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JIROの独断的日記
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2006年09月24日(日) 「減価償却拡大、法人税6000億減税へ…安倍氏意向」←強きを助け、弱きをくじく・・・。

◆記事1:減価償却拡大、法人税6000億減税へ…安倍氏意向(読売新聞) - 9月24日3時30分

自民党の安倍総裁(官房長官)は、企業のIT(情報技術)関連などの設備投資を促すため、2007年度の税制改正で法人税の大幅減税に踏み切る意向を固めた。

企業が、設備や機械を取得した場合、損金として利益から控除できる減価償却の限度額を、現在の購入価格の原則95%から100%に拡大する。

課税対象の利益が従来より5%分圧縮されることで、企業の税負担を軽くする。減税規模は初年度で6000億円程度と見込んでいる。

また、ベンチャー企業を優遇する税制の拡充も検討している。

安倍氏は総裁選で、イノベーション(技術革新)による産業の生産性の向上を図り、実質3%程度の経済成長を目指す考えを示している。

今回の法人税減税は、技術革新を後押しする政策の柱となるものだ。


◆記事2:05年度、税収3・4兆円増 財務省(共同通信) - 7月3日12時26分更新

財務省が3日発表した国の2005年度一般会計決算概要によると、景気回復で税収が49兆654億円となり、

04年度より3兆4764億円増え、2年連続で前年度実績を上回った。当初予算比では5兆584億円増だった。

企業収益の改善で法人税収が大幅に伸び、株式配当の増加で所得税収も増えたため。

雇用環境の改善や株価上昇で、国内の個人消費も好調で消費税収も増えた。

この結果、国債の新規発行額は当初計画に比べて3兆1210億円を減額し、31兆2690億円となった。

01年度以来4年ぶりの低水準。05年度の基礎的財政収支の赤字は12兆5330億円と改善した。


◆コメント:社会保障費を減らし、ただでさえ儲かっている企業を優遇する政治

あまり説明は要らないと思います。

先日、小泉経済政策総括で説明しましたが、

小泉政権の政策の柱の一つは財政再建だったわけで、その方法として歳出を減らす、という選択をしました。

しかも、義務的支出と呼ばれる社会保障費を次々にカットしました。

生活保護を減らす、医療費の個人負担を増やす。年金を減らす。

象徴的なのが、障害者自立支援法で、ただでさえ、障害があり、所得が少ない人々への援助を減らしました。

月収が10万円も無い人が、社会保障サービスを受ける際の負担を増やしたのです。



さらに、19日に書きましたが、今年の6月に強行採決された、「健康保険法の一部を改正する法案」により、

もうすぐ、10月から、例えば、長期入院患者は宿泊費と食費を全額自己負担することになります。

このように、義務的支出を平気で減らすのは、裁量的支出を財務省が確保して、役人の利権を温存したいからです。



いずれにせよ、ただでさえ、病気療養のために費用がかかるのに、病気なのですから働けず、

所得が少ない人の負担を増やそうというのが、日本政府の方針です。はっきり言って、「弱者は勝手に死ね」と告げているに等しい。



それだけでも腹立たしいのに、「安倍新総理」は、企業に課せられる「法人税」を減らすそうです。

IT関連の設備投資を促し、経済成長をさらに後押ししたいと言えば聞こえは良いです。

しかし、記事2を読んで下さい。ここ数年の景気回復により、特に大企業は史上空前の利益をあげているのです。

だから、放っておいても、税収は増えているのです。

日銀が、景気過熱を警戒して、年内にもう一度金融引き締めを行うかもしれない、というほどの勢いなんです。

財政を健全化するなら、社会保障費を減らすよりも、まず、収益が好調で、余裕がある大企業に対して増税するべきではないでしょうか?



社会的弱者からカネをふんだくり、社会的強者を優遇する。

安倍さん、これが、「美しい国」ですか?

これが、「再チャレンジ可能な社会を作る」ことなのですか?

ご説明下さい。


2005年09月24日(土) <納税者情報盗難>47万人分保存のPC2台 東京国税局 責任者は財務相ですよね?
2004年09月24日(金) 「国の借金、729兆円=税収見込みの17.5倍に−6月末」 
2003年09月24日(水) ベルリン・フィルのハイドン

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