朝早くから、上京。
羽毛布団のセールスマンのような人から、 羽毛布団とはまったく関係ない話を聴く。
世の中で周知されている出来事や評価というものは、 すべからくフィルタリングされたものである。 法律は、その最たるものである。
*
その結果、どこの誰にも適用されない出来事や評価が亡霊のように存在する。 あるいは、どこの誰もが適用されるはずの出来事や評価が欠如する。
グローバル・スタンダードを経て、 私達の世界は今や15万分の1のスケールに縮こまり、 広くを見渡せるが自分の足元は米粒より小さい。
常にパースペクティブな視点以外もつことができず、 自己と他者を区別するものが希薄になって、 自分自身の生の実態がつかめなくなっていく。
でもしかし−そのことで安心するにせよ、落胆するにせよ− 1:1の自分は必ず存在する。 整形を施された芸能人ほど綺麗じゃなく、イチロー選手より機敏ではなく、 村上世彰より金儲けが下手な自分は、そこにいる。 世界の中で自分にだけ有益なこともあるし、有害なこともある。
人は身の丈を知ることで初めて身の丈を超えることができるし、 個の存在が明確になることで初めて集団の良し悪しを考えることができる。
2006年07月14日(金) ガムランと積乱雲 2005年07月14日(木) 一回しか死ねない 2004年07月14日(水) 見た目から入る話
|