企業と生物多様性、なるレポートを読む。
昨年5月に生物多様性基本法が成立、施行され、以来、企業と生物多様性は奇縁で結ばれたのである。
同法第6条によると、こうである。 「事業者は、基本原則にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、事業活動が生物の多様性に及ぼす影響を把握するとともに、他の事業者その他の関係者と連携を図りつつ生物の多様性に配慮した事業活動を行うこと等により、生物の多様性に及ぼす影響の低減及び持続可能な利用に努めるものとする。」
果たして企業は、こんな責務を負うことができるのだろうか。 生物の多様性に及ぼす影響を把握する?
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来年2010年には、G8環境大臣会合が神戸で開催される。生物多様性イヤーなのだそうである。 「シー・オー・ツー」に続いて、次は「生物多様性」が経文のように唱えられるようになるかもしれない。
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企業が自慢げに披露する取り組み事例を見ても、違うなあという感じが否めない。 ただ単に、ゴミを清掃したり、植林をするのは-もちろんそれらは大変結構なことだけれども-、生物の多様性と直接関係ない。むしろ多様性を損なうのではないかと思われる取り組みもある。
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私達は多分−準備運動として−多様性とは何かを理解しなければならない。 多様性があるとは、どういう状態なのか。 多様性がないとは、どういう状態なのか。
企業の場合は、まずは本業で取り組んでみることを、私は提案したい。
もしも、万が一、「売り上げシェアの○%を競合他社に譲り、業界全体の企業数を増やします」という経営方針を掲げ、かつ業績を伸ばすような企業が現れたら、そのとき初めて私は、企業の生物多様性保全への取り組みに期待すると思う。
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