< 報いですか >
アイツが弱っている事が、 手に取る様にわかる。
アイツの不安な気持ちは、 痛いほどわかる。
けれども、 前の恋人がどんなに困っていても、 俺にはアイツに声をかける事が出来ない。
俺の言葉は、 アイツが待ち望んでいる物で、 アイツを余計に期待させるだけだから。
無責任な言葉で俺が逃げたから、 その報いを受けているんだ。
「友達に戻れば少しは楽になる」
無責任な言葉でアイツと離れたから、 その報いを受けているんだ。
「好きな人が出来た」
アイツにとっての決定打は、 俺はまだ言えずにいる。
アイツにとっての決定打は、 今とてもアイツには言える状況じゃない。
アイツにとって大切な父親。 俺にとっても、 とても世話になった親父さん。
「具合はどうなの?」
たった一言が遠く高くにあって、 手を伸ばしても掴めない。 |
2002年10月21日(月)
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