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2004年09月24日(金) |
「国の借金、729兆円=税収見込みの17.5倍に−6月末」 |
◆国の借金、729兆円=税収見込みの17.5倍に−6月末
財務省は24日、国債や借入金など「国の借金」の6月末残高が729兆2281億円と3月末比26兆802億円増えたと発表した。今年度税収見込み額(41兆7470億円)の17.5倍の規模で、国民1人当たりでは約571万円の借金を負っている計算。国債の大量発行は当面続く見込みで、過去最高の借金残高が今後も膨らみ続けるのは確実だ。 (時事通信) - 9月24日17時2分更新
◆コメント:財務省や日銀の「エリート」の無為無策。
この「日本国の借金が700兆円を超える」、というすさまじい事実に世間が反応しないのは、要するに数字が大きすぎて、想像できる範囲を超えている。ピンとこない。現実感がないからである。
月並みなやり方だが、「一万円札を積み上げると」で計算する。
100万円の束10個、すなわち1000万円の高さが約8センチなのである。
1兆円は1000万円の10万倍なので、8000メートル(8キロメートル)である。エベレストと同じぐらいだ。
日本国の借金は729兆円だそうだ。したがって、8キロメートル×729=5832キロメートルの高さとなる。
地球の大気圏は地上から、500kmぐらいまでであるから、日本国の借金を1万円札で積み上げると、宇宙空間に飛び出してしまうことになる。このように書くと、そのすさまじさが少しはイメージ出来るようになる。
◆経済学の限界。
この世には自らを秀才と信じて疑わない経済学者や、役人がごまんといるが、このていたらくは一体どうしたことだ。
日本国の借金は、税収、つまり商売で云えば売り上げの17倍もあるという。
民間企業と比べてみよう。最近問題になっているダイエーのバランスシートをみると、有利子負債は1兆6千億円もあるが、売り上げはそれよりも多く、1兆9千億だ。国はダイエーを産業再生機構の管理下において、要するに国有化しようとしているけれども、他人のことを云えた義理ではない。国のバランスシートは気の遠くなるほど絶望的だ。
収入を増やすにはどうしたらよいか?増税するというのは、だれでも思いつくことだが、これは景気が拡大していて、インフレの時には可能である。
しかし、今はまだ、日本経済は不況を脱していない。税率を上げても、企業はもうかっておらず、従ってサラリーマンの給料は上がらず、所得が増えないということは、増税してもたかが知れているし、収入が減って苦しんでいる一般国民をさらに苦しめる。
インフレになれば、物の値段があがり、つまり相対的にカネの価値は下がる。ということは、借金を抱えているものには好都合だ。だから、何年も前から、「インフレ・ターゲット」といって、目標を定めて、わざとインフレを起こさせるのがよいのではないか、という議論がある。そのためには、日本銀行が国債を無制限に引き受ける(買う)ことを認める、というのだ。すると、市中に流通する通貨量が増えて、物価が上昇するというのである。
ところが、これには反対だという経済学者が多い。過去のいろいろな国の歴史を見ると、中央銀行が国債を引き受けた後、しばらくしてすさまじいインフレが起きて今度はインフレが制御できなくなると言うのだ。
それでは、この「インフレターゲットに反対する学者」は、「こうすれば、日本国の借金を減らせる」と自信をもって言えるアイディアがあるかというと、ないのである。私はここまで来たら、インフレに持ってゆくしかないのではないかと思うのだが。
結局経済学者などというのは、理屈ばっかりこねくり回して、現実には全然役に立たないものであることが、この10数年で証明されたに等しい。
そして、自分たちが地球上で一番優秀だと思っている、昔の言い方をすれば大蔵キャリア(大蔵省の役人のうち、国家公務員上級試験に合格した人々。戦後の日本では、文系では自他共に、彼らが一番の秀才だと思っていた)、今の財務官僚はなにをやっているのかね。
彼らがどれぐらい、異常なほどの特権意識を持っているかを知るためには、お笑い大蔵省極秘情報という本を読まれるが良い。但し血圧が高い方にはあまり、おすすめできない。それぐらい鼻持ちならない。国民なんてバカ。政治家もバカ。他の省の役人もみんなバカ。バカどもは俺たちに黙ってついてくりゃいいんだよ、と本気で思っている彼らに、唖然となる。(因みに、私はテリー伊藤という人物のことを、「業界」のチャラチャラした軽薄な野郎だ、と軽蔑していたが、この本を読んでから、だいぶ見直した)。
だけどねえ。彼らが本当に優秀ならば、どうして国家財政が破綻してもおかしくない状況になってしまったのか。言い分を聞きたいものである。
2003年09月24日(水) ベルリン・フィルのハイドン