白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2006年05月18日(木) 針仕事

猛ダッシュで帰宅したら、出勤前の夫(今週は夜勤)が居間でTVを見ながら針仕事をしていた。先日買った夫のパジャマの裾上げをしているようだった。

私は針仕事が大の苦手。その事は夫にも伝えてあったから、奮起して自分でやろうと思ったらしい。週末にでも、ゆっくり取り組もうと思っていたのだが夫の気持ちが嬉しくて「少々縫い目が歪んでいても、仕上がりが悪くてもそのままでいこう」と思った。

飼い主に誉めてもらおうと尻尾をビュンビュン振るワンコのように得意気な顔で、夫は出来上がったパジャマを着て見せてくれたのだが……絶望的な出来栄えだった。縫い目のひと針は優に3センチはあったし、切りっ放しの裾をアイロンもあてずに、二つ折りにしただけ。その上、ギュウギュウに糸を引っ張っていたから、裾が巾着のように縮んでしまっていた。

夫に殺意を抱く瞬間……って、こういう時かも知れない…と思った。ただでさえ苦手な針仕事だというのに、草臥れて帰宅してから取り組まなくちゃいけないなんて!

だが一生懸命頑張った夫を責めるのは筋違い。だいたいからして買った日に始末しておけば良かったのに先延ばしにしていた私も悪かった。それに夫は「手伝おう」と善意でやってくれたのだ。つとめて平静に怒りを笑に変換して「気持ちは嬉しいけど、あんまりだから私がやり直すね」と夫を仕事に送り出した。

裾を切りなおして、アイロンを当てて、我が家にはミシンが無いので、手縫いでチクチクと裾をかがった。用事が増えてしまったのは甚だ遺憾ではあるけれど、こんなことまで頑張ろうとしてくれる夫の気持ちが嬉しかった。もっと喜んであげれば良かったなぁ……と反省。出来るだけそういう顔をしないように気をつけたつもりだけれど、きっと不機嫌が顔に出ていたと思う。夫に悪い事をした。夜勤用の交換ノートに「ありがとう」と書いておこう。

週末は、もう1枚のパジャマの裾上げに取り組まなくちゃなぁ……なんてことを思いつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
2005年05月18日(水) 使わない諭吉。
2003年05月18日(日) 本の整理。
2002年05月18日(土) 心霊・オカルトブーム…とか、なんとか。

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