朝の食卓で、ひょんなことから夫が相撲に関する薀蓄話をしてくれた。お相撲さんのお給料とか、相撲部屋を維持するシステムとか。夫の話を聞いていて、私は唐突に「タニマチになりたい」と思った。タニマチとは相撲部屋を贔屓にするパトロンのこと。相撲部屋中継などで、上座に座って力士とちゃんこを食べたりしている人達の事だ。
タニマチになって、お相撲さんからチヤホヤされるのはさぞかし良い気分だろう。「たまには若い者に肉でも食べさせてやるか」とて、若い力士を何人か連れて焼肉を食べに行ったりするのは面白いだろうなぁ。そして何よりも素敵なのは、伸びていく若い人を近い場所から見られる……ってこと。
もし、お金持ちになったら何かのパトロンになりたいと思う。
べつに相撲部屋のタニマチじゃなくてもいい。学校へ行きたい若者の援助をするのでもいいし、昔風に画家やなんかのパトロンでもいい。世の中に出て行く若者の支援が出来て、かつ若い人の成長を見ることが出来るだなんて、どんなに楽しいだろう。支援したからって、何かを得られる訳ではないし、支援を上手く利用してくれる人もいれば、無駄にする人もいるだろう。だけど自分が年を取ってから「人が成長する様を愛でることが出来る」というのは、これ以上の贅沢は無いように思うのだ。
今は娘を育てるようになって「人が成長するのを間近で見る喜び」を味わっているのだけれど、娘が育ってしまったらもうそんな機会は無いだろう。そこでパトロンになるのだ。自分も年をとって人生の終焉へ向かっていくその時に、伸びゆく輝かしい生命に触れる……考えてみただけで素敵だ。
もっとも……今のところ私にはお金持ちになる予定なんて無いのだけれど。
朝っぱらから夫を相手に「タニマチも魅力的だけど、奨学金の基金設立とかもいいよね」などとパトロンについて熱く語っていたら、夫から微妙に上から目線で「俺、白蓮さんと結婚して良かったと思うよ」と言われた。まぁ、確かに「パトロンになりたい」だなんて「宝くじを当てて家を買う」って言うよりも、非現実的な妄想ではある。
それはそれとして、これからは「将来の夢は?」と聞かれたら「パトロンになることです」と答えるつもりだ。夢は大きく! 叶うかどうかはともかくとして……って事で今日の日記はこれにてオシマイ。
おやつに作った牛乳プリン。(写真だと器に牛乳を注いだだけに見えるけれど)蜂蜜ソースをかけて食べるのだけど劇的に美味だった。手作りおやつは安上がりでいいなぁ。娘が成長するまでにレパートリーを増やしたい。