白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2005年11月28日(月) やっぱり泣いた。

やっぱり泣いてしまった。

愛犬が死んだのに、なんだか泣きそびれてしまった感があり「私は泣かずにいるんだろうな」と思っていたのだが、昨夜は布団に入ってからダラダラと涙を流してしまった。乙女な母の手前、嗚咽することはなかったけれど、真っ暗な天井を見つめながら、どうしようもなくただ泣いた。

私の住んでいる長屋には「ドア」ってものが全くなくて、全てが昔風の引き戸なのだけど、つい「あの子が通るために」と戸を閉める時も少しばかり隙間を作ってしまうのだ。乙女な母に「もう、さっちゃんは死んじゃったんだから、ちゃんと閉めなさい」と言われてハッとした。

愛犬は「パグ」という犬種だったのだけど、パグは鼻がペチャンコであるがゆえに鼾が酷くて、いつも愛犬の鼾を聞いて眠りについていたのに、もう2度と聞くことはないのだ。帰宅しても迎えてくれる尻尾はいない。犬臭い…あの温かい塊は居なくなってしまったのだ。

小さな子だったが、その存在は大きなものだった。

しかし死んだ愛犬のことを書くのは今日で最後にしようと思う。いつまでも嘆いたところで帰ってきてはくれないのだし。私達は生きなきゃいけないのだし。せっかく生きているのなら、より良く楽しく生きなくちゃ。哀しみに浸りつつも、頑張っていこうと言い聞かせてみたところで今日の日記はこれにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
2004年11月28日(日) 物欲の薄そうな顔
2003年11月28日(金) 匂いの作用
2001年11月28日(水) 雪のひとひら

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