今日、仕事帰りの通勤電車で年輩の男性が席を譲ってくれた。ひどく吃驚したけれど、実際のところ気分が悪くてギリギリだったので、ありがたくお気持ちを頂戴した。
お腹の大きな妊婦さんに席を譲る…というのは、ままある事だと思うのだけど、今はまだ妊娠初期なので私のお腹は目だっていない。しかも今日はゆったりとしたコートを着ていたので妊婦だとは到底分からなかっただろうと思う。何故、彼は私に席を譲ってくれたのだろう?「顔色が悪かったから」なんてことも考えてみたが、なんと彼は私が立っていた前の席に座っていたのではなく私が立っていた真後ろの席に座っていた人で、彼の前にも別の人が立っていたと思われる。
不意にトントンと肩を叩かれて「はて?」と思って振り向いたら「ここに座りなさい」と私を誘導してくれたのだ。おそらく彼は私の背中しか見えていなかったと思うのだが……
その男性は私にお礼を言う隙も与えずに会釈だけして去って行ってしまった。
帰宅して、じっくり考えてみたが彼が席を譲ってくれた理由はいまだに分からない。どんなに考えてみても不思議で不思議で仕方が無い。だけど見知らぬ人の善意はとても嬉しかったし、ありがたかった。お腹の子が無事に生まれたら、いつか今日の出来事を話して聞かせたいと思う。母がその時、どんなに嬉しく思ったかを。そして人は時に、見知らぬ人の善意に助けられたりするのだということを。
こうやって日記に書いてみた今も不思議で仕方がないのだけれど、席を譲ってくれた年輩の男性に感謝しつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。