日帰りで上京。
夕暮れの汽車から、雨に煙った田畑や里山が見える。 菜の花や桜は彩りに深みを増し、新緑はみずみずしく生命を蘇らせる。
国道の、しっとりと濡れたアスファルトの路面ですら美しい。
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雨を一方的に悪く言うのは、天気予報の意地悪な解説ぐらいである。 もちろんうんざりするような雨だってあるけれど、私は総じて雨降りの日が子どもの頃から好きだった。
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風景を美しいと認識するとき、私はほとんどいつも雨や雪とともにある。
風景とは、自分はこの世で独りの存在だと強く感じる時に初めて、美しい優しいものとして姿を現す。
雨はそして、私から孤独の事実を引き出す触媒なのである。
長らく忘れていたけれどそういうことだったと、今日思い出した。
2005年04月14日(木) コミュニケーション原点回帰 2004年04月14日(水) made in Japan
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