浅間日記

2004年04月17日(土) 不必要な不祝儀

過日、車内に置き去りにされてしまった子どもの、
通夜や葬儀はもう一段落したのだろうか。

亡くなった子どもは1歳というから、
このような不祝儀は全く予想も必要もなかったことだろう。

事件からずっと頭を離れなかったが、
なかなか整理がつかない出来事である。

車内に置き去りにされているのを確認した母親は、
妊娠し新しい命を宿しているとのこと、影響が心配である。
これからいいことずくめだったはずなのに。

重い十字架を背負わされてしまった夫婦を、
この上なく気の毒に思う。

妻は夫を許すことができるのだろうか。
夫は自分の子どもを奪われてもなお、「人の命を助ける」
医師という職を継続できるのだろうか。

新しい命を自分の人生に迎え入れることは、
それなりの覚悟が必要なのだ。
特に男性の場合は処方が難しい。

父親として十分な祝福をうけ、
妻と喜びを分かち合い、
新しい命をたっぷり慈しむ。

儀式としてこういう時間が少なくとも1年は必要と思うが、
現代社会の父親にはなかなか保証されない。
父親としての権利が損なわれているのだ。

子どもの冥福と、
夫婦がこの困難を乗り越えられることを祈りつつ。


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