2007年04月17日(火) |
美しい国の資源ごみの日 |
日本タイ経済連携協定(JTEPA)のリストに、医療廃棄物や焼却灰などの有害廃棄物が含まれている。というニュース。
ラジオの解説員は、これは有害廃棄物の越境移動を規制するバーゼル条約に抵触する、という見解を示していた。 協定の日本語文書には、有害廃棄物の記述が削除されているなど、 巧妙なごまかしがあるとも指摘している。
この出来事は、グリーンピースなどの環境保護団体から、 自国のゴミをアジアの途上国へ押し付ける行為だと批判されている。
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フォアグラを作らされるガチョウみたいに、 この国は、国外から持ち込んだ資源で飽和している。 水銀も鉛も、世界の貯蔵庫みたいになっている。
資源を持たず、加工貿易で飯を食ってきたから、なにしろフローが多い。 そして、製品となって国外へ出て行く分と、原材料として輸入した分がイコールではない。
自家消費分や、製造工程で出た端切れは、廃棄物というかたちで蓄積する。 一刻も早く国外へ排出しなければ、狭い国土は汚染される一方なんである。
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だから、廃棄物を再資源化し、ニーズがある場所へ国際的に循環させる、というねらいは、間違ったものではない。 正々堂々とプロセスを透明にしてすすめればよい。
処理技術を開発し、再資源として恥ずかしくない状態にし、 利用ニーズがあるところへ適正に引き渡せばよい。
もっとも、そうした状態であれば、リストには「廃棄物」と表記されないだろう。
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ただニーズがあるところへ渡せばよいというものではない。 町内で出す「資源ごみ」のレベルで、 「後はそっちの国で適当に処理して使ってくださいね、不要なら捨ててもらってもいいですよ」などとして お茶を濁そうというのなら、世界中から批判されても仕方が無い。
廃棄物は発生者の自己責任で処理するのが原則だ。 そういう後始末をきちっとできるのが「美しい国」というのではないか?
そして、本当は、後始末ができないのなら国内での操業をやめるべきだと指導するのが行政府の立場のはずなのに、せっせとゴミ出しを手伝っている。
私が一番腹立たしいのは、そういう行儀の悪い連中が、 善意ある消費者や市民へ、奇妙な意識啓発−道徳まがいの−を、 したり顔でやっていることなのだ。
アンフェアである。
2006年04月17日(月) 魂込め 2005年04月17日(日) 嫌だといっているというのに 2004年04月17日(土) 不必要な不祝儀
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