夜更け前から、雨が降っている。
穀雨にはまだ早い。
だからこれは、春ではないが、少なくとも冬の底は抜けたと告げる雨だろうと思う。
*
希望は存在する、絶望の真っ只中に。
地震、原発事故、経済の動乱と相俟って、今年の厳しい寒さは心身にこたえた。
けれども、そうだから、時代の絶望の真っ只中に産み落としたこの子どもは、間違いなく希望であると感じる。
誕生を祝福する明るい鐘は、もうどこかへいってしまって鳴り響かない。
でも、この静かな雨が、静かに、小さく、でも確かに希望の鼓動を打っている。なぜならば、私は嬉しくてしかたないからだ。
宝物のような小さな赤ん坊を抱いて、しみじみそう思う。
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どうだまだかと連絡が絶えない、借金とりに追われているような毎日。 予定日を過ぎた産婦というのは、かように面倒なプレッシャーに晒される。 これは、経験しないとおそらくわからないだろうと思う。
しかしそんな経験も三回目になると、こちらも随分図太くなってきて、 出てこないものは仕方が無い、無い金は返せない、と居直っている。
さらに、そのような問合せの気配がある電話は基本的に取り次がないようにと、Hに頼んである。
自分にプラスにならないノイズを排除することは大切だ。 Aを身篭った初産の頃に比べて、自分は強くなったな、と思う。
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