいずれも演奏専属の嘱託職員で、来春以降の生活のめども立たないという。
この日は約300席が開演とともに満席となり、吹き抜けの2、3階バルコニーにも大勢の立ち見客が出た。

クラシックやポップス、ディズニー音楽など11曲を披露。

熱心に聴き入っていた同市住吉区の主婦(50)は

「これだけ多くの人の心を動かし、若い人もお年寄りも一つになれる音楽こそ、今の大阪市に必要なのでは」

と惜しむ。署名運動の問い合わせは橋本博さん(06・6701・9780)。

(注:大文字は引用者による)


◆コメント:市民(納税者)が廃止するなと云っているのに、市が勝手に廃止するべきではない。

大阪市は、大阪府の府庁所在地であり、昼間人口は東京23区に次いで全国第2位。夜間人口は横浜に次いで全国第3位の大都市である。



何処の国でも「先進国」で「文化を理解」する大都市には、警察・消防が音楽隊を持ち、

頻繁に至るところで演奏活動をして、市民生活に心の潤いを与えている。



私は東京のほぼど真ん中に勤めている。

この辺りのサラリーマンやOLは日頃仕事が忙しく、道を行き交う人々は皆一様に表情が険しく、ギスギスした印象を受ける。

そんな街だが、日比谷公園という大きな公園の野外音楽堂では、春と秋のシーズンには、

警視庁音楽隊が毎週「水曜コンサート」を昼休みの時間帯に行う。

すると、あの仏頂面のサラリーマンやOLが喜んで聴いている。楽しみにしているのだ。

「警察」という国家権力から想起する「怖いイメージ」を音楽隊が払拭している。

都民は誰も、

「音楽を演奏しても犯罪が減るわけではない。警視庁音楽隊は経費の無駄だから解散させろ」

などと野暮なことは、云わない。



このような、即物的には「無駄」だが、漱石が「草枕」の冒頭に書いているとおり、
「とかくに棲みにくい人の世を少しでも棲みやすくする」

のが、絵であり、音楽であり、文学である。

この「無駄」の大切さが分らないのは無教養な野蛮人である。

大阪市消防音楽隊は38年の歴史を誇る、立派な演奏団体であり、

そこで演奏するのは音楽を専攻した、れっきとした「音楽家」なのである。

大阪市はこのような団体を持つことを誇りに思うべきである。



市消防局の役人は「費用対効果」などとアホなことをいう。

音楽を聴いて火事がなくなるなら、とっくの昔に日本から「火災」という事故は消滅しているはずだ。

「消防隊」や「警察」という一件堅い組織が、音楽隊を持つことにより、市民に潤いを与えている、その事実だけで充分貴重である。

記事2を読めば明らかなとおり、納税者たる市民が「消防隊を存続させろ」と云っているではないか。

「議員」という人々には、「芸術を解さない、無教養な野蛮人」が多いのであろうか。


◆「経費削減」なら、市議の政務調査費(年間一人720万円)を減らしてはどうでしょうか。

何年も前から、地方議会議員による「政務調査費」の流用が明らかとなり、問題になっている。

例えば東京では、目黒区議会議員が、私的流用を行っていた事が問題となった。

実際には目黒区だけではなく、全国至る所で「政務調査費の私的流用」が暴かれて問題になっている。



それは、市民オンブズマン 事務局日誌 : 政務調査費 疑惑は目黒区だけではない!を読むと明らかである。

全国至る所で、政務調査費が「スナックでの会合」の飲食費や、「市議のマイカーローン返済」に流用されていた、という類の事例が並んでいる。



何処の市も、議員に対して、ひとりあたり年間600万円とか700万円とか、

サラリーマンの年収に匹敵するカネを、「政務調査費」という訳の分らない名目で給料以外に与えている。

この「政務調査費」の財源は勿論、それぞれの地方自治体の住民が納める住民税である。

大阪市議の「政務調査費」は、なんと、年間720万円(一ヶ月60万円)である。ところが、

「しかしながら、都道府県・政令市レベルで見ると、領収書を添付するよう義務づけている都道府県・政令市は以下の10府県・7政令市にしか過ぎず、

公開されていないほうが大多数」(上記市民オンブズマンのサイトから抜粋)

である。


◆大阪市が領収書の添付を義務づけたのは、昨年4月。大阪市の情報公開度ランキングは全国ワースト2位

大阪市は、政務調査費の使用報告に領収書の添付を義務づけている7政令市の一つだが、

義務づけたのは、つい最近、昨年4月のことであり、しかも、領収書の提出が義務づけられているのは、「一件5万円以上の支出」に限られている。

これをやってしまうと、大きな金額でも細かく割いて支出したことにすれば、報告義務を免れる。如何にも見え透いている。

そして、昨年4月以前は、領収書の添付が義務づけられていなかったのだから

(こういう感覚、民間からすると信じられない。仕事で出張や接待をして、領収書を提出しなくて良いという会社があったら、知りたい。

もしも、そういう会社があったら極めていい加減な会社であるから、信用出来ない)、驚く。

市民オンブズマン 事務局日誌 : 政務調査費 疑惑は目黒区だけではない!の「政務調査費流用疑惑リスト」に大阪市議の話は載っていないけれども、

こういう記事がある。
◆情報公開度ランキング:大阪市、最下位逃れる 滋賀は大幅ダウン、22位→39位(毎日新聞 2006.03.25 大阪朝刊)

全国市民オンブズマン連絡会議(事務局・名古屋市)は24日、今年で10回目の都道府県・政令指定市の情報公開度ランキングを発表した。

政令指定都市で2年連続ワースト1だった大阪市は、ワースト2になった。

都道府県知事と部・局長交際費

▽都道府県議会の政務調査費

▽都道府県警の捜査報償費

▽都道府県公安委員会の議事録・配布資料−−

などの8項目が審査対象で、交際費など2項目ではホームページでの情報公開度も初めて加味した。

公開度に応じて各項目にポイントを配分、100点満点で換算して比較した



「大阪市、最下位免れる」という。その前は2年連続、情報公開度全国最下位だったのである。

また、ちょうど一年前の読売新聞関西版には、議会の定数半減を 大平氏、市民と「外圧」:大阪市改革どこへYOMIURI ONLINE(読売新聞)という記事がある。

大平光代弁護士が市の法律顧問を引き受けようとしたが、議会の強い反発で辞退したことが明らかとなって、問題化したのである。

この記事を読むと、

大阪市は財政改革を行おうとしているが、議会だけは「唯一の聖域」とされていること。

大阪市議の「政務調査費」は1人あたり720万円で全国最高額であること。

そのことを是正しようとした大平弁護士が総スカンを食らったこと、

などが分る。



以下は、証拠・根拠の無い私個人の見解だが、この調子では、まだ明らかになっていないだけで、

全国殆ど全ての都道府県議会、市長村議会で、議員全員とは云わないが、

誰かが「政務調査費の私的流用」を行っているのではないか、と疑いたくなる。

そう思われても仕方がない。真面目にやっている議員は迷惑だろう。


◆こういう状況下で「経費削減」の大義名分で、38年もの歴史がある「演奏団体」を廃止するべきではない。

「芸術」の大切さをいくら云っても、分らない人には分らないから、そろばん勘定で書く。



今まで書いてきたが、大阪市議が「政務調査費を流用している」という記述は何処にもない。

しかしながら、大阪市議の定数は89人であり、ひとりひとりが年間720万円の政務調査費を支給されている。

ということは、全体で、

89×720万円=6億4080万円

となる。記事1によれば、

(大阪市消防団音楽隊は)年間1億8000万円程度の経費が必要なため、市の危機的な財政状況を踏まえ廃止を決めた。

という。そこで、やや乱暴だが、その費用を「政務調査費」から削るとどうなるか?

消防団音楽隊の年間コスト、1億8千万を大阪市の議員定足数、89で割ると、202万2471円。

一人当たり年間政務調査費、720万円から差し引いても、まだ、一人当たり年間518万円の政務調査費を受け取ることができる。

念のため記すが、各議員はこの他に、給料を貰っているのである。

一方、大阪市消防音楽隊を廃止すると、所属する音楽家は失業し、当然ながら、収入がなくなる。

38年にわたり市民を楽しませてきた、れっきとした専門訓練を受けた演奏家たちをこういう目に遭わせて良いのか。


◆署名をメールで受け付けている。

私のブログ、JIROの独断的日記ココログ版にしばしばコメントを書いてくださるNべさんは、

大阪市消防音楽隊の非常勤のクラリネット奏者で、つい最近、ラプソディー・イン・ブルーのソロを演奏なさった。

完全にプロとなるべく専門的な訓練を受けた、音楽家である。

Nべさんを通じて私は、大阪市消防団音楽隊廃止の話を知ったのだが、Nべさんから何か依頼を受けたのではない。

本稿は、私が自らの意思に基づき、勝手に書いていることをお断りしておく。



当然ながら、ここから先は、完全に個人の自由である。

以下の情報を信用するかしないか、署名するかしないかは、個人の自由意思で決定されるべきであることを強調する。

ここに、大阪市消防音楽隊の存続を求める署名活動と署名用紙配布のサイトがある。

このサイトの管理者はNべさんではない。

他の消防音楽隊の隊員でもない。

消防音楽隊の存続のために立ち上がった一般市民である。



本来署名用紙をプリントアウトして管理人の方に郵送するべきなのだが、時間がない。

1月10日必着なのである。ところが、サイトを見ると分るが、署名は代筆可能だというので、

メールで管理人さん宛に氏名・住所をおくれば、署名に加わったことになる。

くどいようだが、これは、完全に個人の自由な選択に委ねられる。

私はメールを送る。家内も連名である。

しかし、住所氏名は個人情報だから、私は、他人様に対して、署名を強要する権利など、持っていないことは云うまでもない。

念のため書くが、これは「募金」ではないので勘違いしないでいただきたい。「署名」を募集しているのである。

この話は、全国的には殆ど知られていないだろうと思い、また、署名受付締切までには、まだ二日時間があるので、記事にした。


【追加・訂正】早くもお一人、代筆依頼メール。/1月10日過ぎても署名(或いは代筆依頼メール)受付


ブログ、JIROの独断的日記ココログ版のこの記事へのコメント欄をご覧になると分るが、

以前から駄文にお付き合い下さっている、アッテンボローさんが、代筆依頼メールを早速送って下さった由。

大阪市消防音楽隊の方々になりかわり、御礼申し上げます。


【署名受付延長】

なお、本文中で紹介させていただいた、音楽隊のクラリネット奏者、Nべさんによると、

署名又は、署名代筆依頼メールは1月10日を過ぎても受け付けるとのことです。

ですから、慌てなくて大丈夫ですし、この記事を1月10日以降に読んだ方で趣旨にご賛同の方は、

(本文中で繰り返し書いたとおり完全に個人の自由な選択ですが)、大阪市消防音楽隊の存続を求める署名活動と署名用紙配布のサイトに、

メールを送って下さい。



私は、やはり、どう考えても、「市の危機的な財政状況を踏まえ」といいながら、市議会議員の政務調査費6億円超は全く削らず、

年間経費1億8千万のプロの演奏団体(しかも、38年の歴史を持つ由緒ある音楽隊)を、市民の反対があるのに、廃止するということは、

間違っていると思います。

政務調査費に手を付けないで「危機的な財政」とは何ですか。



このニュースは全国紙でも関西版にしか、載らなかったので、全国の殆どの人は知らないのです。

日本の吹奏楽人口は600万人です。彼らが知ったら、反対と言うに違いないと思います。

そう思ったので、記事を引き続き掲載します。



【読者の皆様にお願い】

この記事を読んで、お気に召した場合、エンピツの投票ボタンを押していただけると幸甚です。

画面右下にボタンがあります


2006年01月07日(土) 「古畑任三郎」のタイトルロールで「オーケストレーション」って覚えていますか?
2005年01月07日(金) 疲れたときは「アダージョ」。お薦めがあります。
2004年01月07日(水) Cry now. Play later."―今、泣いて、後で弾け。― イワン・ガラミアン=ヴァイオリン教師
2003年01月07日(火) 欧米人との正しい握手の仕方。

JIRO |HomePage

My追加