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2006年06月10日(土) |
「防衛省」法案を閣議決定 臨時国会で成立目指す←ダメ。 |
◆記事1:「防衛省」法案を閣議決定 臨時国会で成立目指す
政府は9日午前の閣議で、防衛庁の「省」昇格法案を決定した。同日中に衆院に提出する予定だ。
今国会は会期末が迫っており、政府、与党は継続審議にした上で、今秋に見込まれる臨時国会での成立を目指す。政府による「防衛省」法案の提出は初めて。
額賀福志郎防衛庁長官は閣議後の記者会見で「まさに歴史的な一過程だ」と強調。
同時に「(成立すれば)自らの判断で予算、法案の提案権を持つことになる。責任が重いことも自覚しなければならない」と述べた。
法案は防衛庁の名称を「防衛省」に変更するとともに、現行自衛隊法の「雑則」で規定されている
(1)国際緊急援助活動
(2)国連平和維持活動(PKO)
(3)機雷等の除去
(4)在外邦人等の輸送
(5)周辺事態法に基づく後方地域支援−
など国際平和協力活動を「本来任務」に格上げする内容。
テロ対策特別措置法、イラク復興支援特別措置法に基づく活動も本来任務となる。(共同通信) - 6月9日10時48分更新
◆記事2:海自情報流出/公私のけじめわきまえよ (2006/02/27 神戸新聞社説)
海上自衛隊の暗号や艦艇のコールサインなど、大量の機密情報がインターネット上に流出していることがわかった。
海自佐世保基地に所属する護衛艦の通信員の私物パソコンが、暴露ウイルスに感染し、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」のネットワークに流出した。
漏れたとされる情報は、暗号の解読に必要な「符号変更装置」の操作手順や極秘の暗号書、乱数表のほか、
自衛艦のコールサインをまとめた表や、隊員約四十人の個人情報などである。
海自の作戦能力を知ることもできる船舶の追跡記録や、船舶電話番号なども含まれており、より重要な情報にアクセスされる恐れもあるという。
一国の防衛に関する情報が、こうもやすやすと外部に漏れるということは、あってはならないことだ。
海自がからんだ情報流出として、三等海佐が在日ロシア大使館の武官に秘密資料を渡していた二〇〇〇年の事件がある。
防衛庁はこれを機に、パソコンの使用やデータの保存・管理など、秘密保全に徹底的に取り組んだ。事件から五年以上が経過し、もう忘れてしまったのだろうか。
(以下、省略。URL:http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/00048791ss200702271000.shtml)
◆記事3:デル、防衛庁からクライアント PC を大量受注
PC メーカー大手の デル は2006年4月13日、防衛庁から5万6,000台以上のクライアント PC 案件を受注した、と発表した。
今回の案件は3月15日に公告され、一般競争入札方式で行われた。今回の受注は Dell 日本法人にとっては最大規模の案件だという。
受注クライアント PC の内訳は、デスクトップ PC「Dell Optiplex」シリーズ(15inch 液晶モニタ付)3万2,000台以上、
ノート PC「Dell Inspiron」シリーズが2万4,000台以上。
あらかじめ防衛庁の仕様に適合するオフィスソフトウェアやウィルス対策ソフトなど、カスタマイズされたイメージを全 PC にプリロードした状態で納入される。
受注製品は9月末までに納入される予定で、納入場所は、陸上/海上/航空自衛隊の関連施設。
業務用電子計算機として利用される。(japan.internet.com) - 4月14日15時13分更新
◆記事4:在日米軍再編に関する最終報告(2006年5月)骨子
1.普天間飛行場を沖縄県名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部へ移設。
2.在沖縄海兵隊を司令部を中心に約8000人削減し、大半をグアムへ移転。移転費用102億7千万ドルのうち、60億9千万ドルを日本が負担。
3.沖縄県の牧港補給地区、キャンプ瑞慶覧などを全部または一部返還。嘉手納飛行場の戦闘機訓練を国内六カ所に分散移転。
4.キャンプ座間に米陸軍司令部を移転し、陸自中央即応集団司令部を併置。横田基地(東京都)に空自航空総隊司令部を移転。
5.厚木基地(神奈川県)の空母艦載機を岩国基地(山口県)に移転。
◆コメント:談合は?流出した情報は?米軍再編にかかる費用負担は?
よく、こういうずうずうしいことが言えるものだ。
昨日の日記に書いたとおり、今国会の最大の争点の一つは、防衛施設庁による談合問題だった。
それは今もうやむやにされて、関与した人物の名前を何人か挙げて、トカゲの尻尾切りで終わらせようという魂胆が、見え透いている。
第二に、記事2にあるとおり、海上自衛隊の機密情報が海自佐世保基地に所属する護衛艦の通信員の使用パソコンから大量に流出した。
Winnyを経由しているので一体どこまで情報が洩れたのか分からない。
私は軍事に関しては素人だが、週刊文春5月25日号が、現役の通信を専門とする自衛官に、「洩れた」情報を見せたところ、
一瞬、息を飲み、顔色が変ったという。
要するに自衛隊内部の通信に用いる無線の周波数や、暗号化に用いる乱数表、マニュアル、という「超機密事項」が洩れてしまったのである。
これを中国や北朝鮮が入手しなかったわけがない。これらを全部換える労力と時間は大変なモノだそうだ。
「だそうだ」と書かざるを得ないのは、政府から、「この事件が、国家の安全保障にどれぐらいの危険をもたらしうるか」について、きちんとした説明が無いからである。
◆情報漏れを防ぐために新しくPCを5万6千台買うのは税金を使うのに詫びを入れないのか?
国家の最高機密を扱う自衛官が、Winnyがインストールされたパソコンに、国家の安全保障に関わる情報を保存していて、流出した。
だから、これからは私物のパソコンを用いないように国がまとめて大量にデル・コンピューターからパソコンを購入し、自衛官に支給するという。
平均単価も総費用も発表しない。
仮に(そんなに安い とは思えないが)平均単価が6万円だとしても、5万6,000台注文すれば、33億円もかかる。
いずれにせよ、「本来、不要だった出費」であり、この財源は税金である。国民に余計な負担を強いるのに、防衛庁長官は謝罪しないのか。
◆米軍再編費用日本負担分3兆円
記事4には、在日米軍再編案の骨子を載せた。
ここには明記していないが、日本は沖縄の米軍がグアムに移転する費用などの大半を負担させられ、それは3兆円にもなるという。
そして、在日米軍が再編されると、日本はどこまでアメリカの戦争に巻き込まれるのか。「骨子」ではさっぱり分からない。
このような重大事は、事務方で決定する問題ではない。内閣総理大臣が国民に説明するべきだ。
ところが、小泉首相は全く関与していない、したがって、説明も出来ない。
◆防衛「省」に昇格すると、どうして時限立法が「本来任務」になるのか
国連平和維持活動(PKO)や、周辺事態法に基づく後方地域支援は、いまだに違憲ではないかという主張がある。
イラク復興支援特別措置法について、私は繰り返して述べているが、完全に違憲である。
そもそもこれは時限立法である。
防衛庁が防衛省に「格上げ」されたところで、これらの活動が急に合憲になるという理屈は無い。
行為自体の合憲性が判断されるべきである。
◆防衛施設庁の談合と情報漏洩だけでも本来、額賀防衛庁長官はクビだ。
政界のいい加減なところで、これだけの不祥事が続いたら、民間ならとっくにトップはクビである
ところが、額賀防衛庁長官は辞め無いどころか、状況を国民に説明しない。
それどころか「まさに歴史的な一過程だ」などと言っている。その前に不祥事の責任を取って辞めろ。
そして、今更、言及するのも馬鹿馬鹿しいが、行政府の長である小泉首相は、例によって丸投げである。
◆結論:不祥事の説明も済ませていない役所を格上げする必要は無い。
このように、いい加減な状態の庁を省に格上げする必然性は認められない。
大体、軍人は調子に乗るのだ。
庁から省になったら、絶対に「あれも欲しい、これも欲しい」「これもやりたい、あれもやりたい」
と強力に主張するようになり、憲法の範囲を逸脱する方向に向うことは目に見えている。
今までのとおり内閣府の外局で丁度いいのだ。
2005年06月10日(金) 国語力の低下(続き)
2004年06月10日(木) <小6同級生殺害>救急隊員に「惨事ストレス」 PTSD専門医療機関の必要性
2003年06月10日(火) 「洪庵のたいまつ」