もしかしたら昔は、 そう考えていたのかも知れない。
もしかしたら無意識の内に、 そう考えていたのかも知れない。
貴女をアイツと比べる事。 今の女と以前の女を比べる事。
失礼極まりない行為。
今の俺には、 しようとも思わないし、 しようとしても決して出来ない行為。
「相方さんとはどうだったの?」 「相方さんはどっちに寝ていたの?」
貴女がこうやって、 一つ一つを昔と比べる事。
優越感を得たいのか? 安心感を得たいのか?
貴女はそれで良いかも知れないけれど、 俺はその度に、 昔の想いを強制的にこじ開ける。
貴女はそれで満足かも知れないけれど、 俺はその度に、 昔の相方を強制的に想い出す。
あの時の二人。
二人で歩いた道。 二人で行った店。
二人で過ごしたホテル。
アイツと最後に逢った日も、 今日の様に寒かった。 |