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2005年06月09日(木) |
<日本語の語彙力>私大生の19%「中学生並み」←対策を提言しなければ、意味がない。 |
◆記事:<日本語の語彙力>私大生の19%「中学生並み」
大学生の語彙(ごい)力が低下していることが、大学、短大の中堅校を対象にした調査で分かった。
独立行政法人メディア教育開発センター(千葉市)が実施し、私立大1年生の19%、短大1年生の35%が「中学生レベル」と判定された。補習や授業で「日本語技法」「日本語コミュニケーション演習」などを開講する大学が増えているが、調査はこうした大学側の不安を裏付けた。
同センターの小野博教授らは02年、中・高校生約20万人に予備調査を実施。この結果に基づいて、日本語力を「中1」から「高3以上」までの6レベルに分けた。
一方、「読む・書く・話す」といういわゆる「日本語力」は、語彙の豊富さから類推できるため、今回の調査用に75の言葉の意味を選択肢から選ぶマークシート方式の「日本語力判定テスト」を作成。19大学、6短大と国立高等専門学校の計26校の昨春の新入生7052人に、このテストを受けてもらい、予備調査結果と照らし合わせてレベルを判定した。
その結果、「鶴の一声」「露骨に」などの意味が分からない「中3レベル」以下の学生の割合は、国立大(3校)で6%、私立大(16校)で19%に上った。
短大では35%と、3人に1人が中学生レベルだった。
国立高専は4%にとどまった。
大学の授業を理解するには、高校レベルの日本語力が必要とされる。
98〜00年に実施した同様の調査では、中学生レベルの割合は国立0.3%、私立6.8%、短大18.7%。語彙力の低下ぶりが目立つ。
小野教授は「ゆとり教育、活字離れに加えて、学科試験を課さないAO入試や推薦入学など大学入試が多様化したため、私立大では多様な学生が混在する状況だ。短大も日本語の補習なしでは授業が成り立たなくなる心配がある」と指摘する。【元村有希子】(毎日新聞) - 6月8日3時11分更新
◆コメント1:まあね。ブンヤ(新聞記者)ってのは、大げさに書くからね。
センセーショナリズムと言うほど、大げさな話題ではないが、まあ、その一種だ。
つまり、まず、認識しておかなければならないのは、マスコミは、「悪い方を過度に強調する」という悪癖を有することだ。
私立大学の学生というが、言うまでもなく、私立大学には、ピンからキリまである。
当然、優秀な人間の方が少ない。名前を聞いたことも無いような私立大学は、東京だけでもゴマンとある。ましてや、地方の女子大なんて、到底分からない。短大まで入れたら、そりゃ、バカも大勢いるだろうさ。
この調査は、そういう、昔、大宅壮一(おおやそういち)というジャーナリストの言うところの「駅弁大学」(wikipediaに説明が載ってますから、調べてください)まで含めているのだろう。
Web日記やBlogは必ずしも年齢・身分を明らかにしないから、確証は無いけれども、私が時折読むBlogや日記を書く大学生の文章は、極めて語彙も豊富だし論旨も明解である。だから、さほど悲観はしていなかったのだが、考えてみれば、本当に語彙に乏しいバカは文章なんか書けないから、Blogも開設しないだろう。
◆コメント2:それにしても、この調査も新聞記事も不親切だ。
本件は、確かに好奇心をそそられるテーマであるが、読んだあと、何となく不愉快だ。
それは、何故か?
この調査をおこなった、「独立行政法人メディア教育開発センター(千葉市)」にしても、調査結果を記事にした毎日新聞、記事を書いた「元村有希子」記者も、「このままでは、大学での授業(大学は「講義」といいたいですね)が成り立たなくなる心配がある」という結論を導いて、終わりだからだ。
心配なら、対策を考えなさいよ。
言いっぱなしでは、無責任というか、あたかも「独立行政法人メディア教育開発センター(千葉市)」と毎日新聞と、読者が、優越感に浸ることが、この調査と記事の目的なのではないか、と嫌味を言いたくなる。
それでは、事態は改善しないでしょう?
◆コメント3:語彙増強の方法に関する考察。
私は国語教育の専門家ではないので、思いつくままに書かせていただく。
1.類語辞典を使う。
英語の勉強をある程度本気でやっている人はご存じだろうが、英語には、Vocabulary builderという種類のドリル本が何種類もある。"Word Power Made Easy"とかね。日本には残念ながらああいうものがない。
それではどうするか。
英語にはThesaurus(シソーラス)という、類語辞典がたくさんある。
これもまた、日本には、ほとんど無い。と思ったら、ネット上にありました。
日本語も類語を辿ることで、かなり、ボキャブラリーの増強が期待できる。
幸い、ネット上にシソーラス(類語)検索というサイトがあるので、これを毎日眺めることを習慣にする。
2.国語事典を「読む」
国語辞典を、意味の分からない単語の意味を調べるときや、漢字をしらべるために引くのは普通のことだが、それすら習慣になっていないひとは、まずその習慣を意識して、努力して身につけるべきだが、それだけでは間に合わない。
毎日、「知らない日本語の言葉を覚えよう」という、主体的意思をもって、国語辞典を読むということは、実は小説家など、プロの文筆業者ですら、行っている、極めて有効な方法である。
3.新聞記事でも社説でも良いから「音読する」。
近頃、ボケ防止のために音読が推奨されているが、音読には他にも効用がある。
黙読している場合、読み方が分からない漢字、意味の分からない言葉があっても、飛ばして読み進めることができる。
だが、音読を、ある程度のスピードで行うと、当然のことながら、読めない漢字があれば、そこで止まる。意味の分からない言葉があれば、かならず、イントネーションやリズムが崩れる。
つまり、自分が分からない言葉を明確に認識するために音読は有効だ。一日10分でもよいでしょう。
4.名作を「書き写す」。
名作ってのは、要するに、夏目漱石、森鴎外(これは少し難しすぎるかも知れぬ)、芥川龍之介、志賀直哉などの作品である。
これらのいずれか一つの作品で良い。そして全文でなくても良いので、只ひたすら、繰り返し書き写す。
あの短編も長編も上手い、浅田次郎氏ですら、ひたすら志賀直哉の文章を書き写した時期があったという。天賦の才だけではないのである。
私は大学受験で一浪したが、予備校で、教え方が上手いので非常に人気があった現代国語の講師が、「文章の本意が分かりかねるときは、私は、書き写してみます」というのを聴いて、大いに感動して、以来、真似をするようになった。
人間、何かを習得しようという場合、一見、愚かしい、無駄に見えることを、それでもひたすら続ける、「愚直の一念」が必要なのではないでしょうか。
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