浅間日記

2009年02月19日(木) 馬鹿電化

5年でオシャカになったオーブンレンジを買いに電気屋に出かける。
レンジはともかく、オーブンがないと、どうにも我が家は寂しいのである。


最近の電子レンジの機能は、なんだかすごいことになっている。

「最新型を使えば、台所での煮炊きは一切不要になります、天ぷらも大丈夫です」と得意な店員の話を、Hと二人で口をポカンと開けながら聴く。

何とかかんとか適当なオーブンを購入する。
車に積み込みながら、Hが吐き出すように「天ぷらはちゃんと揚げたのを食べたいよなあ」と言う。

火を使いこなしてこそ人間である。
注意深く調理しながら、青々した葉を色鮮やかにゆであげる喜びも、天ぷらを香ばしく揚げる喜びも、最新式のレンジはもたらしてはくれないのである。
そういうものは、私達の暮らしには不要である。



大型電気店に行くとつくづく思うが、一体、なぜあんなに沢山の種類の電化製品があるのだろう。

電気酒かん機、電気おかゆ鍋、電気毛玉とり器、卓上小型扇風機、空気清浄機、掃除ロボット、そして数々の電気健康機器。電気美容機器。
もはや、人間の知恵や能力を衰えさせる数々の道具という風である。



一方で、こうしたニュース。

自民党環境部会は、地方自治体が雇用を創出するための具体案をまとめ、6日に開かれた同党の景気・雇用創出ニューディール推進プロジェクトチームの会合に提出した。日本版グリーン・ニューディールの要素となるもので、約15万5千〜21万2千人の雇用と約4兆3千億〜5兆3千億円の経済効果・費用を見込んでいる。これにより、公共施設の家電製品を省エネ型に交換するとともに、エコポイントの仕組みや省エネ診断員を活用し、家庭における省エネ機器への買い替えを支援する。経済効果は全世帯の1割が照明・エアコン・冷蔵庫を省エネ機器にした場合に約二兆円、雇用は省エネ診断員として47都道府県に計1500人としている。



省エネルギーをうたうのならば、余計な電化製品は買わなければいいのである。

エコエコ唱えながら、買い替えよ、節電せよ、の一点張りに、私は経済界の姑息な感じを否めない。
購入せよ、しかし使うなと言っているようなものである。

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