同じ想いを、 抱いて居たのだろうか。
同じ事象を見て居たに過ぎず、 異なる場所へと、 向いて居るのだろうか。
其れは、 分からない事だけれど。
ふと零した言の葉に。
瞬時に、 応じる事が出来るのだから。
少なくとも。
互いに、 紡ぎ紡がれて歩んだ刻が。
確かに、 此処には在るのだろう。
本当は。
ずっと、 ずっと、 待ち望んだ刻だったのだろうか。
「五年になるよ?」
俺の一言に。
「五年になるの!」
間髪入れず、 あの子は応えた。
相変わらず。
「診て貰いに。」 「行かなくて良いの?」
「体調がおかしかったら来いって言われてる。」 「でも面倒臭い。」
其処へ触れられる事を、 頑なに拒み。
飽く迄、 決めるのは自身なのだと、 俺を遠避けるけれど。
---------- References May.26 2022, 「治ったねと言えるでしょうか」
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