例えば其れが、 共演で在ったなら。
或いは其れが、 協演で在ったなら。
何れ程の相乗効果を持って、 日々を、 彩ってくれるのだろうか。
幾ら、 そう願っても。
決して其れは、 競演以外の何者でも無いのだ。
飽く迄、 争いの一場面で。
其処には、 疲弊しか残らぬと言うのに。
視線を離した隙に。
背中を床へ擦り付け、 盛んに構えと、 猫撫で声を出し。
振る舞いに応じ、 背中へ愛撫を繰り返せば。
嫉妬に狂う重りが、 猫撫で声と共に突進して来る。
「にゃぁ〜。」
「はいはい。」 「撫でろってか?」
「ゴロゴロゴロ・・・」
「五月蠅ぇ!」 「何奴も此奴も・・・。」
俺は、 猫を何匹飼って居るのだ。
出掛けの喧噪時に生じる、 其の競演に。
想わず、 溜息を洩らす。
確か此の猫は、 姫の飼い猫で。
姫は、 猫では無かった筈なのに。
---------- References Apr.10 2004, 「対抗すべき脅威の対象でしょうか」 |