満員御礼の、杉並公会堂。
やっこらえっこら、鉄道に乗って、 この音楽を聴くために、花の都へ出てきたのである。
そうだから、申し訳ないのだけれど、 新進気鋭の演奏家によるバイオリンコンチェルトも、世界初演のマリンバも、それはそれとして楽しんだけれども、私の中では先付、向付。
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満を持して、山本直純作曲 合唱組曲「えんそく」。
ラジオ深夜便で耳にして、その魅力に何ともとりつかれた。
「廃盤」などと無下な結果を出す検索エンジンを蹴飛ばし、 コロンビアレコードから出ているCDを探しに探しあて、
それから何回、聴いてきただろう。 直純さんのこの曲は、もうすっかり私の一部になっている。
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山田和樹さんも、日フィルも、なかなかハリキッテいた。
村上春樹風に言うと、「行儀よく高級スーパーに並んだ野菜のような」 子どもたちの合唱も、美しかった。
美食を極めた後のような満足感で、東京を後にする。
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山田さんは「名曲を聴き継ぐ」ことの大切さを話してくれたが、 私にとっては全くその通り、その機会を与えてくれたこの企画に感謝、である。
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