Aと「ローマの休日」を観る。
爽やかな物語であるが、一種の悲恋である。 そして、これはお姫様の冒険話ではなく、アメリカ人男性のファンタジーである。
可哀相な女性を男性の力量で幸せにする、乃至は成長させる、というのは、アメリカの伝統ともいえる物語のパターンなのだそうである。
人生が幸せではなかった王女をつらさから解放し、保護し、励まし、一瞬であるが、別の人生を歩まないかと示唆する。
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休日を終えた二人は対照的である。
王女はすっきり爽やか、恋を覚え女性としても少し成長し、宝物のような思い出は王女として生きる明日への礎に昇華している。
片や、グレゴリー・ペック扮するジョー・ブラッドレーは、そう簡単に夢から覚めることはできないと思われる。 そして、その未練たっぷりで宮殿を去る最後のシーンも、なかなかの名場面なのである。
2007年02月12日(月) リスクが顕在化するとき
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