夫と娘はカツ丼が好きだ。しかし私はカツ丼って、そんなに好きじゃない。
カツ丼も食べてみれば美味しいと思う。悪いとは言わない。しかし私は思うのだ「サックリ揚がったトンカツを何か哀しくてベタベタにして食べねばならぬのか」と。トンカツは好きだし、玉子丼や親子丼も好きだ。カツ丼派の人達は、何故それを一緒にしてしまうのか。
「サクサクのトンカツをトンカツだけで食べたいってのは分からなくもない。でもカツ丼のお出汁に浸された衣も悪くないんだよ。ちょっとベタついたカツを食べている途中に、まだサックリしたところに行き当たった時の感動。出汁の味の染みた衣…そして、トンカツの旨みを存分に吸い込んだ出汁と卵をご飯と一緒に食べるのは、そりゃぁ、もう美味いんだよ」と夫談。
娘はまだその辺の説明は上手に出来ないのだけど、娘の考えはなんとなく分からなくもない。娘がカツ丼デビューしたのは昨年末。外出先で、たまたま適当なお店が無くてカツ丼専門店に入ったのだけど、その時はじめてカツ丼を食べて、娘の中で「何か」が開いてしまったらしい。「カツ丼→大好き」「卵料理→大好き」「大好き+大好き=ものすごく大好き」って事なのだと思う。
先の日曜日は夕食に家でカツ丼を作ったのだけど、夫も娘も「ひゃっほー」って感じで、それはそれは美味しそうに食べていた。その日、娘は遊び過ぎたため夕方からグダグダだったので「今日はあんまり食べないかもね」と思っいたのだけれど、カツ丼を見るなりテンション上がりまくりで「カツ丼って美味しいねぇ」と、いたくご満悦だった。
そして私は覚悟を決めた。夫と娘の幸せのために、これからもカツ丼を作り続けようと。面倒だし、そうしょっちゅうは嫌だけど、たまになら作ってもいいかな…と。
世の中にはカツ丼好派の人って多いのだろうか? 何故だか分からないけれど私の周囲にはカツ丼好きの人が多くて、アンチカツ丼派は少数派。学生時代の友人に「食べ物の中で1番好きなのはカツ丼」と言い切るほどカツ丼の好きな子がいて、彼女はバイトをしている時「お給料日のお昼にカツ丼をてテイクアウトして食べるのが何よりの楽しみ」と熱く語っていた。彼女は娘と同じく「美味しい物と美味しい物を合わせた食べ物が美味しくない訳はないじゃない」と言う嗜好の持ち主だった。私はそんな彼女を奇異に思っていたのだけれど、夫も娘もカツ丼派だったなんて。
ちなみに。私はどんぶり物を食べるなら海鮮系のどんぶりが好き。揚げ物を載せるなら天麩羅一択。天とじ丼は勿論不可。
娘の食べ物の嗜好はどちらかと言うと夫に似ている。そして私はいつだって少数派。娘と私が結託することもあるが、断然夫と娘の方が団結力が強い。なんだかちっょっと悔しい気分。台所を牛耳っているのは私なのに……と、エプロンの端っこを噛み締めつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。
本日のお弁当。おかかご飯、ウィンナー、アジフライ、南瓜&人参煮物、ピーマンのチーズケチャップ炒め、蜜柑寒天ゼリー(別容器)。パンダの顔はもう少し重心を下に持ってきた方が可愛かったかも。要修行。