雲間の朝日に想うこと


< とどめを刺せますか >


アイツは間違っていない。

妙な勘は良く働く、
そんな所に俺は惹かれたんだから。




アイツは間違えていない。

本気でそんな風には考えていないし、
確信を持って、
俺に向けた言葉を書いているんだ。









 「ありえないと思ってる」
 「でも」
 「違うなら読み流して」






 「好きやよ」








俺は間違っていない。

妙な勘は良く働く、
そんな所にアイツは惹かれたんだから。




アイツのサイトに踊る文字を、
見て見ぬ振りはもう出来ないんだ。

俺はアイツに、
最後の刃を向けるんだ。








疾く。
強く。
鋭く。

俺は綺麗に斬れるだろうか。


2002年11月28日(木)


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< 根雪の様に残り続けますか >


貴女の周囲に、
俺の姿が増えて行く。

貴女の周囲に、
俺の像が描かれている。


 「小坊主・・・」


受話器越しでも、
寝言でも、
独り言でも。

貴女が俺の名前を口にする度に、
貴女の世界に加えられ、
貴女の世界へ浸透し、
貴女の世界を蝕んで行く俺。








 「今ね、小さな彼は小坊主なんだよ!」






貴女独特の世界観、
相変わらず理解に苦しむけれども。


小坊主たちは全滅した・・・

そんな出来事を聞かされれば、
相当落ち込む事はわかっているけれども。




それでも俺は、
嬉しさで顔が綻ぶ。











小さな彼が、
ゲームの主人公に俺の名を付ける事。

会った事も無い子供の中に、
俺の名前が刻まれていると言う事。




幼気な子に根差しかけた好意が、
そのまま永遠に続く様に。


2002年11月27日(水)


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2001年11月27日(火) 貴女にも確かな跡がありますか



< 蓋を開けても良いですか >


もしかしたら昔は、
そう考えていたのかも知れない。

もしかしたら無意識の内に、
そう考えていたのかも知れない。



貴女をアイツと比べる事。
今の女と以前の女を比べる事。




失礼極まりない行為。

今の俺には、
しようとも思わないし、
しようとしても決して出来ない行為。





 「相方さんとはどうだったの?」
 「相方さんはどっちに寝ていたの?」





貴女がこうやって、
一つ一つを昔と比べる事。


優越感を得たいのか?
安心感を得たいのか?






貴女はそれで良いかも知れないけれど、
俺はその度に、
昔の想いを強制的にこじ開ける。


貴女はそれで満足かも知れないけれど、
俺はその度に、
昔の相方を強制的に想い出す。






あの時の二人。

二人で歩いた道。
二人で行った店。


二人で過ごしたホテル。





アイツと最後に逢った日も、
今日の様に寒かった。


2002年11月26日(火)


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< どちらに重みが残っていますか >


貴女と一緒に眠ったときは、
どうだったろうか。


記憶の糸を手繰り寄せると言うには、
あまりにも短い時間だけれど、
それでも積み重ねて来た二人の想い出から、
その時だけを切り出してみる。







貴女は俺の右に居ただろうか?

貴女は俺の左で寝ただろうか?



貴女を支えていたのは右腕だったろうか?

貴女を感じていたのは左腕だったろうか?













貴女のメールに大笑いした事を、
貴女はまだ知らない。





 「ウチの子供は寝る時私に背を向ける」
 「今朝の番組にこんな投稿があったのよ・・・」


 「小さい彼と同じだ!」
 「小坊主は大丈夫だよね?」




偶然にも俺は、
貴女と同じ番組を見ていた。

偶然にも俺は、
貴女と同じ事を考えた。


貴女がまだ知らない、
俺だけの秘密。


2002年11月24日(日)


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< 二人が一番近付く方法は何ですか >


そこまでムキになって否定しなくても、
考えている事ぐらいわかっている。

そこまでムキになって否定しなくても、
一生懸命な事ぐらいわかっている。



 「ちゃんと考えてる事わかって欲しかったから!」



そう前置きをして、
宿題の答えを提出する貴女。



 「部屋でベタベタするは駄目だよ」
 「ちゃんと考えてね」



確かに俺はそう前置きをして、
宿題を出した。










けれども、
俺が禁じた答えを貴女が選んでも良いんだ。

貴女が考えに考えて選んだのなら、
俺が禁じた答えを貴女が選んでも良いんだ。




 「別に部屋でベタベタしても良いよ」
 「時間的にも厳しいでしょ」



貴女の中でほとんど固まっていた答えに、
揺さぶりをかけてみた。


素直に答えを保留して、
素直に答えを考え始める貴女。









ほらね。

二人が想い描いた事は、
二人が望んでいる事は、
やっぱり同じ。



側に居られないから、
側に居たいんだ。

お互いの身体に最接近したいんだ。


2002年11月22日(金)


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< 舞い上がってませんか >


無邪気に話す君の笑顔は、
俺を安心させる為に、
充分過ぎる程の笑顔だった。

無邪気に話す君の笑顔は、
俺を心配させるにも、
充分過ぎる程の笑顔だった。





 「野球の話で盛り上がったんだよ!」
 「彼と遊んじゃおうかな〜」





離婚歴のある大人の男性と比べれば、
君の旦那は明らかに子供だ。

だからといって、
君が遊びで人と向き合えるのか?




其れが出来ない事くらい、
自分で良く理解しているだろう。

そんな男性と接する機会が無かったから、
単なる好奇心で、
単に舞い上がってるだけだろうに。








 「やめとけよ」
 「不倫なんてそんなに良い物じゃない」







少し強めの口調。

意外な答えだったのか、
少し怯む君。



確かに俺は、
自分の事を棚に上げているけれども、
遊びに出来なくなった時に、
どれだけ自分を削らなければならないか、
それだけは理解出来ている。







 「こちらもボチボチやっていきます」






夜中に届いたメール。
数日前より格段に落ち着いた言葉。

それで良いよ。



目の前の美味しい餌にすら、
決して喰い付けない。

それほど君は臆病者なんだから。


2002年11月21日(木)


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2001年11月21日(水) 返事が来ない理由は何ですか



< 予知夢ですか >


貴女が見る俺の夢は、
どんな夢が多いんだろう。

貴女が見る夢の中は、
どんな俺が居るんだろう。





俺の夢を頻繁に見る貴女が、
時々羨ましくなる。

俺は滅多に夢を見ないから。


夢でも良いから、
貴女の姿を早く見たいのに。

俺は夢を朝まで覚えていないから。





 「小坊主の夢を見たの」
 「二人すやすや布団の中で眠っているの」





貴女の見た夢が予知夢であったら、
素敵だね。



きっと貴女は、
俺をすやすや寝かしてはくれないけれど。


2002年11月19日(火)


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2001年11月19日(月) まだ関係が壊れそうで怖いですか



< 少し力をもらえますか >


貴女が俺を遠くに感じる時、
俺も貴女を遠くに感じています。

貴女が俺を求める時、
俺も貴女を求めています。






別々の事をこなさねばならない時間が、
二人の時間を次々に削って行く。

別々に過ごさなければならない時間が、
二人の時間を更に遠ざけて行く。



離れて暮らす二人にとって、
今この時が、
一番の苦しさを味わう時。











貴女の声で良いから。

一緒に過ごす時間は、
極上の時間として隠して置いて良いから。



声で良いから俺にくれ。




そうしたらまた、
いつもの俺に戻るから。

貴女を支えて進めるから。


2002年11月16日(土)


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< 望む物は何ですか >


見なきゃならない現実を素直に見ないのは、
昔からのアイツの悪い所だ。

本気で見極めた答えなら良い。

本気で見極めた答えで無いのなら、
失礼極まりない。
許せない。



見せかけの優しさって何だ?
ただ目に見える形だけの愛情って何だ?




豪華な食事も、
豪華なプレゼントも、
豪華なホテルも。

昔の彼氏が贈ろうとした物は、
確かにアイツが望んでいない物かも知れない。


けれども、
それが見せかけだと判断した根拠は何処にある?
それが形だけの愛情だと思う根拠は何処にある?





 「ちゃんと好きな人おる」
 「好きな人といれないなら1人でいる方がマシ」






アイツが昔の彼氏に言った言葉。






そんな物を見せられても、
俺には何も出来ない。


 「嫌いになった」


贈る事の出来る唯一の物は、
贈る事の出来る唯一の言葉で、
やはりアイツが望まない物なのにね。


2002年11月14日(木)


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2001年11月14日(水) 慎重になってはいけませんか



< 救いの神になれますか >


あの男と一緒になってから見えて来た物なんて、
当然存在するに違いないんだ。

その事を良く理解しているから、
君は賢い子だから、
必死でお互いの妥協点を探しているんだ。



 「お互い自分は正論だと思ってる」
 「相手の意見も分かるけど受け入れられない部分」
 「どちらかが一方的に悪いわけではないかも」


親友も話をした。
俺とも話をした。

彼女は落ち着いた。
前に進もうとした。


けれども・・・







 「先週からは暴力が出てきたよ」
 「そろそろお互い疲れてきたね」
 「暴力が出たとき信用が一気に揺らいできた」


 「私も自分が出せなくなる気がする・・・」




 「簡単に別れられる関係ではないと思ってる」
 「がんばってみるけど」
 「でも頑張りすぎないようにしようと思います」






嫌な匂いのする文面。

何か悪い事が起きそうな時、
必ず感じるこの感覚。




 「まさか君は、悪い意味で吹っ切れてしまったのか?」



心の中に巣くったこの気持ちを、
俺は出来れば否定したい。










彼女も遠距離恋愛だった。

俺がアイツの話をしていた時も、
彼女が彼の話をしていた時も、
お互い新発見の連続で、
お互い納得の行く事ばかりだった。


だからこそ応援したい。
だからこそ上手く行って欲しい。





 「今回は会えないかな?」





そう伝えて来た君の言葉。

諦めの言葉であって欲しくない。
だから会うよ。
飯でも食おうよ。



単なる意見交換と、
単なる気分転換と、
自分を整理して奮い立たせる機会になる事を祈っている。


2002年11月12日(火)


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2001年11月12日(月) 気持ちに正直になっていますか



< 隠した寂しさが見えていますか >


賑やかな我が家が、
きっと嬉しかったんだよね。

久々にお客さんが来て、
きっと嬉しかったんだよね。

貴女の親友が来てくれて、
きっと嬉しかったんだよね。


俺の頭には、
はしゃいで戯ける小さな彼が、
ほんわかと浮かんでくる。



 「親子漫才みたいって笑われた!」
 「小坊主と会う時もこうなのかな?」
 「少しは大人になってるかな?」



貴女の言葉に思わず吹き出した。


貴女はそう言うけれど、
親友には「貴女自身も子供だ」と言われている事に、
全然気付いていないから。










小さな彼は寂しかったんだ。



だから、
どんな子でも構わない。

俺があの子と対面する時には、
大人で無くても良い。


寂しさを感じなければ、
それで良い。


2002年11月10日(日)


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2001年11月10日(土) 黙っておくべきでしたか



< 待っていてはくれないのですか >


あの時俺に出来る精一杯の努力と、
あの時俺に巣くった大きな不安感や孤独感は、
貴女には届かなかった。



 「非常事態だよ」
 「今日は家に帰れない」
 「明日詳しく連絡するから」



突発したアクシデント。

そして既に、
自分は家に帰る手段が無いという事実。

まだすべき事が残っていた。
必死に動き回っていた。
貴女に電話する時間すら惜しかった。
携帯の電池も不足気味だった。









並べてみれば、
確かに全て言い訳にしか過ぎない。


 「説明が明日になるなら連絡はくれない方が良い」


貴女の言葉は正しい。
たったあれだけの言葉で、
貴女に俺の気持ちが届くわけ無い。


半端な連絡なら必要ない。
半端な連絡なら心配をかけるだけ。
それをわかった上で、
メールを送ったのは俺自身の選択だ。







何故俺の心には、
怒りしか浮かんで来ないんだ。


2002年11月07日(木)


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< 宿題を出して良いですか >


貴女が俺の街に来るまで、
期限はあと一ヶ月。

俺は貴女に、
たった一つ宿題を課した。


貴女の困惑する様子を、
半分笑いながら楽しんでいる俺。




 「下手だって良く知ってるじゃない・・・」
 「無理だって良く知ってるじゃない・・・」




貴女にとって苦手分野である事は、
良くわかっているけれど。

貴女にとってかなりの難問である事は、
良くわかっているけれど。



決して意地悪をしたくて、
こんな宿題を出した訳ではないんだよ。









もっともっと俺の街を知って欲しいから。

そして貴女の感性で、
俺の知らない街を見つけて欲しいから。




 「行きたい所を調べておいてね」



貴女への宿題。


2002年11月05日(火)


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< 俺の負けですか >


きっと一人で寂しいんだろう。
きっと一人で呑むんだろう。

寂しさに耐え切れず、
俺に言葉を送って来る貴女。


 「私も呑み会♪」


誰かと会う予定も無いのに、
懸命に虚勢を張って、
懸命に嫉妬心を煽って、
懸命に俺の気持ちを惹きつけようとする貴女。











子供染みた貴女の言葉と、
いくら理解していようとも。

子供染みた貴女の言葉に、
どんなに呆れていようとも。



 「ぷっ・・・」



吹き出してしまった俺の負け。


2002年11月03日(日)


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< 充電出来ましたか >


電話に出た貴女の声。
久しぶりに聞いた貴女の声。

あっという間に半泣きになる貴女の声。


 「どうした?」


問いかけには答えずに、
強情に我慢している貴女。

俺に心配をさせまいと、
必死に我慢している貴女。


そこまで我慢するなら、
泣きべそなんて見せたら負けじゃないのかい?









 「元気出たよぉ」


電話を切る寸前、
明るくそう言う貴女の声。


ありがとう。

貴女の声で、
俺は十分に充電出来ました。


2002年11月01日(金)


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