次の週末は夫の実家へ遊びに行くことになった。
昨日、義母と週末の段取りを電話で話していたら義母からお土産のリクエストがあった。私達の自宅最寄駅にあるケーキ屋で焼き菓子を買ってきて欲しいとのこと。以前、手土産で持って行ったのがとても美味しかったからまた食べたいのだとか。
言っちゃあなんだが、そのケーキ屋はそれほど美味しい店ではない。決して不味くもないのだけれど、垢ぬけない味というのだろうか。取り立てて褒めるところのない凡庸なケーキ屋なのだ。ケーキはまだマシなのだけど、日持ちのするお菓子については「イマイチ」のひと言に尽きる。手土産で持って行ったことはあるけれど、その時は事情があって他の物が用意出来ず「こんなものですいません」というような気持ちで持って行ったものだ。
しかし義母はお世辞を言ったり、変に気を使ったりするタイプでは無い。嫌いな物は嫌いとハッキリ口にする人なので、わざわざ食べたくない物を「持ってきて欲しい」とリクエストしたりはしない。本心からそのケーキ屋の焼き菓子が美味しいと思っているのだろう。
夫の実家の最寄り駅には百貨店があり、いわゆる「デパ地下」には、美味しい洋菓子店がたくさん入っている。私達が手土産に持っていくお菓子よりも、義母が私達に持たせてくれるお菓子の方がずっと美味しいと思うのに、義母はパッっとしないケーキ屋の焼き菓子が美味しいと言う。
「どうしてだろう?」と考えていてハッっとした。私や夫にとって、そのケーキ屋は「イマイチなお店」という評価なのだけど、違う見方をすると「昔風なケーキを出すお店」なのだ。ケーキにしても焼き菓子にしても、あまり凝っていない。私達が子供の頃に食べた焼き菓子の味そのままなのだ。
義母の口には「今風の洒落た洋菓子」よりも、ちょっと懐かしい感じのする凝っていない焼き菓子の方が美味しいと感じたのだろう。
食べ物の「美味しい・美味しくない」って、人それぞれの主観に過ぎないのだなぁ……なんて事を思った。最先端が良いって訳ではないようだ。確かにお料理だって、創作料理系のお店へ行って、あまりにも凝り過ぎた料理を出されると「うへぇっ」っと辟易することがあるものなぁ。
そんな訳で週末は地元のケーキ屋の焼き菓子を持って夫の実家へ遊びに行ってくる。その時、私達も自分達が持って行ったお菓子を食べることになると思うので「この店の焼き菓子はパッっとしないよねぇ」なんて先入観を持たずに、味わいたいと思う。案外、新しい発見があるかも知れないなぁ……なんてことを思いつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。
週末に娘のお雛様を出した。お雛様は女の子を護ってくれる御守りのような存在なのだとか。娘をしっかり護ってやってね…とお願いしておいた。