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2007年01月06日(土) |
赤坂議員宿舎建設費に334億円使い、自衛隊の派遣も延長を閣議決定し、生活保護予算を400億円削減することを決めた政府。 |
◆資料:赤坂議員宿舎建設事業費(衆議院会議録より)
これは、12月11日に掲載した、民主党の河村たかし議員の質疑応答の一部。
○ 河村(た)委員あとは、議員宿舎の話をちょっとしたいと思います。
これは、何でかと言いますと、一番最後に聞きますけれども、杉浦法務大臣にちょっとお伺
いしますが、憲法十五条に、いわゆる公務員は全体の奉仕者であるという規定がありまして、
普通は、全体の方はいわゆる論議になりますけれども、その後にも、一部の奉仕者ではない、
いずれも奉仕者という言葉を使っております。
これは、英語ではサーバンツというのが書いてありますけれどもね。そういう精神からいっ
て、後で出てまいりますが、どう思われるかという話でございます。
順番にいきましょうか。まず、新赤坂宿舎ですね。これは建築費総額幾らで、それから入居
者は何人おるのか。それと、すぐ隣地にこういうのがあるんですけれども、これはすぐ隣地
のマンションです。本当の隣地です。ここで大体八十平米、一億です。
八十平米、国会議員の宿舎、一億、民間の場合ですね。駐車場は別です。きょう電話かけて
聞いたんです。駐車料金は月に大体五万ぐらいかかると。衆議院の場合は多分ゼロになると
思いますけれども、そこら辺のところ、いかがですか、ちょっと衆議院事務局に。早うやっ
てちょうだい、時間がない。総額と入居者数。
○山本参事 お答えします。
PFI手法による赤坂議員宿舎整備事業における事業費は総額で三百三十四億円であり、そ
のうち、建設費は百三十八億円となっております。また、総戸数は三百戸でございます。
○河村(た)委員 そういうことで、億ションということでございます。土地がただになって
おりますので、お上の場合は、議員の場合は。これは真横のマンションですから。国会議員
が億ションに住むことになったんですか。これはえらいことですよ。
(後略)
◆資料2:自衛隊をイラクに派遣するのに今まで使った費用。陸自740億円。海自504億円
◆記事:自衛隊イラク派遣:初の「戦地」サマワ、陸自経費計740億円 砂漠用装備、割高に(2006.12.16 毎日新聞東京夕刊)
イラク南部のサマワに2年半にわたって延べ5500人が駐留した陸上自衛隊の派遣経費は、
総額約740億円に上る見込みであることが15日、防衛庁の調べで分かった。
内訳は公表していないが、初の「戦地」派遣だったのに加え、砂漠という風土だったこともあり、装備品の購入・修理費の割合が高いという。
陸自のサマワ派遣期間は04年1月〜06年7月。経費は、
(1)隊員600人の生活費や手当
(2)装備品の購入、修理費
(3)道路整備など復旧活動に要した金額――
などに大別され、05年度までに624億円が使われた。06年度の支出は確定していないが、116億円が見込まれている。
広大な宿営施設を建設したほか、無人偵察機を飛ばしたり、装輪装甲車を初めて国外に持って行くなど、
今後も予想される海外派遣に向けた「実験」の意味合いもあった。
単純に比較は出来ないが、テロ特別措置法に基づき01年12月からインド洋に派遣されている海上自衛隊は、
今年9月までに延べ1万300人を送り出し、経費は陸自より少ない504億円となっている。
◆資料3:社会保険庁による年金掛け金の流用額=5兆6千億円
これは、2004年4月、民主党のながつま昭議員がすっぱ抜き、
厚生労働大臣が5兆6千億とはっきり答弁している。リンク先をご参照いただきたい。
◆コメント:これだけ無駄遣いしておきながら、400億円を削るのに、生活保護を標的にするとは、筋が通らん。
資料1で民主党の河村たかし議員が熱弁を振るっているとおり
財政の健全化と云っている最中によりによって、国会議員自身が、国会議員だけが、
都内の超一等地に300億円以上もするマンションを建設して、一ヶ月9万円の家賃で利用出来るようにしているのは、どう言い訳しようが、ずるい。
また、資料2では、自衛隊海外派遣の費用を示した。
これは、陸自は2年半、海自は5年間の費用だから、単純に比較は出来ない。
しかし、政府は、2003年、強行採決で成立させ、違憲の疑いのある「イラク復興支援特別措置法」が、今年の7月に期限がくるので、
テロ特措法に続き延長しようとしている。
空自は米軍など、戦闘中の国の物資・兵員輸送を手伝っている。
これは、後方支援であり、集団的自衛権の行使と見なされ、違憲である。
このことについては、私は過去何十回書いたか分らない。
エンピツの目次ページから検索して頂きたい。
まして、アメリカが始めたイラク戦争はアメリカがその正当性の根拠とした(本当は国際法上、正当化事由にならないのだが)、
イラクの大量破壊兵器は実は初めから無かったことが明らかになった。
日本の自衛隊が、他国の違法な武力行使が招いた泥沼に「おつきあいさせて頂く」必要はない。それが同盟国であっても、である。
空自と海自が引き揚げれば400億円ぐらい、直ちに浮くはずである。
日本政府は、また、社会保険庁には5兆6千億無駄遣いさせていた。何も云うことはない。
腹立たしいのは、一方で日本政府は生活保護の母子加算を止めることを決めたことだ。
◆記事:生活保護の母子加算を廃止へ(NHK)[2006年12月10日(日)]
生活保護を受けている世帯のうち親が1人で子育てをしている世帯に支給される「母子加算」について、
厚生労働省は、来年度から段階的に額を減らし3年間で廃止する方針を決めました。
生活保護の制度では、15歳以下の子どもを親が1人で育てている世帯には負担を軽くするため、
子どもが1人の場合で、月に2万円あまりの「母子加算」が支給され、9万を超える世帯が給付を受けています。
厚生労働省によりますと、母子加算をあわせた保護費は1世帯あたり月に14万円近くになり、
働きながら1人で子育てをしている世帯の毎月の平均支出、およそ12万円を上回っているということです。
このため厚生労働省は、不公平感を解消する必要があるとして、
母子加算を来年度から段階的に減らし、3年間で廃止する方針を決めました。
ということだそうだ。
◆不公平感を解消するためなら、働いている母子家庭に2万円追加するのが正しい。
そもそも、財政の健全化のためとはいえ、
社会保障費、特に弱者のためにある生活保護費をみだりに変更してはいけない。
こういうのを「義務的支出」というのである。
財務官僚に云わせれば、防衛費と社会保障費では、勘定科目が全くことなり関係ない、というのだろうが、
税金や社会保険料を納めている国民にとっては知ったことではない。
「全体として」国の予算が赤字だ、というのだから、他に削れるところから削れ、というのは、極めて自然である。
◆自衛隊の派遣延長を優先して、生活保護を減らすのは、違憲である。
憲法第3章「国民の権利・義務」は第10条から始まるが、13条は、次の通り。
日本国憲法第十三条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
いいですか?
国民の幸福を追求する権利は最大の尊重を必要とする、と憲法が定めている。
国民の幸福が最優先課題なのである。
それを無視して、社会保障の一環である生活保護予算を削り、
違法な戦争を始めたアメリカの「お手伝い」に使う金を保つ、という政治は明らかに違憲である。
勿論、インチキをして生活保護を受給している世帯があることぐらいは私とて、承知している。
そういう家庭への支給は個別に検討して打ち切ればいいのであり、一律に減らすのは絶対に間違っている。
一件ずつ見て回るのは無理だとかヌカすのであろうが、出来ますよ。
市役所へ行ってご覧なさい。
何もしないで9時から5時まで新聞を読んでいる奴がいる。あれほど暇そうな職場は、民間には(ダメな会社は別だが)無い。
繰り返すが、超豪華マンションを議員宿舎として建設したり、自衛隊の海外派遣にはカネを使い、
主権者たる国民の生活権を脅かすような、義務的支出(生活保護予算)を減らすことは、内閣の裁量で許されるものではない。
それは、憲法に違反しているのである。
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2006年01月06日(金) 「小泉首相 「日本橋に青空を」一声発動 コイズミ記念碑?」いい加減にしろよ、この野郎。
2005年01月06日(木) 生存者への支援もさることながら、遺体の処理だけでも大変だ。
2004年01月06日(火) 「核搭載ノドン東京照準…700キロ小型化成功情報」←云いたくないが、こうなると従来の専守防衛では対処不能なんです。
2003年01月06日(月) 日本人はもう少し声を掛け合ってもよいのではないだろうか?