白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2006年09月12日(火) 針仕事

雑巾ってのは、すぐに草臥れてくるんだ…ってことを結婚して初めて知った。実家には「板の間」が少なかったので、雑巾が磨耗していくのを実感することは無かったのだけど、いまの家は台所や寝室が板張りで、階段もあったりするので、雑巾の稼動率が高いのだ。

私は寒さとマラソンと計算が苦手だと自覚しているけれど、針仕事も相当苦手だったりする。苦手というよりも、むしろ針仕事が憎い。ボタンつけと、繕い物と、雑巾を縫う以外に、針と糸は見たくない……と思うほどに不器用なのだ。

昨夜はゲームに興じる夫の横で雑巾を縫いながら「現代人に生まれて良かった」という話をした。もしも私が江戸時代の農家に生まれていたら「使えないヤツ」というレッテルを貼られているだろう。針仕事が苦手…ってことは、機織りだって苦手だろうし。江戸時代でなくとも職業を選ぶ自由が浸透していない時代だってら、適性でない仕事だろうが何だろうが、生きて行くためには「しなければならない」のだ。したくない事はしなくて良い世の中って素晴らしい! ちなみに私はボタンつけと、繕い物と、雑巾を縫う以外の高度な針仕事は全て外注すると決めている。

三浦綾子の『続・泥流地帯』という大好きな小説に、ヒロインが主人公の引っ越し祝いに「何も出来ないから…」古布で雑巾を縫うエピソードがあるのだけれど「我が家に遊びに来ていただく際は、手土産にケーキはいらないから雑巾の4〜5枚でも縫っていただけないだろうか?」と友人に通達出来たらどんなに良いだろう……なんて事を思った。

昨夜は1枚、雑巾を縫った。今夜も1枚縫うことをノルマにしている。

雑巾なんて100均で買えば良いのだろうけれど、それも勿体無いしなぁ。悩ましい限りである。縫い物の無い世界へ行きたい……なんて事を思いつ、今日の日記はこれにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
2004年09月12日(日) 食料を備蓄する。
2003年09月12日(金) ますます嫌いになってゆく
2002年09月12日(木) 言わない優しさ。言えない強さ。

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