仲良しの同僚Uさんが「昨日、買い物で夢中になったら残金が500円になっちっゃてて……お昼ご飯を買うのも困っちゃう」ってな事を言ったのが発端になって「財布の中身」について、やたらと話が盛り上がってしまった。
いい年した大人は「1000円×年齢」分の現金を財布に入れておくものだ……てな話を何かの本で読んだことがあるけれど、一般庶民はなかなかそうも言っていられないように思う。私とて給料日前は素寒貧……てなことがあるので、うっかり使いすぎてしまったUさんの心情は分からなくも無かった。
だが私は常に「使わない諭吉」という心強い伏兵を隠し持っているので、本当のことを言うと「財布に500円ぽっきり」なんて事はまず有り得ない。
ぢつは「もしも」の時のために必ず1万円札を忍ばせているのだ。「もしも」と言うのは「可愛いお洋服があったから、うっかり衝動買い」とか「読みたかった漫画を古書店で見つけたから大人買い」とか、そういう事ではない。たとえば急病であるとか、不祝儀であるとか。あるいは素寒貧の時に友人から「今日はどうしても1人でいたくないから、飲みに付き合ってくれない?」なんて誘われたりした時とか。ま「もしも」なんて事は、そう滅多に無い訳なのだが。
そんな話を同僚達にしたらば「それって男性的な思考だよ。女性の発想じゃない。女性は、常に誰かに助けてもらう……って発想があるから、そういうことはしないものだよ」と言われてしまった。その場にいた同僚達数人も「使わない諭吉」の話は、いまいちピンと来なかった様子。
なるほど。女性ってのは、そういうものなのかも知れないなぁ……と言いたいところだが、それって性差ではなく個体差なのではなかろうか? 女性だからって「常に誰かに助けてもらう」ってな発想を持っているとは思えないのだが。機会があれば、友人知人に聞いてみようと思う。
今日はどうしても新刊本の匂いが嗅ぎたくて、駅構内の本屋に駆け込んだ。心地良い読み物がいいなぁ……と思っていたのに、手に取った本は『鋼の女 最後の瞽女・小林ハル』面白そうではあるけれど、心地良い本では無いだろうに。なんだか、ちょっぴりドツボな感じ。財布の中に使わない諭吉を忍ばせて、明日もまた頑張ろう……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。