白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2008年03月21日(金) お彼岸の夜に

彼岸の中日。夫は仕事。しかも夜勤。朝、帰宅した夫が眠った後で、娘を連れて実家にお参りに行ってきた。

実家には一応仏壇があるけれど、仏事には不熱心。お彼岸とお盆にお坊様は来るけれど、ただそれだけのこと。位牌になって仏壇におさまっている亡父も仏事には不熱心だったので、まぁそれもアリかなぁ……と思う。娘は初めて見るお坊様に興味津々。グズりもせずにお経を聞き、がぶり寄りでお坊様の様子を伺っていた。

昼食の最中に娘がグズリ出したので早々に帰宅。帰宅してからは、いつも通りの生活。娘をお昼寝させたり、遊んでやったり。夕食の用意をしたり。再び夫を送り出し、娘を寝かしつけて1日が終了。なんてことのない地味な1日。

娘が寝た後で、NHKのニュースでも観ようかとテレビをつけたら、若年性アルツハイマーに罹った人と、その家族を追ったドキュメンタリー番組が放送されていた。たまたま観たのは父親が若年性アルツハイマーに罹ったご家族の話。うっかり最後まで観てしまい、1人でめそめそ泣いてしまった。

私の父は若年性アルツハイマーではなかったけれど、晩年は肝臓からくる脳炎で、アルツハイマーと同様の状態になってしまったのだ。徘徊したり、凶暴化したり、幼い子供のようになったり。長年一緒に暮らしていた家族が自分の知っているその人ではなくなっていく辛さは言葉には言い尽くせないものがある。人格が変わってしまったのかと思うほどに変貌してしまっても、それでもやはり大切な存在。だからこそ……愛している分だけ辛い。

亡き父のことは、今となっては遠い日の思い出に過ぎない。辛かった日々は過去のことだし、当時感じた痛みも、もはや思い出の中だけのことだ。父のことを忘れたりはしないけれど、今さら掘り返してどうこう思うつもりはない。

お彼岸の夜に父を思い出さずにはいられないような番組を観るだなんて、偶然とは言え出来過ぎだなぁ……と、昨夜は偶然に感謝しつつ父を偲んだ。「あなたの娘は元気でやってます。あの当時はキツイ顔だと言われたものだけど、随分と優しい顔になりました。あなたの孫も生まれましたよ。おかげさまで健やかに成長しています」なんて語りかけてたりして。

昨日は取り立ててなんて事もない1日だったけれど、ある意味においてお彼岸らしい1日だったなぁ……って事で今日の日記はこれにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
2006年03月21日(火) 風邪引き日記
2005年03月21日(月) 長生きしたい
2004年03月21日(日) そして復活。
2003年03月21日(金) 介護の事など書いてみる。
2002年03月21日(木) ネタバレであり、私信であり、愚痴でもあり。

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